ピアニストの辻井さんが出番前に言っていた言葉です。
想いが、音楽が、体から今にも溢れ出そうで、早く弾きたい。そんな感じでした。
先ほど、彼のドキュメンタリー番組を見たところです(録画しておいたもの)。
そんなこと言ってみたい。
今日は、1年で一番気が重い日。
発表会のリハーサルでした。
毎年書いていると思いますが、あの独特な雰囲気の中で弾くのは本当につらい。
至近距離に先生と事情通(?)の門下生達がぎっしり。
毎年のことながら大いにうろたえ、指は思いもよらない動きをし、苦手な部分は当然間違え、いつも安心な箇所でさえ弾けなくなり、動揺が動揺を呼び・・・
で、惨憺たる演奏をしてしまうわけです。
で、非常にがっかりし、本番までにどうにかしなければ、と心底身に沁みて、奮起を誓うわけです。
となることがわかっているんだから、リハーサルにいい状態に持っていくようにすればいいものを、やはりできないんです。
進歩がない。
それにしても、みなさん難曲に取り組んでいてすごいなぁ。
なんて真面目な生徒さんばかりなんでしょう。
わざわざつらい状況に身を置いて努力するなんて、本当に立派なことです。
「早く弾きたい」と思うことはあります。
たとえば、プレソの時。
プレソでは、本番の緊張感も心地いいし、早くみなさんに聴いてほしくてわくわくしながら開演のベルを待っています。
独奏の時もそう思えたらいいんですが、まず無いです。
話しが戻りますが、辻井さんは「展覧会の絵」を1週間で覚えたそうです。
最初はテープに吹き込まれた音を聴いて練習していました(左右別に4小節づつの区切りになってました)。
全部覚えてから、自分の思うようなイメージ(実際に絵が見えないので、想像するところから始まる)をどう表現するかで、ものすごい葛藤と苦しみがあるんです。
紆余曲折あったのち、確固たる何かをつかんで、「早く弾きたい」に至るわけです。
6月26日までに、少しでもそうなれるよう、もがいてみます。