この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

最近食べたもの。

2016-07-11 22:19:46 | グルメ・おやつ
 昨日は誕生日の前祝いということで投票を終えた後、久留米の《宴場 雅》でお昼を頂きました。
 ここはぶっちゃけて言って居酒屋さんなのですが、お昼のランチが居酒屋さんが提供しているとは思えないぐらい美味なんです(美味しいランチを提供している全国の居酒屋さん、ゴメンなさい)。
 この日食べた「至福のいくら丼」がこれ。


   

 上に載っているのが北海道産のウニだそうです。
 もちろん美味しかったけど、いつも食べる海鮮丼の方がお得感があっていいかな(いくら丼が¥1800で、海鮮丼が¥1000)。
 西鉄久留米駅周辺で美味しいランチを食べたいって人がいたらここがお薦めです。


 次に紹介するのはぐるっと趣きを代えてフレンチトースト!渡辺通り3丁目にある《ナチュルヴァン》というお店。
 何でもここのフレンチトーストは店長さんが全国の美味しいフレンチトーストを食べ歩いて作り出したものだそうです。


   

 フレンチトーストsサイズ、ドリンク付きで¥700。
 うん、美味しい、、、美味しいけれど、これが「至高のフレンチトースト」だと言われると正直「?」と思ってしまいます。
 ただ、大名の某パンケーキ屋みたいにアホみたいに行列が出来ているわけじゃなく、すぐ食べられるので、甘い物好きな方は一度行ってみては如何でしょうか。
 

 あと一つ、同じ日に食べたサナトリウムの「ねこぢるうどん」(¥800)。
 

   

 不思議子ちゃんに「味はどうでした?」と聞かれたんだけど、正直返答に窮しました。今なら言える。ねこぢるの世界観を上手く表現できていると思う。笑。


 おまけ。
 不思議子ちゃんのひかりさんから「不味いですよ!」と何度も念を押されて食べたプロテインバー。


   

 確かに美味しいというわけではない。でも不味くて食べられないというほどでもない。
 今まで食べたものの中で一番不味かったものは何だろう、、、そうだなぁ、家庭教師先で食べたカレーは不味かったな。あれが今まで食べたものの中で一番不味かったかというとそれは正直疑問なんだけど、カレーで不味いっていうのがカルチャーショックでした。
 カレーでも不味く作れるんだ…。カレーって誰が作ってもたいがい美味しいのかと思っていたからね。
 ちなみにそこで食べた素麺もまた激マズでした。
 素麺って不味く作れるんだ、って軽いカルチャーショックを受けました。
 それに比べたらひかりさんのプロテインバーはそんなにショックじゃなったです。
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《ねこぢるのなつやすみ》絶賛開催中!

2016-07-10 21:16:29 | アート、美術館・博物館、ギャラリー
 土曜日は映画を観終わった後、サナトリウムに行ってきました。
 ただ今サナトリウムではねこぢる・ねこぢるy・山野一作品展《ねこぢるのなつやすみ》を絶賛開催中です!
 でも自分はぶっちゃけあんまりねこぢるって(というかガロ系全般が)好きじゃないんだよね。。。
 でもあんまりねこぢるが好きではない自分が、ほぉ、これはなかなかやるじゃないかと思えるぐらい今回の展示作品はよかったですよ(どんだけ上から目線だ)。
 例えばどんな作品があるかというと、、、


   

 ねこぢるのにゃーことにゃったですね。ねこぢるのデザインのものを我らが館長が立体造形にした作品です。
 その他にもいくつも作品はあったのですが、今回の作品展は何と撮影禁止!
 館長曰く、今回はメジャーだから、とのことでしたが、wikiなどの人となりを読む限りはねこぢるってそんなことを気にしそうな人には思えないけどね。まぁ会ったことないけど。笑。

 それにしてもねこぢるが亡くなったことは知ってたんだけど、その作品世界を旦那さんが引き継いで創作し続けているってことは知らなかったなぁ。
 さらに旦那さんが再婚して、二人の子宝に恵まれ、その子たちを主役にしたほのぼの漫画を描いているとなると、驚きを通り越して、人間って変われるんだね、と感動すら覚えました。

 変われるといえば、この日サナトリウムで『ザ・お嬢様』みたいなお嬢様と知り合いになったんだけど(知り合いになったといっても別にアドレス交換などしたわけじゃないです。たぶん向こうの記憶にも残ってない。)、そのお嬢様が「わたくし、バンドをやっておりまして…」って言うんですよ。
 へぇ、バンドかぁ、いわゆるガールズ・バンドって奴なのかな?って思ったら、お嬢様曰く「メタル系でして…」とのこと。
 ・・・・・。
 人間って変われるんだね(この場合は正確には変わるんだね)。
 そんなお嬢様であるリィナさんがボーカルを務める【DAZZLEBLAZE】の動画はこちら

 自分も変わりたいです。。。
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脚本の上手さに感心した『死霊館 エンフィールド事件』。

2016-07-09 23:38:19 | 新作映画
 ジェームズ・ワン監督、ベラ・ファーミガ主演、『死霊館 エンフィールド事件』、7/9、中洲大洋劇場にて鑑賞。2016年23本目。


 映画が高い、という話をよく聞きます(通常鑑賞料金¥1800)。
 映画が高い、わからないではありません。DVDになるまで待てば、レンタルだと新作は¥300、旧作だと¥100ですからね。
 ただ、映画が高いと言っている人に尋ねたいことがあります。
 あなたは映画を少しでも安く観る努力をしているのですか?ってことです。
 映画が高いと言っている人は、鑑賞料金が¥1200、いや¥1000でも高いと言う人ではないか、そう思っています。
 その人たちは果たして映画がいくらで観れたら、適正だと思うんでしょうか。
 自分はといえば、年間50本映画を観るとして、¥1800出すことはほぼありません。
 前売り券で観たり(¥1400)、レイトショーで観たり(¥1300)、貯めていたポイントで観たり、はっきりいくらだとはわかりませんが、だいたい一本当たり¥1200~1300ぐらいで観ているんじゃないかと思います。
 なので、¥1800出して観る映画というのは、前売り券が発売されず、レイトショーでも観に行けない、どうしても観に行きたい映画だということになります。
 その映画がつまり『死霊館 エンフィールド事件』なのです。

 ¥1800出して観て、これで面白くなかったら、うわ、最悪!ってことになるのですが、この『死霊館 エンフィールド事件』は非常に素晴らしかったです。
 2016年はこれまでにこの『死霊館 エンフィールド事件』も含め23本劇場まで映画を観に行って、ベストは先月観た『エクス・マキナ』なのですが、こと完成度だけでいえば『死霊館 エンフィールド事件』の方が上ですね。それぐらい素晴らしかったです。

 自分がホラー映画に何を求めるのか?
 人が死にまくればいいのか?残酷なシーンがあればいいのか?
 違います。自分がホラー映画に求めるのは実は優れた脚本です(まぁそれはホラー映画に限らず、ですが)。
 はっきり言って、不死身の殺人鬼がやたらめったら人を殺しまくる映画なんて退屈で仕方がありません。
 やはり先月観た『貞子 vs 伽椰子』、エンターティメント作品としてはそれなりに面白くはありましたが、観ていてツッコミどころが多く、自分はあまり高く評価する気にはなれませんでした。
 ホラー映画なんだから、B級映画なんだから(だから脚本がテキトーでもよい)という考えは自分は好きじゃありません。
 どんな低予算映画だって製作するのに数千万円はかかっているはずなのに、なぜ作品の根幹をなす脚本がテキトーなんだよ、と思わずにはいられません。

 話がズレちゃいましたね。笑。
 ともかく、『死霊館 エンフィールド事件』はまず何より脚本がいいんです。
 ホラー映画なんだから、怖いのは当然なのですが、作品の底に流れるのは家族愛であり、夫婦愛なんですよ。
 つまり『死霊館 エンフィールド事件』は愛についての映画なのです(書くのもこっぱずかしいですが)。
 悪霊に憑りつかれるという最悪の状況下において愛が試される、、、自分は観ていて(ホラー映画ですけど)感動しましたよ。
 
 めちゃめちゃ怖い映画です。鑑賞中何度も「うわっ!」と叫んでしまいました。
 でもある程度ホラー映画に耐性がある人には是非観に行って欲しいですね~。
 惜しむらくは公開館が少ないこと!福岡では中洲大洋劇場一館だけです。
 どうしてかな~、前作の『死霊館』はユナイテッドシネマキャナルシティ13での公開だったのに、、、よっぽど興行収入が悪かったのか。
 もしお近くの映画館で公開されているようだったら是非観に行ってみてください。
 極上の恐怖と最上の愛を鑑賞出来ますよ。


 
 お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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最近購入したDVDについて。

2016-07-08 23:06:00 | 旧作映画
 自慢じゃないですが、新作DVDを購入することはめったにありません。年に一回あるかどうか、ですね。
 やっぱり未見の映画のDVDを面白そうだからという理由で¥3000も¥4000も出して買う気にはなれません。買う気になれないというか、それだけ懐に余裕がないといった方が正しいですね。
 なので新作DVDを購入するとしたら、前年に劇場で鑑賞した作品の中で1位だった、どうしても手元に置いておきたい作品のDVDぐらいです。
 去年でいえば何といっても『プリデスティネーション』ですね(まぁこの作品もDVDを購入するに至ったのには事情があるのですが)。
 その前がインド映画の『きっと、うまくいく』、その前の前が『シュガーマン 奇跡に愛された男』かなぁ。本当に少ないのです。

 などと書くと、DVDのコレクションが非常に少ないように思われるかもしれませんが、そんなことはないのです。
 なぜかというと廉価版や中古のDVDをしょっちゅう買っているから。笑。
 この前購入したのがこれです。


   

 『世界に一つのプレイブック』、『フューリー』、『ゼロ・グラビティ』、『イコライザー』、『ザ・レイド GOKUDO』の5枚です。
 たまに行くGEOで5枚¥1000で売られていたので、つい買っちゃいました。
 未見なのは『世界に一つのプレイブック』のみ。まぁでもネットでの評価も悪くないようなので面白いんじゃないかな。
 あとの4作は鑑賞済みで、廉価版であっても買う気はなかったのですが、5枚¥1000だとついつい手が出ちゃいました。笑。

 そんなわけで新作DVDがない割にはDVDのコレクションは増え続けています。
 今のところはまだ余裕があるけど、DVDを置く棚だって無限に広いわけじゃないし、購入するDVDはある程度厳選しないとね。
 といいつつ、また次も中古のDVDをアホみたいに買っちゃうんだろうな~。
 自分が怖いです。
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どこら辺が失速したのか、全然わからない『ファイアパンチ』。

2016-07-07 22:07:57 | 漫画・アニメ
 このブログの影響力の無さには普段は呆れて、諦めて、絶望すらしているのですが、それでもたまに「何でだよ」と思うことがあります。
 5月某日、『ファイアパンチ』というweb漫画を激推しさせてもらったのですが、読んだ人、どれぐらいいるのかなぁ。いないんだろうなぁ。いたらコメントがつかないなんてこと、考えられないもの。

 今でも「読め!」と言いたいところですが、今読めるのは(第一巻が発売されたので)第1話と最新話、それに最新話一つ前だけなんだよなぁ。それでも第1話は超絶なんで読んで欲しいけれど。

 で、第一巻ですよ。
 webで全話読んではいたのだけれど、通して読むとやっぱり超絶的に面白かったです、『ファイアパンチ』。某『進撃○巨人』を読んでも心が一ミリも動かなかった自分が動かされまくり。こんなスゲー漫画がこの世にあるのか、とすら思いましたよ。

 それで第一巻購入を機に、『ファイアパンチ』のネットでの評判をあらためてチェックしたのですが、あらビックリ。
 第2話で失速って言ってる輩が結構いる。
 その理由が回想シーンがあるから、だって。
 いつから回想シーンがあると失速したことになるようになったのか、意見を伺いたいよ。
 自分は全然失速したと思ってなかったけど。

 あと、ユダという敵方のキャラクターを主人公のルナだと思っている人が多くてそれにもビックリ。
 いやいや、ルナは死んだから。これ以上ないってぐらいしっかり死んだから。あれでルナが生きていると思うんだから、なるほど、『ダークナイト・ライジング』を見て、ブルース・ウェインが死んでないと思う人が多いわけだよ。
 強いて言えば二人が似ている理由が何かあるのかも(つまり『ターミネーター』のように工場で生産されたのであれば、二人が似ていても不思議はないから)とは思ったけど、二人が同一人物だとはまったく思わなかったけどな。

 ついでに言っておくと、サンの両足首が切り落とされたと思っている人が多いようだけれど、いや実際切り落とされてはいるんだけど、ジャックの祝福能力でサンの両足首はまた生えているから。弟の「奴隷に兄さんの祝福はもったいない」という台詞からジャックの祝福能力が単なる血止めではないということぐらいわかりそうなものだけどな。
 次にサンが登場するときはフツーに歩いていると思うよ。違ったら必殺の回転土下座をお見舞いしてくれよう。

 一巻の最後に唐突に登場するトガタという女性キャラクターもイカしていると思いました。こんなキャラの登場のさせ方があるのかよ、と驚きました。

 ともかく『ファイアパンチ』、超絶的にお薦めです。
 とりあえず第1話だけでも読んでみてください。
 ぶっ飛ばされるから。マジで。 
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「みぎ」と「ひだり」、漢字で書けますか?

2016-07-06 22:07:57 | 蘊蓄・雑学
 突然ですが今日は国語の時間です。
 「みぎ」と「ひだり」、漢字で書けますか?
 ここで「書けません」と答えたあなた、回れみぎして素直に小学校からやり直してください。
 別にとんちクイズじゃないのです。答えは「みぎ」が「右」で、「ひだり」が「左」です。
 では次の問題。
 漢字の「右」と「左」、正しく書けますか?
 この場合の「正しく」というのは「正しい書き順で」という意味ですが、これは結構間違える人、いるんじゃないかな。
 間違える人がいるというのはつまり、「右」と「左」では最初の書き出しが違うってことですね。似たような形の漢字なのに不思議と言えば不思議ですね。
 なぜ書き出しが違うのかというとそれはそもそも成り立ちが違うからなんです(詳しくはこちら)。
 ある程度漢字に詳しい人であれば、漢字の「右」と「左」、正しい書き順で書けて当たり前というかもしれませんね。それも小学校で習ったよっていうかも?
 けれど、その“正しい”書き順が定まったのが実は戦後であること、長い漢字の歴史から見ればごくごく最近のことだということは学校では習わなかったはずです。
 wikiによれば1958年(昭和33年)に文部省(当時)から筆順をできるだけ統一する目的をもって作成された「筆順指導の手びき」が示されて、以後日本に漢字を正しい筆順で書くという考えが広まりました。
 ただし手引きには、
>ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない。
 とあります。
 つまり、「正しい書き順で」と言いましたが、正しい書き順などないんです(正確には誤った書き順がない)。
 もしテストで、漢字の書き順を問う問題が出題されたら、正しい答えは「正しい書き順はない」(どう書いても良い)ということになります。
 まぁテストでそんな答えを書いたとしても○はもらえないと思いますけどね。笑。

 先ほど漢字の「右」と「左」の書き出しが違うのは成り立ちが違うからだ、と書きました。
 これは言い換えれば、成り立ちを重視すれば書き出しもまた違ってくるということです。
 ですから、ろくに成り立ちも知らずに書き順だけ知っていても意味がないってことですね。
 まぁでも現代社会で一つ一つの漢字の成り立ちを知っている人がそういるとも思えません。
 なので書き出しや書き順はそれほど重視する必要はないのです。

 ちなみに、書き順を重視する人が、書き順通りに書けば漢字は綺麗に書けると主張することがありますが、これもまったくの嘘です。
 漢字の「右」と「石」、乱暴に言えば違いは上に突き出ているかどうかだけです。
 「石」を綺麗に書ける人が「石」の書き順で「右」を書いたって綺麗に書けるに決まっています。笑。

 書き順はさほど重視する必要はないと述べました。
 重要なのは綺麗に書くこと、この場合の「綺麗」というのは単に形が美しいというだけでなく、他の人の目で見て、読み(取り)易いということです。
 この読み易さに比べれば、書き順なんていうのは本当にどうでもいいことです。
 逆に言えば、読み易い字を書く自信がない人は、正しい書き順で書くのも読み易い字を書くための一つの手かもしれませんね。

 あ、そうそう、こんなふうに漢字について薀蓄句を垂れたからといって、自分は字が上手いかというとそんなことは全然ありません。
 これからは正しい書き順で字を書こうかな…。笑。
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ウエストエンドの悪魔

2016-07-05 21:56:31 | ショートショート
「神父…、ショーンハウザー神父、目を覚ましたかい?
 一つお願いがあるんだ。今から猿ぐつわを外す。だが、お願いだから余計なことはしゃべらないで欲しいんだ。
 甲高い声で命乞いでもされたその日には、それだけでアンタの喉元をナイフで掻っ切ってやりたくなるからな。
 俺が誰だか知りたいか?おぃ、聞いてることには答えてくれよ。そうか、知りたいか。
 俺の名前は、いや、通り名といった方が正しいか、『ジャック・ザ・オーヴァーキル』。俺が名乗ったわけじゃないが、聞いたことぐらいはあるだろう。世紀の大殺戮者、オーヴァーキル様だよ。
 まぁ心配すんな。アンタのことは殺しやしないよ。もっともアンタが約束を守ってくれれば、の話だがな。
 アンタには話を聞いてもらいたいんだ。ちょっと変わった告解だと思ってくれればいい。
 時々、誰かに無性に聞いてもらいたくなるんだ。俺の今までやってきた殺しや盗み、その他犯罪について、話したくなっちまうんだよ。俺の悪い癖だな。だがどうにも止められないんだ。
 先に言っておく。さっき言った通りアンタのことは殺すつもりはない。ちゃんと解放してやる。目隠しも取ってやる。アンタの身体を椅子に縛りつけてあるロープも解いてやる。
 だが、覚えといてくれ。今夜自分の身に起こったことを誰かに話そうものなら、そのときはアンタの命はない。忘れないでくれよな。
 じゃあ始めようか。
 俺が初めて人を殺したのは、俺がまだ14歳のガキの頃だった…」

                     *

 男は私の耳元で自分が犯してきた凶行を嬉々としながら語った。
 ろくに抵抗も出来ない老人の全身の骨を砕いて殺したり、年端もいかない少女を嬲ったりと、男の話は本当に耳を塞ぎたくなるほど残酷で、私は終始身体の震えが止まらなかった。
 気が抜けないのは不意に男が、なぁ、今の殺しは俺のせいじゃないよな、と同意を求めてくることだった。そのたびに私は、あぁ、君のせいじゃない、と震えながら答えた。
 そんな時間がどれぐらい続いたのか、男が、今の殺しが三日前のことだ、と話を締めた。
 ようやくこの地獄から解放されるのか、そう思った私の耳元で男が言った。
「今からロープをほどいてやる。目隠しも取ってやる。だが、すぐに目を開けるんじゃねぇぞ。
 いいか、千数えるんだ。ゆっくりとな。千数え終わったその時は目を開けていい。椅子から立ち上がってもいい。お前のしたいようにすればいい。
 だが、千数え終わる前に目を開けたら、その時はどうなるかわかっているな?お前の喉元にナイフを突き立ててやる。それが嫌ならきっちりと千数えるんだ。
 誰もいないなんて思わない方がいいぞ。俺は誰よりも気配を消すのが上手いんだからな…」

                     *

 995、996、997、998、999、1000…。
 私は出来るだけゆっくり千まで数を数えた。目を開けるのが怖かった。目を開けたら目の前にまだ奴がいて、本当に助かるとでも思ったのか?と言いながらナイフを突き立ててくるのではないか、そう恐怖したのだ。
 だが目を開けても教会の中には私の他に誰もいなかった。ただ静寂だけが闇を支配していた。
 私を縛っていたロープと目隠し用の布きれがなければ、私自身恐ろしい夢を見ていただけだ、そう思ったに違いない。
 しばらくの間椅子に座ったまま、私は身体の震えが収まるのを待った。どうにか震えが収まると、私は立ち上がり、教会の奥にある霊安室へと向かった。
 男は警察には知らせるなと何度も念を押した。だが私はそんなことをするつもりは毛頭なかった。
 霊安室のドアを開け、壁一面に掛けられている天使のタペストリーの右端をめくり、地下室へと続く階段が開くスイッチを押した。 
 地下室へと続く階段を下りながら、身体が再び震えだした。今日は本来地下室を訪れる日ではない。だが抑え切れなかったのだ。男の話を聞いているうちに私の天使たちに会いたい衝動に駆られてしまったのだ。
 階段を下り切り、地下室の扉に手をかけたとき、後ろから声がした。
「霊安室の地下にこんなものがあるとはね。わからなかったよ」
 男がゆっくりと階段を下りてくる。
「本当に帰ったと思ったのか?」
 男が私の隣りに立ち、その時になって私は初めて男の顔を目にした。
 そんな、、、そんなことが…。
「どうか、お助け下さい…」
 私の懇願に男は慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
「あぁ、アンタの魂と名誉は救ってやるよ。神の名にかけてな」

                     *

 ロンドン・プラネットニュース一面より。
「19日深夜ウエストエンド地区のワールドワーズ教会にて火災が発生。教会の地下室から大人一名と子ども12名の死体を発見。大人はショーンハウザー神父と思われるが、子どもたちは遺体の損傷が激しく身元は不明。
 現場に残されたいくつかの証拠から犯行は『ジャック・ザ・オーヴァーキル』と名乗る犯罪者によるものと推測される。
 スコットランドヤードでは現在市民からの情報の提供を募っている…」  

                         
                              end
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間違いなく間違いだと思われるとき、間違いを間違いだと指摘することに間違いはないか?

2016-07-04 21:44:29 | 戯言
 まったくもって自慢にはならないのですが、他人の書いた文章の中の誤字・脱字を見つけることが得意です。
 感覚的にわかるんですよね。何かしら違和感があるというか。
 でもこの特技(?)、役に立ったことはありません。
 同人誌でもやっていれば校正のときに役立つんでしょうけれど、ブログの記事やツイッターの中で誤字・脱字を見つけたとしても、基本スルーですね。一々指摘される方も煩わしいだろうし、たまに間違いを指摘されると逆切れする人もいますしね。
 しかし、、、当然指摘しなければいけないときは指摘しなければいけないわけですが、そのさじ加減がいまいちわかりません。

 先週の土曜日、映画を観終わった後、サナトリウムに行ったのですが、そのまま帰るのもちょっと寂しいなぁと思って、サナトリウムの後、コスプレバーの《ハーヴィーハーヴィー》に行きました。
 前回行ったときは偶然不思議博物館の常連さんたちと合流し、それなりに楽しい時間を過ごしたのですが、さすがに偶然は二度続かなくて、ちょっと手持無沙汰でした。
 で、ポイントカードをもらったんですよ。
 それがこれ。


   

 左がポイントカードで右が同じ日にもらったまりあさんの名刺。
 よく見ればわかりますが、名刺には[Harvey-Harvey]と書いてあるのですが、ポイントカードには[HEAVEY HEAVEY]と書いてあります。
 店名が違うやん、、、正確にはつづりだけど。

 こういった場合ってどうすればいいんでしょうね?
 今回はブログのネタにさせてもらいましたが(ゴメンなさい!)、ネタにしなかったとして、どう対応するのがベストなんでしょうか?
①(気づかなかったことにして)スルー。
②次回来店時に間違いを指摘する。
③出来るだけ早くツイッターで間違いを指摘する。
 一番楽なのは言うまでもなく①ですよね。コスプレバーの店名のつづりなんてこっちの知ったこっちゃない!ってことです。
 しかし、それでいいのか?とも思います。本当に気づかなかったのなら仕方ないけど、気づいてスルーというのはいささか人情に欠けやしないか。
 けれど指摘するとしてもどのようにして?来店時に直接?それともツイッターで?
 うわ~、わからんな~、まだ二回しか行ったことがないお店なので距離感がよくわからないというのもあります。

 皆さんは誰かの間違いに気づいたとき、指摘することはありますか?
 指摘する際、何か気をつけていることはありますか?
 よかったら教えてください。
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カワセミの絵を頂きました。

2016-07-03 18:36:27 | アート、美術館・博物館、ギャラリー
 こんなことを言うと気分を害する人が多々いるとは思いますが、自分は、九州人は基本的に約束を守らない(もしくは約束を守らなくても特に痛痒は感じない)人種だと思っています。
 長くなるので省きますが(誰もそんなものは読みたくないだろうし)、理由もなくそう思うようになったわけではありません。
 なので、相良さんから、熊本の五木村に行った際の写真をアップしたら絵を描きます、といわれても、自分は正直その言葉を信じてはいませんでした。
 だって、旅行に行ったら旅行先の写真をアップするのは自分にとってごくごく当たり前のことであり、当たり前のことをしてそれで何かをしてもらえるとは到底思えなかったのです。
 しかし、、、相良さんはきちんと約束を守ってくれました。素敵なカワセミの絵を頂きましたよ。


   

 今月は自分の誕生日があるのですが、少し早い誕生プレゼントを頂いた感じですね。
 相良さん、ありがとうございました。
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超絶的劣化版『ロード・オブ・ザ・リング』だった『ウォークラフト』。

2016-07-02 23:51:27 | 新作映画
 ダンカン・ジョーンズ監督、トラヴィス・フィメル主演、『ウォークラフト』、7/2、TOHOシネマズ天神にて鑑賞。2016年22本目。


 突然ですが、皆さんは映画の予告編ってご覧になりますか?
 別の映画を観に行って本編が始まる前に強制的に見せられるということはあるかもしれませんが、好んで見るという人はあまりいないのではないでしょうか。
 映画のツワモノの中には、楽しみにしている映画に関しては予備知識を一切入れたくない、当然映画館でも予告編は絶対見ないというスタンスの人もいるようです。そこまで徹底するとなるとすごいな~と感心します。

 自分はといえば、予告編を漁るように観ることもなければ、絶対に見ないようにしているというわけでもありません。見ても見なくてもどっちでもいいかなぁという感じですね。
 唯一例外的に、観に行くかどうか、決めかねている映画に関しては判断材料の一つとして予告編を活用しています。
 そして『ウォークラフト』の予告編を見て、自分は「うわー、つまらなそうだなー」と思いました。どこが面白いのか、まったくわからない…。
 それでも『ウォークラフト』を観に行くことにしたのは、監督のダンカン・ジョーンズの前作『ミッション:8ミニッツ』がめっちゃ面白くて、その年に観た映画のNo.1だったのです。
 それぐらい面白ければ次回作も見に行こうという気になったとしても不思議はないですよね。

 で、実際に観ての感想はというと、、、めっちゃつまらなかったです。。。
 本作は一言で言えばファンタジー大作です。
 ファンタジー大作といって誰もが思い出すのがピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』だと思いますが、本作は『ロード・オブ・ザ・リング』に何一つとして及ぶところがなかったですね。
 世界観、キャラクターの魅力、ストーリー、戦闘シーンの迫力、特撮技術、音楽、鑑賞後のカタルシス、およそ映画を評価するポイントのすべてにおいて『ロード・オブ・ザ・リング』の下でした。
 『ロード・オブ・ザ・リング』のシリーズ第一作なんて今から15年も前の映画なのに、それで特撮技術すら劣るというのはちょっといただけないというか。
 せめて胸にぐっとくるシーンの一つもあればいいのですが、よくわからないルールの下、唐突に始まる決闘を見ても「はぁ?」としか思えないです。
 『ミッション:8ミニッツ』の監督ということで観に行った人のほとんどは「何じゃこりゃ」と思ったのではないでしょうか。

 ダンカン・ジョーンズ、次回作も一応チェックするつもりですが、予告編を見てダメだなと思ったら、観に行かないようにしたいです。


 お気に入り度★、お薦め度★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
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