OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

情報を伝えるときは

2005-05-23 00:18:44 | ブログ
 情報を伝える場合の細かな留意点です。
 情報は抱えていても何の価値も生み出しません。広めて活用しなくてはなりません。

 まずは、情報は「早く」伝えることです。
 不確定な情報もありますが、そういうものであれば「不確定ですが、」という旨も加えて、ともかく「早く」です。早くというのは時間的にもですが空間的にもです。「空間的にも早く」というのは「フラット」に「ダイレクト」に伝えるということです。「伝言ゲーム」は厳禁です。伝言ゲームは伝えるべき人に伝わるのが遅くなりますし、AはA’に、悪くするとBになって伝わってしまします。

 次に「必要な人に」です。ただ、この「必要な人」というのが厄介です。「どう考えても間違いなく必要な人」というのは分かりやすいのですが・・・
 この場合の肝は、(情報の機密性にもよりますが)「思いつく限り広く」を基本に考えるべきだと思います。自分は他人のことをすべて知っているわけではありません。他人がどんなプロジェクトに関与しているか、どんな課題を抱えているか、どんな気づきをするのか・・・等々をすべて知っているわけはありません。
 したがって、発信側で自主規制することは情報活用のチャンスを狭めてしまいます。まずは情報を伝えて、その情報をどう活かすのかは受けた人に委ねればいいのです。
 情報の洪水とかといいますが、情報の取捨選択は送る側ではなく受ける側の責任だと考えるべきです。いるかいらないかは受け手しか分からないのですから、いらない情報は受け手が捨てればいいだけです。
 自分が必要な情報の収集や選別を他人に任せるという考えは間違いです。ひとつのきっかけを大きなチャンスにするためには、ひとりひとりのopen mindが大事だと思います。


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分身を作るための情報伝達

2005-05-15 01:29:08 | ブログ
 ひとりひとりのメンバにはいろいろな個性がありますし、得手不得手も様々です。そういういろいろなタイプのメンバが集まっているほど刺激があって楽しいものです。

 しかしながら、業務は通常チームとしてひとつの目標に向かって取り組むものです。仮に個々のメンバが個々にアクションをとった場合でも、それらが同じベクトルのものでなくてはならない場合があります。

 そういった類の業務の場合には、各々のアクションや判断にバラツキが生じるのは致命的となりますから、なんとかして個々人のアクションを同じベクトルに収斂させる必要が出てきます。すなわち、チームリーダから見ると「自分の分身=同じ情報に対して同じような反応をする人」が欲しくなるのです。

 その「分身」を作るための大事な第一歩が、「情報の伝達・共有化」です。

 しかし注意しなくてはならないのは、ただ単に情報を伝えるだけでは不十分だということです。通常イメージされている情報は「インプット情報」です。「マーケティングリサーチによれば○○の売れ行きがよくない」とか「他社は△△という新製品を出すようだ」とか「今後××業界の投資意欲は増加傾向だ」とか・・・
 これらの情報をインプットにして個々人がどういうアウトプットをするかが大事なのです。「風が吹けば埃が舞う」と思う人もいれば「風が吹けば桶屋がもうかる」と思う人もいるのです。いくら同じインプット情報があったとしても、それを処理するロジックが異なっていては出てくるアウトプット(アクション)は全く別ものになってしまいます。

 したがって、業務での分身作りのためには、「インプット情報」のみを伝達したり共有化したりするだけでは不十分です。
「処理ロジック」も共有化しなくてはなりません。

 ここで重要になるのが、「ビジョンの共有化」であり「価値観の共有化」であり「コンセプトの共有化」であり「目的の共有化」です。これらの共有化が十分でなければ、いくら「インプット情報の共有化」を図っても全く意味はありません。チームリーダが存在する意味・意義はまさにここにあります。

 さらにいえば、「ビジョンの共有化」「価値観の共有化」「コンセプトの共有化」「目的の共有化」が十分になされていれば、「一定の処理ロジック」に対して「想定外のインプット情報」が来たとしても応用動作で同じベクトルのアクションをとることができるようになるのです。

 ただし、ここまでの話にはひとつ大事な点があります。上記の話が当てはまるのは、「ベクトルを合わせた業務遂行」の場合に限るということです。
 業務の幅を広げたり新たな気づきを生み出したりするためには、「いろいろなタイプの人の自由闊達な発想」が何よりも重要です。それなくしては新たな飛躍は望めません。


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議論が停滞したときは

2005-05-11 22:58:07 | ブログ
 議論が停滞するというのは、大別すると、意見が対立して結論がでないケースと、新たな考えが出なくて議論が進まないケースとがあります。

 サッカーでも攻めあぐねている場合「サイドチェンジ」するのが定石ですが、議論の場合も同じです。攻める方向を変えるのです。

 まずやってみるべき方法は「視点」「視座」「視野」を意識して変えてみることです。
 具体的には、たとえば、議論のスコープ(意識している期間や影響範囲等)を広げたり、強制的に立場を変えたり(たとえば、開発者の立場から利用者の立場に変えたり)してみます。それらをより簡単にやる方法としては、新しい参加者に声をかけるのも一案です。

 それでもダメな時は「いったん休憩(散会)」すればいいのです。いつまでもこう着状態で過ごすのは時間の無駄です。頭をリフレッシュしてから再開しましょう。

 そのときには、できればそれまでの議論のポイントをホワイトボードに箇条書きにしておくとか、検討事項を追記した資料を準備するとかして再開するのが望ましい方法です。この作業は、再開後議論が振り出しに戻ることを回避させるだけでなく、整理する過程で再開後の議論で詰めるべきポイントが見えてくるという副次的な効果もあります。


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重点思考

2005-05-09 23:26:51 | ブログ
 重点思考というときに、決まり言葉のように「2:8の法則(パレートの法則)」が登場します。
 確かにこの法則は、正確に2割で8割という結果になるかどうかはともかく、なるほど(結構当たってるな)という感じがします。が、普通に考えても多くの事象は(正規分布とはいいませんが)凸型の分布をとるわけですから当然といえば当然です。

 「2:8の法則」は「結果的にそうなることを確認する」だけでは全く意味がありません。また、「だから、上位2割にフォーカスしたアクションをとるべき」というかというのも芸がありません。

 むしろ、検討対象の課題解決にあたって「2:8の法則」が当てはまると仮定して、重要な決定要素を探り出したり絞り込んだりするヒントとすべきだと思います。すなわち、あらゆる課題に取り組む際の「発想の癖」として重点思考を意識するのです。
 可能な限り(ラフでもいいので)「額」「量」といった数値を把握して、その大きなものから具体的検討に入るといった基本的な課題解決にあたっての型を身に着けて欲しいと思います。

 〔注〕パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した経験則で、全体の8割の数値は全体を構成する2割の要素が生み出しているという法則


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「経営者」という職業

2005-05-07 20:56:16 | ブログ
 中高年者の再就職の際の笑えない話に、
   〔面接官〕 あなたは何ができますか?
   〔A 氏〕 私は「部長」ならできます。
   〔面接官〕 ・・・?
というものがありますね。

 最近、ルイス・ガースナー氏の「巨像も踊る」やジャック・ウェルチ氏の「わが経営」を読んでいまさらながら思うことは、「経営者」をいう職業は確かにありうるということです。業種・業界が違っていても普遍化された「経営哲学」「経営手法」は存在しまた適応できるということです。もちろんこれは100%「人」に依存します。誰にでもできることではなく、またいつも成功するとは限りません。

 ところで、そのミニチュアとして「部長」という職業もありえるのではと思います。すなわちTop Managementとしての経験・能力・素養はないとしても、Middle Management としての高度なスキルを有する場合、それは業種・業界が異なった会社においても十分発揮できるという考えです。
 ある企業のひとつの事業部門の建て直しを依頼された経営コンサルタントと同じです。当該事業の現状をあらゆる観点から把握し、あるべき姿(会社のビジョン・事業目標等)とのギャップを埋めるための計画を策定する。そして、それを実現可能な具体的アクションプランにまでブレイクダウンし、実行及びその進捗管理をするわけです。

 もちろん経営者はonly oneであり部長はone of themですから質的にも量的にも同列には考えられませんが、professionalなMiddle Managementの活用・流動が一般化されることは、企業の活性化の有益な一方策になりえるのです。

 冒頭の最就職面接シーンですが、これが笑い話になること自体、ある意味情けないことです。
 普遍的なManagement能力のない部長は使えませんが、Proの部長は使えます。「部長ができます。任せてください。」と堂々と言えばいいのです。


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複雑系は「グルーピング(場合分け)」

2005-05-05 19:42:32 | ブログ
 議論する内容が少々複雑なものの場合は工夫が必要です。うまく交通整理をしないと、それぞれの発言者が異なる課題について意見を言い合いうまく議論がかみ合わないことがあります。

 こういった場合は、まず議論の土俵を明確にする必要があります。
 その場合のポイントは、すべての課題が網羅されるよう(議論の土俵を)「漏れなく」「重複無く」分けるということです。よくコンサルティング会社のロジカルシンキングのHow Toものに書いてあるMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)というあれです。(例えば、人間を男と女で分けるとMECEになります。ところが、人間を男と女と子供で分けるとダブリが生じてMECEになりません。また、人間を老人と子供で分けるとモレが生じてやはりMECEになりません。モレが生じれば機会損失につながりますし、逆にダブりが生じれば効率性の低下に繋がります。)

 さて、土俵を再定義した後、再びそれぞれの土俵について議論を進めます。その場合も先にお話した「議論の可視化」をしておくと他の土俵での議論を活用しやすくなり効率的な検討が可能になります。

 なお、MECEのコツは、重点思考でカテゴライズすること、明示的に区分できなかったものは「その他」の項で扱うことです。これによりメリハリの利いた形で全体をカバーすることができるのです。


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議論の可視化

2005-05-03 20:37:13 | ブログ
 最近「プロセスの可視化」という言い方をよく耳にします。何かのテーマで議論するときも(議論はまさにプロセスですから)「可視化」というのは有益なヒントとなります。
 「可視化」の具体例と効用を以下に示しましょう。

 まずは「アジェンダ」です。ミーティングには「アジェンダ」は必要不可欠です。
 アジェンダを準備することによって、参加者全員が今回のミーティングで「何を議論するのか」「何をゴールとするのか」という点を明確に共有化できます。また、ミーティングを主催する側としても開催するミーティングの目的を始める前に再確認することができ、方向性をもった議論を導く助けになります。

 また、「何かに書きながら議論する」ことも非常に有効です。
 2~3人でひとつの机を囲んでいる場合は紙に書きながら議論をするのです。大勢の場合はホワイトボードを利用します。よく海外の企業のプレゼンテーションではイーゼルを使いながらプレゼンテータが説明をしますが、あれも可視化の一種です。

 書きながら議論することにはいくつもの効果があります。

 まず、「論点の確認」ができます。議論している「概念」を文字やポンチ絵にすることにより、より明確化することができます。口でしゃべっているだけだと分かっているつもりになっても結構誤解していることが多いものです。絵にしてみるとそのあたりがはっきりします。(発言者自身にとっても、他の参加者にとってもです)
 私は自分でしゃべるとき、紙やホワイトボードがあれば、そこにキーワードやイメージ図を書きながらしゃべります。特に、複数案を示す場合は、①・・・とか②・・・とか書きながら説明します。
 紙を見ながら議論をするとそこに視線があつまりますから「論点に集中」できますし、「問題点を共有」することができます。他の発言者はその絵を指し示しながら(またその絵に書き加えながら)類似点・相違点の話ができますから、議論の方向性もずれず、コメントも的を得たものになります。

 さらに、「議論の保存」もできます。議論における個々の発言のキーワードをどんどん書きこもうとすると(そのこと自体で)発言者の意見のポイントが整理できます。また、書いておけばあとで戻って議論することも簡単です。さらには、議事録をまとめるときにも便利です。


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「井の中の蛙」にならないように

2005-04-30 21:40:35 | ブログ
 仕事は通常「分業」によって成り立っています。それぞれのグループで担当しているパーツの業務を行っています。「パーツ」でないと思ってもそれは程度問題であり、ひとつ上の立場から見るとやはりそれは部分でしかありません。

 したがって、どんな場合でも「井の中の蛙」になる恐れがあります。この点についての戒めは「木を見て森を見ず」とか「部分最適ではなく全体最適」とかの言い様でよく言われていることです。

 では、具体的に「井の中の蛙」にならないようにするにはどうすればいいでしょうか?別の言い方をすれば、「全体最適」を考える癖をつけるためにはどうすればいいでしょうか?

 「全体最適」を考えるのですから、まず、「全体」を視野に入れる必要がありますが、そもそもその場合の「『全体』とは何か?」を規定する必要があります。
 例の「空間/時間」の軸で考えましょう。
 「空間」だと、自分担当のことだけではなく「関連部の考え」「社内の動き」「世の中の動き」や「それらに対する影響」等を考えます。
 「時間」だと、その課題を今日・明日といった「短期スパン」で捉えるのか、1ヵ月後・1年後といった「長期スパン」で捉えるのかといった具合です。
 そうやって「視野」を広げておいてから、思いつく限りの課題と解決案を列挙するのです。

 さて、そうやって洗い出された解決案のうちどれが「最適」かということですが、その「最適」というのはまた立場により異なるのです。すなわち「最適とは何か?」です。
 「最適かどうか」は、何らかの「判断軸」に照らし合わせて決定されるので、何を判断軸とするかで大きく結果が異なります。
 ここでも登場するのが「空間/時間」の軸です。
 「空間」だと「誰」にとって最適か?「時間」だと「いつ」の時点での「最適」か?(今なのか将来なのか?)といった観点で考えるのです。

 さらに「全体最適」を目指す感覚として重要なのが「俯瞰」という意識です。「俯瞰」とはまさに「全体を上から見ること(広辞苑)」です。
 「俯瞰」のコツはいくつかありますが、これは「自ら意識的」にやらねばなりません。たとえば、「意識して『視座』をずらす」「異なる判断軸を、同じ視野の中に捉えて判断する」とかです。

 「井の中の蛙」にならないようにするには、意識的な「拡散」と「集中」が肝なのです。


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2つの関係

2005-04-25 01:09:28 | ブログ
 「2つの関係」・・・抽象的なタイトルですが、ある共通の議論の遡上に挙げられた「2つのことがら・事象」について、それらがどういう「位置づけ」にあるのか、それらにどういう「意味づけ」ができるのかを考える場合のヒントについてです。

 たとえば、以下のような「4つの類型」をイメージしてそれのどれにあたるのかという観点で思考を始めると「位置づけ」や「意味づけ」が分かりやすくなります。

 まずは「代替」関係です。
 A のかわりにBというもので、同じ効能を持つ場合は、ゼロサムになります。たとえば、食後のひと時を過ごすのに「コーヒー」にするか「紅茶」にするかというケースです。

 2番目は「補完」関係です。
 BはAの効能をさらに増す働きをもつような場合で、「コーヒー」と「ミルク」が例になるでしょう。「ミルク」を少し入れることにより「コーヒー」にまろやかさが加わり多くの人の口に合うようになります。

 3番目は「相乗」関係です。
 AとBはそれぞれ単独でも意味のあるものですが、それが揃うとさらに効能を増すような場合です。「コーヒー」と「ケーキ」のようなケースです。

 最後は「相殺」関係です。
 これは2つ揃うと双方の効能を打ち消しあってしまう場合です。想像したくもないですが「コーヒー」と「刺身」とかがそれです。一緒に食卓に並ぶと料理が台無しになります。

 「2つの関係」は企業においていろいろな施策(アクション)を検討したり分析したりする際にもヒントになります。
 これから打つ手は先に打った手の「代替手段」なのか、それとも「補完手段」か、とか。また、「相乗効果」を狙ったのに結局分割損で「相殺効果」になってしまったとか。


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「見る」 - 考えるための「はじめの一歩」-

2005-04-19 00:34:00 | ブログ
 ものごとを考える場合、その考える対象を捕まえなくてはなりません。対象を「見る」のです。

 「見る」ための基本は3つです。
 
 まずは「視点」です。
 これは「視線が集まる位置」のことを言います。すなわち「何を見るのか?」ということです。これはだれでもやっていることです。が、対象を「考える対象=課題」とすれば漠然と見るだけでは不十分です。意図的に見方の工夫をする必要があります。

 工夫の第一は「視座」です。
 これは「どこから見るのか?」ということです。
 どこといった場合、いつものパターンですが「空間」と「時間」で考えます。

 「空間」的にどこから見るのか。これは物理的な空間たとえば1m離れて見るのか宇宙空間から見るのかということでもありますが、もっと広い概念をイメージすべきです。
 会社の中での場合を例にとると、「自分の部の立場で」とか「会社としての立場で」「業界としては」「日本経済の中で」「グローバルな観点から」・・・また「担当者の立場で」「中間管理職の立場で」「トップマネジメントの立場で」・・・「自社の立場で」「顧客の立場で」「競合の立場で」・・・という感じです。見る立場が変わると見る対象の価値・評価が変わってきます。

 同じように「時間」的にどこから見るのかという見方もあります。
 「今この瞬間」で見るのが普通ですが、「過去から」見たり「未来から」見たりすることも重要です。特に「未来から」という観点は近視眼的見方を排除する点でも特に意識する必要があります。

 工夫の第二は「視野」です。
 これは「どの範囲を見るのか?」ということです。ものごとを考える場合の影響範囲の捉え方でもあります。前述の「空間的視座」と似ていますが、「空間的視座」はどこから(どういう立場で)見るのかということなので、仮に俯瞰的立場で見るとしても「見る範囲(対象の広がり)」は広いこともあれば狭いこともあります。
 見る視野(考える対象の範囲)を広げ過ぎると思考は拡散し抽象的議論になってしまいますが、ある程度は意識して広がりを持たさないと周辺系との関係の中での検討(影響の見極め等)が不十分になってしまします。


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「今までと同じ」は要注意 -「常識」(と思っていること)の落とし穴-

2005-04-16 02:23:13 | ブログ
 「今までと同じ」とか「前回と同じ」といった内容は、一昔前だと安定的な結論であり肯定的にとられることがありました。

 しかしながら、今は違います。「なぜ」そういう結論なのかということを常に意識的に問う癖をつけなくてはなりません。
 「今までと同じ」とか「前回と同じ」という事項のうち「深い理由なくそうなっている」ことは結構あります。また、「以前はそれなりの正当な理由があったが、現在は変わっている」こともよくあることです。
 時間がたつということは人が変わり、環境が変わるということですから、むしろ以前と同じ答えになる方が不自然なのです。

 従来からの延長線上の答えを鵜呑みにせず、まずは素朴に「なぜそうなのか?」と疑問にもつことが大事です。
 「なぜ?」「なぜ?」を繰り返すのです。そして「なぜ?」と問うてみて納得できる答えのないところが「改善のポイント」になるのです。


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「意味づけ」-刑務所建替プロジェクト-

2005-04-05 00:33:02 | ブログ
 たとえば、「刑務所」を建て替えるプロジェクトがあるとします。
 3人のプロジェクトメンバがアサインされました。さて、この3人は「刑務所」に対してどんな「意味づけ」をするか?

 A氏は非常に厳しい人です。刑務所は「犯罪者に懲罰を与えるところ」と意味づけています。刑務所にはいった犯罪者にはできるだけ重い刑罰を課し、もう二度と来たくはないと思わせなくてはならないと考えています。

 B氏は優しい人です。人間誰しも過ちを犯すことはある。悪事を犯したとしてもそれは拠所ない事情があるはずだ。根っからの悪人などいない。刑務所は、そういう不幸な人である「犯罪者を矯正する教育機関」と意味づけました。

 C氏はちょっと変わっています。刑務所は犯罪者という似た者が集まっている。犯罪は商売みたいなものでどうせ出所してからまた悪事を働くことになる。その場合の仲間の目星をつけるには刑務所はうってつけだ。刑務所は、「犯罪者のネットワークを広げる同志リクルートの場」 と意味づけているのです。

 さて、そういう3人が刑務所を建て替えるとしていったいどんな刑務所を建設するでしょうか。
 A氏が作る刑務所は、環境も劣悪で規則も厳しく「悪魔の城」のような刑務所を作るでしょう。
 B氏が作る刑務所は、出所してから困らないよう手に職がつけられる訓練施設や、更正教育が施せるような学習施設が備え付けられています。色調も精神的にも安定できる穏やかな色あいで学校のようです。
 C氏の作る刑務所は、収監されている人どうしがコミュニケーションをとれないよう独房が基本で共有スペース等は全くないビジネスホテルのようなつくりです。

 このように、プロジェクトをどう意味づけるかによってメンバそれぞれが作る刑務所は全く異なるものになってしまうのです。
 「意味づけ」ひとつで具体的アクションは大きく異なります。この「意味づけ」の内容がまさに「コンセプト」です。

 プロジェクトを進めるうえでは、メンバ間の「コンセプトの共有化」が最も重要なポイントなのです。

 (「刑務所建替プロジェクト」の例示の原型は東京大学妹尾堅一郎教授のセミナで教えていただきました)


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「意味」を考える (意味づけ=コンセプト)

2005-04-04 00:47:10 | ブログ
 プロジェクトを進めていく過程では、様々な課題に対していろいろなメンバがそれぞれの場面で「決める」という行為を行うことになります。その場合でもひとつのプロジェクトですから、Aさんの決めた内容とBさんの決めた内容が矛盾することがあってはなりません。

 しかしながら、現実的には「決定内容のばらつき」は起こります。この主な原因は、それぞれの人の能力の差ではなく「プロジェクトのコンセプトの不徹底」にあることが多いのです。すなわち「プロジェクトのコンセプト」が共有化されていないので「判断する軸・基準・価値観」等がぶれて、それに基づく決定内容が異なってしまうのです。

 この「プロジェクトのコンセプト」とは言葉を換えると「プロジェクトの意味づけ」ということです。
 実現しようとしているプロジェクトにはどういう意味があるのか、どんな価値観に基づいて考えられているのか。この点がしっかりとメンバ間で共有化されていないプロジェクトは空中分解してしまいます。


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「決める」ということ

2005-04-03 23:17:23 | ブログ
 ひとつのプロジェクトを進めていくということは、「決める」という行為の積み重ねです。
 この「決める」という作業がうまくできていないと、そのプロジェクトは迷走したり手戻りが起こったりします。

 「決める」という行為にはいくつかの型があります。私は通常以下の4つの型をイメージして、必ずそのどれかに当てはめるよう意識しています。
 
 ① 完全に決める(不変) : その場で、Yes or Noとか Go or Stopとか、これはこうする とかを決めることです。通常、これが「決める」の基本形です。

 ② 条件づきで決める : そうはいってもその場で決めきれないことがあります。その場合は、「決定の条件」を明確にして「仮にこうしておく」という決め方もあります。たとえば、「○○という条件でYes」とか「○○の場合は●、もし今後△△になったらその時は▲」というものです。この型は結構実業務の中では使います。
 この場合の肝は、「その場で決められるか、条件づき決定にするかの見極め」と「条件づけをする場合の『条件の具体性』」です。 また、いったん「条件づき決定」をしたら、その後の「条件の管理=条件が満たされたかどうか」も重要になります。

 ③ 「いま決めない」ということを「決める」 : 課題の議論をしていると時折「今決められないことを議論している」ことがあります。この場合は「決めるための条件」を明確にし、②の「条件づき決定」の型を適用します。
 また、「今決める必要のないことを延々と議論している」こともあります。これは時間的な余裕がある場合はまあいいのですが、通常は「時間の無駄」になります。
 積極的な意味で決定を後ろ送りにできれば、今後の変動要因が少しでも明確になるのですから「決定変更リスク」を抑えることができます。 「今やるべきこと」と「今やるべきでないこと」を峻別することが重要です。もちろん、この場合、「では、いつ決めるのか」の決定は必須です。

 最後に、④「決めない(決める必要がない)」ということを「決める」 : 数々の課題の中にはクリティカルなものもあればどうでもいいものものあります。
 どうでもいいものは課題から落とせばいいのです。どんな場合でも「重点思考」は基本です。


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「直列型」より「並列型」で - 早く進める工夫 -

2005-03-27 20:01:31 | ブログ
 仕事を進めていく際は、どんな人でも必ず複数の業務(課題)を抱えることになります。その場合、当たり前ですが、ひとつし終えてから次にとりかかる・・・というやり方はよくありません。

 複数の業務は「同時進行的」に「並列(パラレル)」に進めておくべきです。
 順々に(シーケンシャルに)取り組む場合はプライオリティ(優先順位)をつけるわけですが、プライオリティは時折変化します。何らかの要因で、先にとりかかっていた仕事Aより後にする予定だった仕事Bの方を急がねばならなくなることはよくあります。
 また、ひとつの仕事がなかなか片付かず長く尾を引くこともあります。こうなるといつまでたっても次の仕事にとりかかれません。

 したがって、ひとつの仕事は、常にいくつかの業務のかたまり(サブタスク)に分けて「同時並行的」に片付けていかねばなりません。

 その場合にも、「時間」と「空間」というコンセプトが重要になります。

 すなわち、ひとりでそれら複数のサブタスクを処理しようとすると「時間を区切って(タイムシェアリングして)」取り組むことになります。
 また、他の人に依頼していくつかのサブタスクを処理してもらう場合は「空間」を活用したことになるのです。
 さらに、複数の部分に分けて進めている場合、「時間」と「空間」をうまく組み合わせて、「他部門に依頼している」間に「別の部分を詰めておく」という「時間分担と空間分担の連携プレー」を図るともっと効率は上がります。

 以前、小型ビデオカメラの大ヒット商品に「SONYハンディカムTR-55」という機種がありました。この製品の開発においては、製品化/製造・値づけ・プロモーション等のあらゆる営みが同時並行的に動き、驚異的な短期開発を成し遂げたと言われています。


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