社会教育学者と哲学者の「考えることの協創」です。
内容は「教育」を題材にしています。その内容はともかくとして、バックボーンが異なる人同士の思考の展開(拡大と収斂)の様が読んでいて興味深いものです。
「学校へ行くこと」の意味づけを憲法に謳われているいくつかの権利との関わりで考えてみるといった「新たな思考の切り口の提示」等はとても参考になります。
また、以下のような技術論と原則論を峻別するという論理の王道が随所に見られます。
(p90より引用)技術論はいろいろありうるし、やってみてまずければ修正していけばいい。しかし「何のための学校か」「学校が果たすべき役割は何か」ということの原則はハッキリしている必要がある。
「意味づけ」を明確にして思考を深める実例です。
ただ、本の内容に関しては、残念ながら社会学的・哲学的素養のない私には、その中味までは理解できませんでした。特に後半部分は私にとっては半ば禅問答のように感じられました。
社会教育学者と哲学者が共振しながら議論を進めている形はハッキリ見えるのですが・・・私の力不足のために少々消化不良でした。残念です。