田中征爾監督、水川かたまり主演、『死に損なった男』、2/23、イオンシネマ佐賀大和にて鑑賞(無料クーポンにて)。2025年11本目。
3連休真ん中の日曜日は折紙探偵団九州友の会の例会だったのですが、午前中は空いていたのでイオンシネマ佐賀大和で『死に損なった男』を観に行きました。
上映開始10分前ぐらいに着いたのですが、3台の券売機の前には結構な長蛇の列が出来ていました。
券売機が3台というのはちょっと少ないと思います(イオンシネマ筑紫野は5台)。
並んでいる最中に「え?」と思うものを見つけました。
それが何かというと視覚障害者の方のための点字ブロックです。
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そっか、このシネコンには目が不自由な人も映画を観に来るのですね。
ちょっと意表を突かれました。
一番好きな映画は何か?と尋ねられたら、『ショーシャンクの空に』だったり、『ターミネーター2』だったり、その日の気分によって答えが変わります。
けれど一番好きな邦画は何かと訊かれたら、これは答えが変わることはありません。
一番好きな邦画、それは『運命じゃない人』です。
こんなにクスッと笑えて、展開が予想外で、観終わった後いい気分になれる邦画を自分は他に知りません。
ただ、監督の内田けんじが2012年の『鍵泥棒のメソッド』を最後に作品を発表していないのです。
どうしているんですかね、、、このまま引退するには惜しい才能の人だと思うのですが。
内田監督が作品を発表しない以上、どうしても自分の中でポスト内田の出現を期待してしまうんですよねぇ。
それが『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督だったり、本作の田中征爾監督だったりするのですが、本作は正直、期待していたほどではなかったかなぁ。
全体的に登場人物の行動基準がよくわからなかったです。
本作の主人公関谷は物語の序盤、自殺を決意するんですよ。
幼いころの夢だった仕事に就き、周りの人たちからも頼られている関谷がなぜ自殺しようとしたのか?
夢だった仕事に就いたのはいいが、夢が叶った先に何もなかったから、だそうです。
正直、何じゃそりゃ、って思いました。
現実の世界では「何じゃそりゃ」と思うような動機で自殺する人もいるとは思います。
でも物語の世界では自殺するにはちゃんとした動機が必要でしょう。
そうじゃないとその登場人物に共感や感情移入が出来ませんから。
関谷に憑りついて娘の綾の元旦那をしつこく「殺せ殺せ」と言ってくる幽霊の森口もどうかって思いました。
そこまで森口が「殺せ殺せ」という以上、元旦那は極悪人かと思うじゃないですか。
けれどそうでもないんですよ。
確かに綾に対してDVをしたことはあるのですが、後半反省して真人間になりますからね。
森口は何を持って娘の元旦那を殺さなければならないと思ったのか、物語を見ていてもまったくの謎でした。
綾は綾で大人しくDVを受けるようなタイプには見えなかったし、結局登場人物というピースが物語というパズルに上手く収まらない感じがしました。
これが『運命じゃない人』だとすべてのピースがピタッとハマるんですけどね。
自分が一番好きな作品と比べてしまうのは申し訳ないとは思いますが、パズルのピースがピタッとハマる快感は何物にも代えがたいんです。
それを田中監督に求めるのは高望みなのでしょうか。
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
3連休真ん中の日曜日は折紙探偵団九州友の会の例会だったのですが、午前中は空いていたのでイオンシネマ佐賀大和で『死に損なった男』を観に行きました。
上映開始10分前ぐらいに着いたのですが、3台の券売機の前には結構な長蛇の列が出来ていました。
券売機が3台というのはちょっと少ないと思います(イオンシネマ筑紫野は5台)。
並んでいる最中に「え?」と思うものを見つけました。
それが何かというと視覚障害者の方のための点字ブロックです。

そっか、このシネコンには目が不自由な人も映画を観に来るのですね。
ちょっと意表を突かれました。
一番好きな映画は何か?と尋ねられたら、『ショーシャンクの空に』だったり、『ターミネーター2』だったり、その日の気分によって答えが変わります。
けれど一番好きな邦画は何かと訊かれたら、これは答えが変わることはありません。
一番好きな邦画、それは『運命じゃない人』です。
こんなにクスッと笑えて、展開が予想外で、観終わった後いい気分になれる邦画を自分は他に知りません。
ただ、監督の内田けんじが2012年の『鍵泥棒のメソッド』を最後に作品を発表していないのです。
どうしているんですかね、、、このまま引退するには惜しい才能の人だと思うのですが。
内田監督が作品を発表しない以上、どうしても自分の中でポスト内田の出現を期待してしまうんですよねぇ。
それが『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督だったり、本作の田中征爾監督だったりするのですが、本作は正直、期待していたほどではなかったかなぁ。
全体的に登場人物の行動基準がよくわからなかったです。
本作の主人公関谷は物語の序盤、自殺を決意するんですよ。
幼いころの夢だった仕事に就き、周りの人たちからも頼られている関谷がなぜ自殺しようとしたのか?
夢だった仕事に就いたのはいいが、夢が叶った先に何もなかったから、だそうです。
正直、何じゃそりゃ、って思いました。
現実の世界では「何じゃそりゃ」と思うような動機で自殺する人もいるとは思います。
でも物語の世界では自殺するにはちゃんとした動機が必要でしょう。
そうじゃないとその登場人物に共感や感情移入が出来ませんから。
関谷に憑りついて娘の綾の元旦那をしつこく「殺せ殺せ」と言ってくる幽霊の森口もどうかって思いました。
そこまで森口が「殺せ殺せ」という以上、元旦那は極悪人かと思うじゃないですか。
けれどそうでもないんですよ。
確かに綾に対してDVをしたことはあるのですが、後半反省して真人間になりますからね。
森口は何を持って娘の元旦那を殺さなければならないと思ったのか、物語を見ていてもまったくの謎でした。
綾は綾で大人しくDVを受けるようなタイプには見えなかったし、結局登場人物というピースが物語というパズルに上手く収まらない感じがしました。
これが『運命じゃない人』だとすべてのピースがピタッとハマるんですけどね。
自分が一番好きな作品と比べてしまうのは申し訳ないとは思いますが、パズルのピースがピタッとハマる快感は何物にも代えがたいんです。
それを田中監督に求めるのは高望みなのでしょうか。
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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