ビル・パクストン監督、出演、『フレイルティー/妄執』、ビデオにて鑑賞。
自分が勝手に一目も二目も置いている、たおさんの『サブタレイニアン』というブログで紹介されていた『フレイルティー/妄執』という作品がレンタルビデオ屋の中古ビデオ百円セール(!)で販売されていたので、即購入、鑑賞しました。
それまで善良だった父親がある日突然狂ってしまう。
彼は息子たちにこう言います。
「私は神の啓示を受けた。私は神に選ばれた。私は悪魔退治をしなければならない・・・」
彼の言う悪魔退治とはすなわち殺人。分別のつく兄は父親の凶行を何とかして止めようとするが、幼い弟は父親の言葉を鵜呑みにしてしまう・・・。
恐ろしい話だと思いました。
「母親は子供にとって神である」という台詞が先日試写会で観た『サイレントヒル』の中にありましたが、それは父親も同様だと思います。幼い子供にとって両親、父親と母親はすなわち神に他ならないですよね。
その父親から「お前も悪魔退治をしろ」と猿轡をして、縄で縛って床に転がした男を目の前に斧を手渡されるんです。恐ろしいことこの上ないです。
週末観てきたばかりの『ダ・ヴィンチ・コード』も宗教をネタにした映画ではありますけど、あれを鑑賞しても特に宗教について何かを考える、ということはありませんでした。自分にとって『ダ・ヴィンチ・コード』はあくまで宗教蘊蓄満載のハリウッド発エンターティメント大作でしかなかったのです。その点、『フレイルティー』は違いました。
宗教とは、正義とは、神とは、悪魔とは、親子とは、、、鑑賞後、いろいろと考えさせられてしまいました。
考えてみると、『ダ・ヴィンチ・コード』と『フレイルティー』、対照的な作品ですよね。一方は湯水のように製作費を掛けて作られたであろうエンターティメント大作、もう一方はチープささえ鼻につく低予算映画、一方は芸達者な役者ばかりを揃えた俳優陣、もう一方は監督であるビル・パクストンの身内で固められた出演者たち、そしてさらに言えば長大な原作を二時間半にまとめるだけで精一杯だった『ダ・ヴィンチ・コード』の脚本に比べ、『フレイルティー』のそれは非常によく練られた、秀逸な出来だったと思います。
その『フレイルティー』の監督であるビル・パクストンが一時期『ダ・ヴィンチ・コード』のラングトン教授役の候補に挙がっていたというのですから、何だかずいぶん皮肉めいたものを感じてしまいます。
誰にでもお薦めという作品ではありません。鑑賞中、ずっと緊張を強いられるというか、胃が痛くなるというか、とにかく、見て楽しい!というような作品ではないのです。
しかし前述したとおり脚本は秀逸ですし、展開が二転、三転します、何より無神論者である自分でさえいろいろと考えさせられたのですから、神の存在を信じる人たちには是非、鑑賞して欲しいと思います。
自らの内にある、宗教観が揺さぶられること必至ですから。
自分が勝手に一目も二目も置いている、たおさんの『サブタレイニアン』というブログで紹介されていた『フレイルティー/妄執』という作品がレンタルビデオ屋の中古ビデオ百円セール(!)で販売されていたので、即購入、鑑賞しました。
それまで善良だった父親がある日突然狂ってしまう。
彼は息子たちにこう言います。
「私は神の啓示を受けた。私は神に選ばれた。私は悪魔退治をしなければならない・・・」
彼の言う悪魔退治とはすなわち殺人。分別のつく兄は父親の凶行を何とかして止めようとするが、幼い弟は父親の言葉を鵜呑みにしてしまう・・・。
恐ろしい話だと思いました。
「母親は子供にとって神である」という台詞が先日試写会で観た『サイレントヒル』の中にありましたが、それは父親も同様だと思います。幼い子供にとって両親、父親と母親はすなわち神に他ならないですよね。
その父親から「お前も悪魔退治をしろ」と猿轡をして、縄で縛って床に転がした男を目の前に斧を手渡されるんです。恐ろしいことこの上ないです。
週末観てきたばかりの『ダ・ヴィンチ・コード』も宗教をネタにした映画ではありますけど、あれを鑑賞しても特に宗教について何かを考える、ということはありませんでした。自分にとって『ダ・ヴィンチ・コード』はあくまで宗教蘊蓄満載のハリウッド発エンターティメント大作でしかなかったのです。その点、『フレイルティー』は違いました。
宗教とは、正義とは、神とは、悪魔とは、親子とは、、、鑑賞後、いろいろと考えさせられてしまいました。
考えてみると、『ダ・ヴィンチ・コード』と『フレイルティー』、対照的な作品ですよね。一方は湯水のように製作費を掛けて作られたであろうエンターティメント大作、もう一方はチープささえ鼻につく低予算映画、一方は芸達者な役者ばかりを揃えた俳優陣、もう一方は監督であるビル・パクストンの身内で固められた出演者たち、そしてさらに言えば長大な原作を二時間半にまとめるだけで精一杯だった『ダ・ヴィンチ・コード』の脚本に比べ、『フレイルティー』のそれは非常によく練られた、秀逸な出来だったと思います。
その『フレイルティー』の監督であるビル・パクストンが一時期『ダ・ヴィンチ・コード』のラングトン教授役の候補に挙がっていたというのですから、何だかずいぶん皮肉めいたものを感じてしまいます。
誰にでもお薦めという作品ではありません。鑑賞中、ずっと緊張を強いられるというか、胃が痛くなるというか、とにかく、見て楽しい!というような作品ではないのです。
しかし前述したとおり脚本は秀逸ですし、展開が二転、三転します、何より無神論者である自分でさえいろいろと考えさせられたのですから、神の存在を信じる人たちには是非、鑑賞して欲しいと思います。
自らの内にある、宗教観が揺さぶられること必至ですから。