笹島寿美先生の「きもの上手は着付けから」(淡交社)という本を読んで、これまできものについて感じていたささやかな疑問についての答えをいただいたような気がしました。
そのひとつが、こんな疑問「置きコーディと実際に着たときとが違うのはなぜだろう」
お出かけのために夜に用意しておいたコーディネイトが、次の日、いざ出かけようとすると、しっくりこないことがあります。
もちろん天候などにも左右されるものですが、天気予報あらかじめわかっていてもなぜかNG。
もちろん着付けが未熟なせいもあるのですが、寿美先生も同じようなことを仰っていて、
「あるときは想像以上に美しく見えたり、期待を裏切られることもあります。ーーきものは確かなバランスを持たない不安定な衣服であるといえましょうか」
そうですよね。この不安定さをできるだけ少なくするために着付けやコーディネイトの修行があるわけですが、それでも残る不安定さ。だからきものは魅力的なのでしょうね。
そのほか、「きものは骨格で着る」「着くずれの美しさ」など、着付けの大御所だからこそ言える言葉が随所にありました。
きちんとした着付けだけでは出せないお人柄が出ているように思います。
洋服でもそうですが、着くずしの魅力は、着付けがちゃんとできてこそ。
やはりせっせと精進することにいたしましょう
着くずせるほどの極みに
いつか手が届くよう励ましを