団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

デフレでモノが安くなって何が悪い

2009-12-03 11:53:10 | Weblog
 デフレ下で円高が日本を襲っている。輸出企業は悲鳴を上げ、輸入企業はニンマリとして黙っている。
 円高は両面があり、生活は物価が下がって楽になるはずだが、なかなかすぐに効果が出てこないのが日本経済の特徴で、円高でメリットを受ける企業名を公表して、値下げ圧力をかけるべきだろう。反対に円安に振れれば、それも公表して企業の実態を明らかにしていくことで、企業の透明性が確保できる。
 しかし、デフレでは円高で物価を下げろ、とはいいづらいが、本当にそうか。デフレ・スパイラルといういかにも深刻な論法がある。
 企業が売れないから値を下げる、それでも効果がなければさらに下げる、次は利益が減る。企業の不振が従業員の給料の減額や解雇を招く。従業員=消費者だから、消費者はますますモノが買えなくなる。
 という図式だが、その理屈は分かるが、それがどの程度の期間のサイクルで起こるのか、という指摘は一切ない。やや長いスパンで起こるなら、その間に循環的に景気は上向くことになるだろう。景気は昔から、上がったり下がったりなのだ。
 デフレといっても、ここまでモノが溢れた日本で、デフレもないものである。だから企業は努力して、なんとか買わせようとする。値段を下げるのもその戦略なら、新製品もそうだし、ニッチ商品が増えていくのも、またそうだ。
 だから企業努力で物価は下がっても、なんの心配もいらない。競合メーカーも努力して、リーズナブルな価格になっていくことは歓迎だ。あんなに高かったケータイの電話料だって、競争で安くなった。
 高い安い、は消費者が決めることだが、問題にしなければならないことは、その値段の整合性と信頼性だろう。
 例えば旅行業界。どうしてセットなら航空運賃があんなに安くなるのか、こんな価格で買ったら損するか、といつも疑心暗鬼だ。業界が価格の信頼性を自ら破壊してしまった例だ。他の業界にも似たようなことがあり、その信頼性を回復して整合性を取り戻すことこそ大切なことだ。
 わが家もちょっと大きな買い物をすると、買ったあとで他の商品と比べたり、他の店の価格を見たりして、勝った負けたといっている。要は割を食いたくない、損をしたくない、という心理が強い。
 つまり価格に対する信頼こそが、消費者が安心してモノを買えるポイントであるのだ。デフレだろうとインフレだろうと、その心理は不変であろう。
 企業が値段を上げようが下げようが、その価格に信頼性があれば消費者は支持する。そういう視点で、経済もまた語られなければならない。

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