せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

日本神話と自然災害〜生命と風景の哲学〜を読む

2019年10月13日 | まちづくり

↑いつもは、ぼんやりとした横浜みなとみらいのビル群の姿が、
くっきりと浮かぶ台風明け、夕方の空

台風19号が関東を通り過ぎ、一夜明けてのまっさらな晴天。

その後、夕方には、遠方のランドマークタワーの周りが
よく見通せるほどに、空のチリが飛びさった模様。

一方で、今はまだ、東北の方に移動し、川の氾濫など、
大変なことになっている状況がニュースで流れ、
他人事ではないと身震いいたします。

子どもの時に報道されていた故郷の風景が蘇ります。
熊本も洪水は本当に多い地域でした。

治水に関しては
熊本城築城の、加藤清正公の時代からの課題、
一部はその時代からの対策で、防がれている地域もあります。

今回、被害に遭われている方、救助を待っておられる方には
お手伝いできないことが、心苦しいです。

私自身は、自分の家族や身の回りを、守るということに
徹しました。

家の周りの飛びそうなものを取り入れたり、停電対策など、
台風による停電と、断水を熊本で経験している身にとっては
当たり前のことが、関東の義理両親は、経験がないらしく、

驚くかな、台風=停電というのが、
ついこの前まで、結びついていないのでした。

鉢植えなど、外に出しておいたら危ない、ということを伝えたり
「大丈夫だよ、お店は閉まらないよ〜」と宣うところに、ぴしゃりと
「備えあれば憂いなしだから、買い物を済ませておくように」
と、口うるさい鬼嫁とかしておりました。

実際に、スーパーの棚から、水、カンズメ、パンは
ほとんどなくなったようです。危ない、危ない。

お隣さんの物干しの屋根が吹き飛んでしまったのは
気の毒なことでした。早速、ウチに破片を取りに来られました。

おかげさまで、我が家は庭の方の植木の多少の被害はありましたが
大事には至らず、ホッとしています。

台風にじっとしておく間は、読書の時間と決めていたのですが
まさに、暴風、大雨の中、読んだのがこちらです。

先のブログでご紹介した「空間の履歴」という概念を打ち立てた
哲学者の本を、図書館で借りたり、購入したりしておりました。

まさに、テーマが、自然災害。
『生命と風景の哲学』の本は、東日本大震災後に書かれ
そこには、
日本神話こそ、危機管理と自然災害への備えを含ませる思想がある
と書かれていました。


ここで、あっ!と気づきがありました。

森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクトをはじめて
山に入っていき、環境の課題を少しは勉強し、

目に見えないものを考えさせられるようになり、
日本の神の存在や古事記などにも興味が出てきて、

そして、建築とは関係ない分野だけど、
と神話や神道も調べるようになり

ここで、日本神話が自然対策、まちづくりに活かせると知り、

興味の延長に、やはり私の生業の分野に
戻ってくるというところで、
腑に落ちたのでした!

建築→木→山川海→神社→神道→古事記→日本の神
→神話→自然災害対策→まちづくり→建築

一周したのでした!!(笑)

なぜ、興味がわいたのか、その赴くままに
図書館で本を借りての隙間勉強や、人との意見交換が、
この地点に降りてくるためだったとは!?

遠回りだったかもしれないけれど、
この哲学者の考えに納得するのには、きっとこの道筋が
必要だったのでしょう。

お導きに感謝です。

いつも、何かしらモヤモヤとしたものがあると
手当たり次第に、興味の幅を広げてしまう癖があるのですが

学びが一周することで、自分の血=知となり、肉=体験
となるように感じます。

書籍によると、
災害対策は、日本の神、スサノオを辿ると見えてくるそうです。
伊勢系のアマテラスが祀られている神社は軒並みやられているけれど、
スサノオを祀った神社は災害を逃れたなど。。。

神話や神社に祀られている神の名を知らないと
ピンと来ないですよね。

神様の名前が多すぎますからね、日本は。

読書術で習った、「本の中心点をとる」から
読み始めたところなので

まだ、読み途中のため、書籍の内容はどこかで、
感想をまとめたいなと思います。

遅ればせながらの哲学デビューとも言えますが
少しは自分の考えに深みが出るかしら?
と期待しています。

そして、今、関わっている
「熊本県五木村の木を使ったまちおこし」
もダム問題と切り離せないので、
この学びが、実践に活かせると信じています。