あるきメデス

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熊野古道中辺路を歩く⑤(小口~熊野本宮大社~湯の峰)

2008-11-28 23:25:12 | 熊野古道を歩く

 第4日 2008年10月28日(火)
 =小雲取越(こぐもとりごえ)=


 
 6時起床、6時30分に朝食。7時3分に小口自然の家を出発
した。快晴で冷え込み、周辺の山に朝もやがかかっている。今日
は、きのうの大雲取越に続く、小雲取越である。


 小口川沿いを小和瀬まで進み、橋を渡って民家の横からいきな
り急登が始まる。

 同宿の江戸川区のHさんが先発し、後発の福岡の3人にも間も
なく抜かれる。

 急斜面なのでゆっくり上がるが、すぐに大汗をかく。小雲取越に
は、請川の下地から500mごとに数字の増える標識が立つ。逆
行の小和瀬から上がると、まず「25」の標識があった。

 その先には長塚節の歌碑があり、傾斜が幾分緩んだ。


 杉木立下の気持ちよいトラバース道となり、桜茶屋跡へ。明治末
まで茶屋があったところ。現在は東屋があり、眼下に小和瀬の集落
が見下ろせる。


 同宿の皆さんが休んでいたので、これをご縁にと記念撮影をする。
私が休憩中に、皆さんは先発した。


 その先は緩やかなアップダウンが続き、大雲取越同様に歌碑も
立っている。石堂茶屋跡には、古い東屋と水場があった。


 こけむす杉木立の下を進み、小石をたくさん積んだ賽の河原地蔵
を過ぎて、緩やかに下って行く。

 「皇太子殿下行啓の地」の記念碑があり、そばで林道と交差する。
林の左斜面をトラバースして行くと、西方が開けた百間ぐらに出る。

 好天なので、重畳たる山並みの大展望がすばらしい。Hさんが休
んでいた。

 その先も万才峠分岐から松畑茶屋跡へと、歩きやすく道幅も広め
の左斜面のトラバースが続く。


 松畑茶屋跡には、長い木のベンチがあった。

 このあたりはウラジロが多く、リンドウもあちこちに咲いている。

 緩やかな下りが続くので、ピッチも上がる。熊野川が見下ろせる
ようになり、さらに進むと請川の家並みも見えてきた。


 さらに一気に下って国道の下地橋バス停際に下りた。福岡の3人
がバス停で昼食中。私もそばの草地にシートを敷いて昼食とする。


 右に熊野川の流れを見ながら請川を通過し、さらに川沿いの国道
168号を進んで、本宮の町並みに入った。国道沿いは、電線を地
中化してすっきりした町並みだ。

 「熊野大権現」の旗の並ぶ急な石段を、熊野本宮大社に上がって
参拝する。

 この門の奥、檜皮葺の厳かな社殿が並ぶ門内は、撮影禁止だった。

 石段を戻り、福岡の3人が帰途のバス待ちをしていた本宮大社前
バス停の横から、熊野川の中洲にあった旧本宮大社跡、大斉原(お
おゆのはら)へ向かう。

 幅約42m、高さ約34mで日本一という大鳥居をくぐり、広い旧社
地に入る。第10代崇神天皇の御代に社殿が創建され、歴代上皇、
法皇、女院の行幸啓は百数十度に及んだという。

 明治22年(1889)の大水害で8つの神殿が倒壊し、主神の4神
殿を現在の地に移したもの。社殿跡を一巡し、手前(南側)の国道に
出た。

 本宮の町並みの南端付近の旧道から、熊野古道「大日越」(だい
にちごえ)と呼ぶ山道を、今日の宿のある湯の峰に向かう。

 いきなり杉木立下の薄暗くて急な上り。ゆっくり上がるが、小雲
取越をしてきた後だけに疲労が残り、ペースが上がらない。

 りっぱな杉の並ぶ月見ヶ丘神社を経て、さらにひと上り。大日越
にも立つ「2」の標柱から先は、緩やかな下りとなった。

 やがて広葉樹林下の急降下となり、またひと汗かく。ほぼ下り終
えたところにあった、湯峰王子の朱塗りの小さい社に参拝する。

 そばに、高浜虚子の句碑が立っていた。

 少し下ると湯の峰温泉街。川を挟んだ狭い谷間に、旅館や民宿
などが並んでいる。

 温泉街の中ほどに熊野曼陀羅第15番の東光寺があり、そばに
温泉くみとり所と公衆浴場があった。


 バス停で行き先や時刻などを確認、川の左岸を上がって、16時
に民宿てるてやに着いた。

 全部で3室だけの、こぢんまりした宿。洗濯機を借りて洗濯中に
入浴。熱々の温泉で、たっぷり水で薄めて入り、手足をよくもむ。

 夕食は18時から。栗ご飯に馬刺し、とろろ汁、煮物など盛りだく
さん。皆なおいしく頂いた。

[コースタイム]小口自然の家7・03ー小和瀬7・23ー長塚節歌碑
8・05ー桜茶屋跡8・35~48ー石堂茶屋跡9・35~41ー林道横断
10・02ー百間ぐら10・20~35ー万才峠分岐10・58ー松畑茶屋跡
11・03ー⑤標識11・33ー下地バス停(昼食)12・04~35ー世界遺
産センター13・25ー熊野本宮大社13・30~14・00ー大日越上り口
14・21ー月見ヶ丘神社14・50~55ー峠15・10ー湯峰王子15・40
~47ー民宿てるてや16・00

(天気 快晴、距離 20㎞、地図(1/2.5万) 本宮、伏拝、歩行地
 新宮市(旧熊野川町)、田辺市(旧本宮町)、歩数 37,200)

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