2008年11月13日(木)
=山梨市牧丘~甲州市勝沼ぶどう郷YH=

今日は里道で距離も短めなので、ゆっくりして、8時半に山梨
市倉科の民宿あらいをスタートした。
民宿のご主人から、北方の杣口(そまぐち)集落にかやぶきの
家が残っていると聞き、回ってみることにする。

民宿のブドウ畑に残っていた、よく熟したぶどうを2、3房ずつ
もらい、食べながら県道206号に上がる。
さらに、昨日下りた黒戸奈神社の西のブドウ畑の農道を上が
り、新井の寺、陽徳山の前を通って北に進む。
西山まで上がって天満宮に寄る。嘉永5年(1852)再建とい
う社殿は、前面の拝殿が舞台になっていて、江戸末期から村
芝居を行っているという。

少し下りかけたら、ブドウ畑にいた人が声をかけてきた。なん
と、先ほど分かれた民宿のご主人、Uさん。教えてもらった杣口
への道はもっと上だとのこと。
近くにあった、廃屋になった民家を改造してUさんが管理して
いるという「民宿農土香(のどか)」にも案内してもらう。
ブドウ畑の間を緩やかに上がり、フルーツラインと呼ぶ車道を
越えると、行く手にもブドウ畑が広がる。

真智集落まで上がって振りかえると、ブドウ畑の上に冠雪した
富士山の上部がよく見える。

山すその用水に沿った車道を東北に回ると、眼下に色づいた
ブドウ畑や、富士山の展望など、気持ちよい眺望が続く。
大室集落まで来たが、見下ろせる範囲には、かやぶきの屋根
が見えない。 I さんが、近くの家に聞きに行ったら、奥さんが自
宅から出てきて教えてくれた。
大正6年(1917)生まれの91歳というTさん。背はぴんと伸
び、耳も達者でお元気。夫はディサービスに通っているが、自分
は元気で、干してあった布団の出し入れもしているという。
教えてもらった東側の県道210号線に下って少し進むと、昨日
幾つも見た、真ん中に大きな屋根のある独特の形の、かやぶき
屋根の家があった。

昨日の家は皆、トタンを被せてあったので、もとのままのかや
ぶき屋根は初めて。
門を入ったら奥様が居られた。拝見させてもらうようお願いした
ところ、心よく了解していただく。ご主人も来られ、そばにある蔵
の中も見せて下さった。
Kさんご夫妻の家で、このような屋根の造りは、この牧丘周辺
の養蚕農家に限られた独特のものとか。かやぶき屋根のまま
残しているのはKさんだけだけという。
中間の屋根は煙出しの役目をしており、最近屋根のふき替え
をしたが、表側に3年、裏側に3年かけているとのことだった。
Kさんのお宅では昭和40年代(1965~)まで養蚕をしていた
が、現在はぶどう栽培が中心。リンゴも栽培していて、奥様が
りっぱなリンゴをむいて下さり、その上、漬け物やお茶もいただ
いた。

庭のモミジの大木や、数本のツツジがよい彩り。モミジの葉の
向こうに富士山も見えるという、うらやましい眺めの庭である。

40分くらいもおじゃまし、ゆっくり話を伺い、帰り際には大きな
リンゴもひとつづついただき、厚く御礼申し上げて門を出た。

文化財としたいような貴重な建物を拝見し、その上、温かい
もてなしもいただき、ここだけでも来た甲斐があったというもの。
南に向かって旧道を少し下った山本には、木樵(きこり)神社と
いう珍しい神社があった。

この地が杣山口なので、きこりの安全を祈願して創られたもの
らしい。

正面に富士山を眺め、色づいたリンゴの実るリンゴ畑や、ブド
ウ畑の間の旧道を少しずつ下って大室に入る。


独特の造りの大神宮を過ぎ、東側の斜面に向かってブドウ畑
の間を下る。


堀之内まで進むと、大きなしだれ桜の寺が見えた。

西念寺で、山門を入ると、赤い帽子とよだれかけを掛けた六地
蔵が並んでいる。
正午近いので、ここで昼食とし、顔を見せたご住職に断り、暖
かくなった日差しを避けて、本堂西側のぬれ縁に腰を下ろした。
民宿で作ってもらったおにぎりは特大で、3つは食べられない。
柿とエスカップも添えられていた。
(続く)
=山梨市牧丘~甲州市勝沼ぶどう郷YH=
今日は里道で距離も短めなので、ゆっくりして、8時半に山梨
市倉科の民宿あらいをスタートした。
民宿のご主人から、北方の杣口(そまぐち)集落にかやぶきの
家が残っていると聞き、回ってみることにする。

民宿のブドウ畑に残っていた、よく熟したぶどうを2、3房ずつ
もらい、食べながら県道206号に上がる。
さらに、昨日下りた黒戸奈神社の西のブドウ畑の農道を上が
り、新井の寺、陽徳山の前を通って北に進む。
西山まで上がって天満宮に寄る。嘉永5年(1852)再建とい
う社殿は、前面の拝殿が舞台になっていて、江戸末期から村
芝居を行っているという。

少し下りかけたら、ブドウ畑にいた人が声をかけてきた。なん
と、先ほど分かれた民宿のご主人、Uさん。教えてもらった杣口
への道はもっと上だとのこと。
近くにあった、廃屋になった民家を改造してUさんが管理して
いるという「民宿農土香(のどか)」にも案内してもらう。
ブドウ畑の間を緩やかに上がり、フルーツラインと呼ぶ車道を
越えると、行く手にもブドウ畑が広がる。

真智集落まで上がって振りかえると、ブドウ畑の上に冠雪した
富士山の上部がよく見える。

山すその用水に沿った車道を東北に回ると、眼下に色づいた
ブドウ畑や、富士山の展望など、気持ちよい眺望が続く。
大室集落まで来たが、見下ろせる範囲には、かやぶきの屋根
が見えない。 I さんが、近くの家に聞きに行ったら、奥さんが自
宅から出てきて教えてくれた。
大正6年(1917)生まれの91歳というTさん。背はぴんと伸
び、耳も達者でお元気。夫はディサービスに通っているが、自分
は元気で、干してあった布団の出し入れもしているという。
教えてもらった東側の県道210号線に下って少し進むと、昨日
幾つも見た、真ん中に大きな屋根のある独特の形の、かやぶき
屋根の家があった。

昨日の家は皆、トタンを被せてあったので、もとのままのかや
ぶき屋根は初めて。
門を入ったら奥様が居られた。拝見させてもらうようお願いした
ところ、心よく了解していただく。ご主人も来られ、そばにある蔵
の中も見せて下さった。
Kさんご夫妻の家で、このような屋根の造りは、この牧丘周辺
の養蚕農家に限られた独特のものとか。かやぶき屋根のまま
残しているのはKさんだけだけという。
中間の屋根は煙出しの役目をしており、最近屋根のふき替え
をしたが、表側に3年、裏側に3年かけているとのことだった。
Kさんのお宅では昭和40年代(1965~)まで養蚕をしていた
が、現在はぶどう栽培が中心。リンゴも栽培していて、奥様が
りっぱなリンゴをむいて下さり、その上、漬け物やお茶もいただ
いた。

庭のモミジの大木や、数本のツツジがよい彩り。モミジの葉の
向こうに富士山も見えるという、うらやましい眺めの庭である。

40分くらいもおじゃまし、ゆっくり話を伺い、帰り際には大きな
リンゴもひとつづついただき、厚く御礼申し上げて門を出た。

文化財としたいような貴重な建物を拝見し、その上、温かい
もてなしもいただき、ここだけでも来た甲斐があったというもの。
南に向かって旧道を少し下った山本には、木樵(きこり)神社と
いう珍しい神社があった。

この地が杣山口なので、きこりの安全を祈願して創られたもの
らしい。

正面に富士山を眺め、色づいたリンゴの実るリンゴ畑や、ブド
ウ畑の間の旧道を少しずつ下って大室に入る。


独特の造りの大神宮を過ぎ、東側の斜面に向かってブドウ畑
の間を下る。


堀之内まで進むと、大きなしだれ桜の寺が見えた。

西念寺で、山門を入ると、赤い帽子とよだれかけを掛けた六地
蔵が並んでいる。
正午近いので、ここで昼食とし、顔を見せたご住職に断り、暖
かくなった日差しを避けて、本堂西側のぬれ縁に腰を下ろした。
民宿で作ってもらったおにぎりは特大で、3つは食べられない。
柿とエスカップも添えられていた。
(続く)