この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

時代劇の新たなる可能性を開いた『ちかえもん』。

2016-03-04 23:34:26 | テレビ
 今クール始まったテレビドラマで初回を見たのは『フラジャイル』と『怪盗 山猫』、それと『臨床犯罪学者 火村英生の推理』の3本でした。
 『フラジャイル』は今も見ています。とりあえず、次週も見てもよいかな、というぐらいには面白いです。また毎週毎週誤診誤診の連続でよく病院の経営が成り立つなぁと感心します。それがドラマのフォーマットなので仕方ないことではあるのですが(長瀬扮する病理医の岸が臨床医のミスを指摘するというのがドラマの基本的な流れ)。
 もう一つ『フラジャイル』で興味深かったのは、このドラマ、原作の漫画のストックが少ないのです。単行本の最新刊は5巻、たった5巻分のエピソードのストックで、果たしてドラマが1クール持つのだろうか、って思ってました。
 で、ドラマの最新話の第8話ではとうとう単行本どころか、掲載誌の月刊アフタヌーンのエピソードすら追い抜いちゃいました(立ち読みなので断言はできないけどたぶん間違いない)。
 いや~、すごいな、ドラマの『フラジャイル』。脚本家の橋部敦子さんには最終話まで頑張って欲しいです。

 さて、残る『怪盗 山猫』と『臨床犯罪学者 火村英生の推理』は第1話を見てピンと来なかったので2話以降は見るのを止めちゃいました。よくあることです。

 じゃあ今クールのドラマで見ているのは『フラジャイル』だけなのかというと、実はもう一本あります。
 それが松尾スズキが主人公近松門左衛門を演じている『ちかえもん』です。
 実はこの『ちかえもん』第1話は見逃してしまったんですよね。第1話を見逃し、そのまま2話目以降も見ないということもままあるのですが、『ちかえもん』はなぜか気になって2話目を見たのですが、これがまぁ尋常じゃなく面白いのですよ。フツーの時代劇じゃない。
 どこがフツーの時代劇と違うかというと、ナレーションがちかえもん本人なのですが、例えば「ワシのプライドが許さんのである」みたいな台詞が普通にある。
 時代劇で「プライド」ですよ、「プライド」。フツーじゃ無さ過ぎますよね。
 それに『レ・ミゼラブル』よろしく、ちかえもんが唐突に歌い出すのです。どこか頼りなげな歌声で。もうそれだけで見ていてプッと吹き出さずにはいられません。
 とにかくドラマを面白くするためには手段を選ばないのです。NHKらしからぬ、いや、NHKだからこそ出来るトンがった演出とでも言うべきか。

 しかしその一方でストーリー自体は悲恋あり、悲劇ありのごくオーソドックスな人情喜劇なんですよ。
 トンがった演出とオーソドックスな人情喜劇の組み合わせなんて最強の組み合わせじゃないですかねぇ。
 主演の松尾スズキ曰く、ネットでの評判もすこぶるいいとのこと、それも道理です。
 惜しむらくは第1話目を見逃してしまったこと、、、我ながらアホでした。

 近ごろではNHKの受信料を払いたくないという声もよく耳にしますが、こんな面白いドラマが見れるなら、受信料なんて安い安いと思っちゃいますね。
 これからもNHKの時代劇(加えて現代劇も)には期待です。
コメント
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