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Kenny Loggins~return to pooh corner~

今日ご紹介するのはケニー・ロギンスの10枚目のアルバム、「リターン・トゥ・プー・コーナー」です。
京都から帰ってきた翌日はお休みだったので、かねてより予定していた絵本原画展へ行ってきたのですが、そうしたら、、プーを聴きたくなってしまって、久しぶりにじっくり聴いています。

ちなみにワタクシ。。。実はそんなに「クマのプーさん」に興味はありません・笑
あんなに黄色いのにね。(きいろ大好き)どちらかというとディズニーのプーさんよりは、原作の本の挿絵のほうが好きですが、、熊のパディントンとごっちゃになってるかも・苦笑
不思議だけども、たぶん小さい頃にも小学校時代にも、うちにはプー関連がなかったからだと思います。


1993年(日本では1994年)に発表された「こどもたちのための」「親たちのための」アルバム。
『このアルバムを聴いてくれる全ての人が"優しい"気持ちになってくれたらそれはとても素敵なことだ』とケニー・ロギンスのメッセージが込められています。
1993年のレッドウッドのライヴでのMCで、『子どもたちのため、、そして両親へのプレゼントのためのアルバムをレコーディングした』と語っているのがこの作品です。
私生活では最初の奥さんとの離婚で、長男クロスビーはケニーの家、次男コディーは奥さんの家で暮らすことになったり、再婚したジュリア(後に離婚)との間に生まれたイザベラとルークとの新しい幸せの形、お兄さんの死など、80年代の末からいろいろな出来事があった頃。
ケニーは子どもたちをを寝かしつけるときに歌ってきた曲を集めて『子どもたちのためのアルバムを創りたい』という気持ちを長く抱いていたそうですが、自分が家族とのさまざまな問題に直面して、よけいにそういう気持ちが募ったんじゃないのかな、なんて思います。
(※このアルバム制作時はケニーは4人の子供の父親。今はもう一人生まれてて5人のお子さんがいます。)

アルバムの内容は、70年代のロギンス&メッシーナ時代の「プー横丁の家」をセルフカバーした「リターン・トゥ・プー・コーナー」、ディズニー映画の曲、セサミ・ストリートの蛙のカーミットが歌っていたポール・ウィリアムスの「レインボウ・コネクション」、ポール・サイモンの「聖ジュディ彗星の唄」、リッキー・リー・ジョーンズやジョン・レノンの名曲、そしてケニーが自分の子供のために作ったオリジナル曲など。


今はどの企業もシルバー・マーケットやチャイルド・マーケットに力を入れていますが、当時はそんな風潮は控えめでしたし、音楽界もしかり。メジャーアーティストが単独で子供向けアルバムを出すというのも、全くゼロではないものの、珍しい企画でした。

しかしこれがチャイルドミュージックマーケットに革命を起こします。
アルバムチャートの上位に食い込むということはありませんでしたが物凄いロングセラーになり、皮肉なことにそれまでのケニーのアルバムの売り上げを上回ってしまいました。
ケニー・ロギンスにとっても、共同プロデュースしたデヴィッド・パックにとってもまさかこんな風に売れるとは予想していなかったと思います。(個人的にはデヴィッドはこれがあったから、パティ・オースティン、ウェストサイドストーリーやディズニーのアルバムのプロデュースに結びついたんじゃないかなと思う次第)
その後メジャーアーティストがどんどんチャイルドマーケットを視野に入れた作品を出していくことになるのですが、それはまた別のお話。


ケニー・ロギンスのファンは買うでしょうが、ポップス/ロックのファンの流れでケニーの曲も聴く、、というくらいの人だと買わない、、、そんなアルバムかもしれません。しかしここでチャイルド・マーケットのすごさとケニーがグラミー・アーティストというのもあるのでしょう、、、、ロックファン層が買ってないのにもかかわらず、おそろしくたくさん売れたんだと思う。
子供たち、親子で、そして大人だけでも、聴いてほしいというメッセージがこめられたとってもいいアルバムなので是非たくさんの人に聴いてほしいです。


このアルバムのプロデュースはテリー・ネルソンとケニー自身、このアルバムの前に出したベスト盤を一緒にプロデュースしたデヴィッド・パック。
わたしはちょうどこの頃、ケニーのバックバンドのディレクターだったスティーヴ・ウッドの後任としてスラッグ(元Mr.Misterのスティーヴ・ジョージ)がバンドに加わってたので、おそらくスラッグのキーボードとコーラスが聴けるんじゃないかな~、という淡い期待を抱いておりました・笑
それからエイミー・グラントとゲイリー・チャプマン夫妻(当時。今は離婚)もゲストヴォーカルの曲があるよ、ってチラッと聞いてて、ケニー・ロギンスも大好きだったし、デヴィッドもちょっとは歌ってくれてると嬉しいな、なんて思いながら買いに行ったんですよね。

この頃はまだネットの情報に触れる機会もなかったから、たぶん店頭の新譜情報とか見て予約した、、のかなぁ。忘れちゃったけども。ラジオで聞いたんだったかなあ?

Return to Pooh Corner
1. All the Pretty Little Ponies
2. Neverland Medley: Somewhere Out There/Never Never Land/Pure Imagination
3. Return to Pooh Corner
4. Rainbow Connection
5. St. Judy's Comet
6. Last Unicorn
7. Cody's Song
8. Horses
9. Love
10. To-Ra-Loo-Ra
Sony Mod - Afw Line 1994年



1. All the Pretty Little Ponies / traditional,additional lyrics by Kenny Loggins and David Pack
「オール・ザ・プリティ・リトル・ポニーズ」
アレンジ;ケニー・ロギンス&デヴィッド・パック
ゲスト・ヴォーカル;デヴィッド・クロスビー&グレアム・ナッシュ
ギター;ディーン・パークス
ベース;ネイサン・イースト
キーボード;スティーヴ・ウッド
リコーダー;ロリン・グリーン
ホイッスル;エド・ロケット
アコーディオン;ブライアン・マン

クロスビー&ナッシュの2人がゲストヴォーカルに加わっています。
グレアム・ナッシュとは古い知り合いなのに一度も一緒に仕事をしたことがなかったそうですが、この曲は2人の素晴らしいシンガーと共演するのにぴったりですね。



2. Neverland Medley: Somewhere Out There/Never Never Land/Pure Imagination
/Somewhere out There by Cynthia Weil,Barry Mann and James Horner
Never Never Land  lyrics by Betty Comden and Adolph Green  Music by Jule Stune
Pure Imagination  Anthony Newley and Leslie Bricusse
「ネヴァーランド メドレー」サムウェア・アウト・ゼア~ネヴァーネヴァー・ランド~ピュア・イマジネーション
アレンジ;ケニー・ロギンス&デヴィッド・ベノワ&デヴィッド・パック
デュエット;パティ・オースティン
キーボード;デヴィッド・ベノワ
ギター;ディーン・パークス
シンセ・ストリングス、ベース;スティーヴ・ウッド
バック・ヴォーカル;ケイト・プライス
エディショナル・シンセ;デヴィッド・パック

かつてアルバム「セレブレート・ミー・ホーム」で一緒に歌ったパティー・オースティンとのディズニーメドレー。
アメリカ物語のテーマソング「サムウェア・アウト・ゼア」ピーターパンの「ネヴァーランド」そしてジーン・ワイルダーがウォンカを演じた「チャーリーとチョコレート工場」(もちろん古いほうです。1971年の映画)の「ピュア・イマジネーション」。(そうだっけー、ジーン・ワイルダーって、ミュージカルにも出てたんだよねぇ。嘘みたいだわ。)


3. Return to Pooh Corner / Kenny Loggins
「リターン・トゥー・プー・コーナー」
リアレンジ;ケニー・ロギンス&デヴィッド・パック
ゲスト・ヴォーカル;エイミー・グラント&ゲイリー・チャプマン
ギター;クリス・ロドリゲス
ソロ・ギター;デヴッド・パック
エレキ・ギター;ケニー・ロギンス
ベース;ネイサン・イースト
アコーディオン;ブライアン・マン
キーボード;スティーヴ・ウッド
バック・ヴォーカル;スティーヴ・ジョージ

赤ちゃん2人、ルーカス・ロギンス(ケニー・ロギンスの一番下の子ども)とカイル・ネルソン(プロデューサー&ミキサーのテリー・ネルソンの子)の声が入っています。
ケニー・ロギンスが高校3年生のときに作った「プー横丁」に新しい歌詞を付け加えてできた曲。タイトルはケニーの息子さん、クロスビーが考えたそうです。


新しい歌詞については以前の記事でも書きましたが、このリメイクされた作品はケニーにとって新しい息子ルークの誕生によって、人生の環が一巡したようにも見えるし、また、もういちど自分自身の子供時代に「ハロー」と挨拶しているような気持を抱かせるそうです。
何年もたって一巡して自分の一部分にハローを言うのだけれども、結局自分の子供時代から離れたことはなかったんだと気づくような気がすると。
また、アルバム全体としても、ケニーが音楽業界に入って最初にやっていた音楽のようなシンプルさに戻っていると実感しているそうです。


この前ぶたぶたくんを見たばかりなので、、あの道を一巡するところを連想していまいました。

4. Rainbow Connection / Paul Williams and Kenneth Ascher
「レインボウ・コネクション」
アレンジ;ケニー・ロギンス&デヴィッド・パック
シンセ・バンジョー;グレッグ・フィリンガネス
ハーモニカ;テリー・マクミラン
キーボード;スティーヴ・ウッド
ギター;デヴィッド・パック

クロスビーが3年生の頃、学校で子どもたちがこの歌を歌いながら手話でもパフォーマンスをしているのに接し、とても気に入った曲。セサミでおなじみの名曲です!



5. St. Judy's Comet / Paul Simon
マンドリン;チェット・アトキンズ
アコースティック&ソロ・ギター;デヴィッド・パック
シンセ・ヴィヴラフォン;ブライアン・マン
シンセサイザー;スティーヴ・ジョージ
バック・ヴォーカル;スティーヴ・ジョージ&ケニー・ロギンス

Paul Simon - St. Judy's Comet + Lyrics

オリジナルはポール・サイモン
は~~~~、大好きなんですよ、これ。。。。うっとり。
(わたしだって、いつもいつも「セシリア」と「冬の散歩道」ばかりを聴いてるわけじゃないんですよ・苦笑)

ポールサイモンがこの曲を出した頃は、次男のコディーを寝かしつけるために歌っていた時期で、『もし僕の歌で息子を眠らすことができなかったら、世に知られたパパの面目・丸つぶれ』という歌詞にとても共感したそうです。





6. Last Unicorn / Jimmy Webb
ピアノ;グレッグ・フィリンガネス
シンセサイザー;スティーヴ・ウッド

映画「ラスト・ユニコーン」のための曲。とても静かで暗い曲調ですが、絶望しかけたときに出てくる希望のメッセージがとてもパワフルで、未来を担う子供に相応しいとケニーのコメントが寄せられていますが、静かな強さのある作品です。ジミー・ウェッブの最高に美しい曲だと思います。


CDでも十分感動的なのですが、ライヴでの「ラスト・ユニコーン」は格別です。

7. Cody's Song / Kenny Loggins
アコースティックギター;ケニー・ロギンス
セカンド・ギター;ガイ・トーマス
ハーモニカ;ハワード・レヴィ
キーボード;スティーヴ・ジョージ
アコーディオン;ブライアン・マン
バック・ヴォーカル;ケニー・ロギンス&スティーヴ・ジョージ

ガイ・トーマスのギターが聴けて嬉しいです。。
ケニーの曲作りでもバンドでもとても心強いパートナーだったトーマスですが、ちょうどこのアルバムの頃から新旧バンドメンバー入れ替わりの時期。。
トーマスやウッドに代わってロドリゲスやスラッグが入ってくるんですよね。。
そういう意味でもこのアルバム、ケニーのファンにはちょっと思い入れのある作品なんです。

この曲はケニーの次男、コディーのために作った歌です。


8. Horses / Rickie Lee Jones and Walter Becker
ギター;ディーン・パークス
エレクトリック・ギター;デヴィッド・パック
シンセサイザー;グレッグ・フィリンガネス
ベース;ネイサン・イースト
パーカッション;ケヴィン・リチャード&テリー・マクミラン
ハーモニカ;テリー・マクミラン
バック・ヴォーカル;ケニー・ロギンス&デヴィッド・パック


Kenny Loggins- Horses (live)

リッキー・リー・ジョーンズの名曲「Horses」のカバー
テレビ出演時のものです。


ケニーはこの曲を初めて聴いたとき「これはリッキーが彼女の娘のために作った歌だ」とすぐにわかったそうです。『わたしはここよ、わたしはなにがあってもここにいるわ、わたし達は一緒よ』と語りかけているこの歌を、ケニーは
「特別に素晴らしい曲」と絶賛しています。






9. Love / John Lennon
ピアノ;デヴィッド・ベノワ
オカリナ;ハワード・レヴィ
シンセサイザー;スティーヴ・ジョージ
バック・ヴォーカル;ケニー・ロギンス&スティーヴ・ジョージ

三番目のケニーのお子さんで長女のイザベラを寝かしつけているときに自然と口ずさんでいたのがジョン・レノンの「ラヴ」だったそうです。これまでこの曲を「子供用の曲だなんて思ったことはいちどもなかったのに」「愛は真実だ、真実は愛だ、というこの曲のシンプルさは子供向けの曲に感じられたし、まるで子供のピアノレッスンのように聴こえるんだ」と述べています。


10. To-Ra-Loo-Ra / Traditional
アレンジ;ケニー・ロギンス&ロリン・グリーン
ケルティック・ハープ、ベース&ソプラノリコーダー;ロリン・グリーン

これはケニーが長男クロスビーのために歌った最初の曲だそうです。おそらくケニーのお父さんが歌ってくれたアイルランド民謡がケニーの頭にこびりついていたんじゃないか、とのこと。(ケニーは半分アイルランド人、あとはイタリア系)



ちなみにケニー・ロギンスがこれまで自分の子供にインスパイアされて作った曲は以下の通りです。
「オンリー・ア・ミラクル」クロスビーの誕生を描いた歌
「コディーの歌」
「イザベラズ・アイズ」



このリターン・トゥー・プー・コーナー、テレビ放映されたのかな?コンサートの模様がYou Tubeに上がっています。 →こちら
パティ・オースティンも出ていますし、グレアム&ナッシュとは中継で共演しています。
アルバムとは別アレンジで、オーケストラも使っています。
髭の全くないケニーが歌ってます。

ラスト・ユニコーンでは涙が止まらなくなってしまいました。。。
ケニーの歌声で、思わず泣いてしまう、、ということはまったく無いわけではないんですが、
ちょっと泣いて、でも笑顔になる、そんなパターンが多いんですよ。
でもなんか、この歌は、、駄目ですね、号泣です。

それからアルバムには入っていませんが、「美女と野獣」を歌っています。
アコースティックギター2本、ベースギター1本、そしてチェロ2とケニーのヴォーカルがとても心にしみる素敵なアレンジです。

MUSICIANS;
STEVE GEORGE:kEYBOAD PIANO VOCAL_MUSICAL ARRANGER
GUY THOMAS:GUITAR and VOCALS
JOHN DEFARIA:GUITAR and VOCALS
FREDDIE WASHINGTON:BASS GUITAR and VOCALS
TOLLAK OLLESTAD:HARMONICA and VOCALS
KEVIN RICARD:PERCUSSION
CHRIS RALLES:PERCUSSION



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