「悪い景観100景」というホームページがあります。
これは「美しい景観を創る会」のメンバーが、日本の都市・農村・漁村などの景観の中から「悪い景観事例」を選定したものとのことです。
最近、とみに「景観」が話題にのぼることが多くなったように思います。私の住んでいる街でもJR駅舎の保存の是非が喧しく議論されています。
この流行は、もちろん環境問題への関心の高まりによるものでしょうが、行政的側面からは「景観緑三法」が施行されたことが背景にあるようです。
昨年末あたりから、その悪しき例の象徴的なものとしては、東京日本橋付近の景観が取りざたされています。
私も何度か通っていますが、確かに頭上を高速道路が覆いかぶさって決して気分のいい場所ではありません。「これがあの日本橋?」という感覚は私ならずとも訪れた方々は思うことでしょう。
「日本橋の青空復活2016年めざし、国交省が調査費」といった報道も見られます。
風景の大事さは否定しません。非常に重要なことです。
ただ、たとえば日本橋の首都高速道路のルート変更に数千億円かかるということになると、ちょと気になり始めます。
この手の話は、「景観を守れという人」「その地に直接のかかわりのある人(住んでいる人)」「その保全・改善ために負担する人」が別々の場合が多いのです。特に「負担する人」はこれによりメリットを受ける人ではなく、場合によっては知らないうちに負担させられてしまうのです。
大事にしなくてはならない風景は、まだまだいくらでもありますし、それは、そんなにお金をかけなくても大切にできるはずです。