あるきメデス

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シンポジウム「トトロの森の未来に向かって」(埼玉・所沢)

2008-11-30 22:05:17 | 所沢だより
 2008年11月29日(土)

 西武線所沢駅東口前の「くすのきホール」で開催された、「トトロ
のふるさと財団」設立10周年記念シンポジウムに参加しました。

 狭山丘陵のこれまでをふり返り、今後を展望するための催しで、
将来への指針とネットワークをつくり、「身近にある自然」の価値を
後世へ引き継いで行くために何をなすべきかを考えるのが、この
シンポジウムの狙いです。

 くすのきホール1階では、市民団体など幾つかの団体が、無農
薬有機栽培の農産物や、木工品、手工芸品などを販売していま
した。


 シンポジウム会場は、このビルの8階です。

 シンポジウムに先立ち、「となりのトトロ」に賛同された世界中の
アーティストが画いた絵画の、チャリティオークション収益金およそ
20万ドル(約1800万円)を、トトロのふるさと財団へ贈呈するに
あたり、そのプロジェクトの小林さんから、経過報告がありました。

 報告後、オークションの収益金が、トトロのふるさと財団の安藤
理事長に贈呈されました。

 この後、来賓挨拶があり、埼玉県の北村課長、東村山市の渡辺
市長、所沢市の当間市長から、お祝いの言葉とともに、県や市の
自然環境保全などへの取り組みについての話がありました。

 プログラムの最初は、トトロのふるさと財団の安藤聡彦理事長の
基調講演。この10年の財団の活動状況などが中心でした。


 シンポジウムのコーディネーターは、早大自然環境調査室の
大堀 聰氏、パネリストは、財団常務理事 対馬良一、ナショナル・
トラスト研究者の四元忠博、アニメ映画監督で財団顧問の宮崎駿、
㈱リコー 社会環境本部の岸 和幸、西武鉄道㈱総合企画部企画
室長の田中規之の諸氏です(写真左から右へ)

 対馬市は、里山の自然保護を日本初のナショナルトラスト手法
で実践しているトトロ財団の活動について、所沢市北野の谷戸の
買い取り交渉の例などで紹介。

 四元氏は、イギリスのナショナルトラスト運動発生の背景や、
その後の経緯や現状などについて報告しました。
 
 宮崎氏は、このような活動は皆正しいと思って行動しているが、
各々が金、力、知恵、時間など、それぞれが持つものを出し合い、
無理せずに自分のフィールドを決めて、その範囲で持続して行くの
が大事。成果は出なくても、活動を広げるタネと思えばよいのでは
ないだろうか、といったようなことを話されました。


 岸氏は、リコーが1999年からはじめている森林を守る活動に
ついて、ロシアのアムール虎生息地、オランウータンの住む森、
C・W・ニコル氏の黒姫の森とのかかわりなどについて。

 田中氏は、西武鉄道が住宅開発用に取得した飯能市の森を、
逆線引きで調整区域にして、地域の環境保全に努めるように
したことや、狭山丘陵でのウオーキングイベントを実施している
ことなどの話がありました。

 各パネリストの最初の発言で時間が無くなり、あとは会場から
の2,3の質疑応答で、パネルディスカッションは終了しました。

 会場の背後には、世界中のアーティストが画いてチャリティオー
クションにかけられた原画が展示されました。






 休憩の後は、地元所沢市で活動している男声合唱団・所沢メン
ネルコールのミニコンサートです。

 最初は、宮崎 駿アニメテーマメドレーで、「となりのととろ」
「もののけ姫」「Medley・ナウシカ」「天空の城ラピュタ」より、
などを。

 後半は、日本の四季より「夏」・「秋」をテーマに、「夏は来ぬ」
「たなばたさま」「あかとんぼ」「もみじ」など。歳を感じさせない
若々しい歌声とハーモニーでの熱唱でした。

 ホールの入口付近では、トトロのふるさと財団をはじめ、自然
保護活動をしている近隣の市民団体・企業の活動紹介があり、
パネル展示や資料配付、書籍やトトロファンドグッズ販売などが
行われていました。




 また、映画「となりのトトロ」背景原画展もあり、自然と人とが共生
してきた里山の背景画が、何点も展示されました。




 催しが終わり、帰る頃には夕日が西に落ち、その左手に、傘雲を
かぶった富士山が姿を見せていました。


 多くの人々の理解と協力を得て、古くから守られてきた日本の
かけがえのない自然が、これ以上破壊されることのないよう、
各々が意識をもって行動しなくては、と感じたことでした。
コメント (2)
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