せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

伝統構法の技を学ぶ 〜民家の学校〜

2018年10月29日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


日曜日には、民家の学校の講座を開催しました。

伝統構法を手がける若手の大工さんに、
在来工法との違い、伝統構法の歴史、伝統構法の特性
地震に耐える力など、レクチャーを受ける企画です。

棟梁に実技を学びます。


自分たちで、実際にノミやノコギリを使い
継手も作ります。

そして、天然乾燥と、人工乾燥の木材の粘りの違い
「腰掛け鎌継」と「追っ掛け大栓継」の強度の違いなども
実際に破断させて確認します。


この方法が、なかなかユニークで、材に人が乗ってみるもの
というアナログな手法。

自分が乗った時に壊れはしないかと、恐れつつ
みしみし、、、の音とともに、バキッっと割れた時は、

「キャ====」

体験した受講生は興奮気味。
昨年は私も体験させてもらって、
身にしみてその違いがわかり、プロが行う破断試験とはまた違って
素人でもわかるのがポイント。

天然乾燥の木材の方は、じわじわと破断していくのに、
人工乾燥材は、パキーーンと破断したら早い。



だから、天然乾燥の方が、
伝統構法の木組みには適しているということが
実感できます。

棟梁の道具のコレクションや、木組みのミニモデルなども
見せていただきました。鋼のことなども、今年はじっくり聴けました。





これだけ細かい作業ができるのも、鉄の道具あってこそ。
木の文化の日本というが、鉄の文化でもあるというお話が印象的でした。

技とそれを生み出す道具と人の手が、今、絶滅危惧種!?(民家の学校校長談)
後半は、絶滅させないためにも
私たちに出来ることは何か、ということを受講生とともに考えました。

日本独特の木組み文化。

大陸から入ってきたとはいえ、その細かさ、種類の多さは
日本独特のもの。

北欧の古民家を調べている研究者でも
その道具は、日本ほど種類がないそう。

伝統構法を知ると
日本人の探究心の一端を知ることができます。

受講生のアンケートからは、
伝統構法の魅力と素晴らしさを、ますます感じたことや
実感できた講座だったことが分かります。

いろいろな民家を見ても、仕口のその中身までは分かりません。
こうやって、隠れた技があること、

それがシンプルで美しい構造体を生み出していることを
一般の方にも知っていただけて、私も嬉しかったです。

これからも、共に学びながら、
本物の木のものづくりに邁進して参ります。

新築にて、伝統構法で住まいや建築を建てることもできます!

地震国だからこそ、縦揺れ、横揺れにも強い伝統構法。
興味のある方は、お問いあわせくださいね。

それでは、私も実践して参ります。