自分のきもの箪笥の奥で、
お蔵入りになっていた
「お守り江戸小紋」を見つけました。
かなり前に、母から贈られた
銘入り青磁色の江戸小紋です。
たとえば、母はこんな袋帯に合わせて
フォーマルに着てほしかったのだと思いますが~~。
帯・蘇州刺繍(こちらは母の形見)
作ってくれた頃には、きものに興味は持たず、
その後も、こういう格好は苦手、
第一上手に着れないし
でも、この小紋、八掛がすごく面白いんです。
「交通安全」「合格祈願」「長春開運」
「子宝開運」「美人宝」「日々好日」
ーーといったいわゆるお守りのことばがずらりと書いてあります。
表地に、おめでたい柄を使ったものはよく見ますが、
八掛にというのは珍しいのでは?
両親ともすでに亡くしなりましたが、母は信心深い人でした。
手広く商売をやっていた父は、
女性の出入りが多かったんですね(家族の恥をいまさらですが)
「女は男の甲斐性」などと言われ
(江戸時代ですか?いえ、昭和です)
我慢していたようですが、
そのストレスを宗教(困ったときの神頼み的な)
などで紛らわしていたようです。
でも、晩年父が落ち着いてからは、
夫婦仲はとてもよく、父が亡くなったときには、
「早くお父さんのところに行きたい」などと言っていました。
当時の私には、なかなか理解できなかったのですが
過ぎてしまえば、嫌な思い出もみなセピア色、なのでしょうか。
そして実際一年後に
「お父さんのところに行けるのがうれしい」
と逝ってしまいました。
まあ、年を重ねたからこそ話せることです。
まあ、そんなこんなで、娘(私です)の
きものを誂えるときにも、「どうぞ、神さま、仏さま」
という気持ちがあったのでしょうか。
八掛に願いを込めて
晩年、穏やかなときのものですが、
うーん、有難いような、怖いような~。
「家内安全」「商売繁盛」
「長寿開運」「仲良善哉」ーー、まだまだあります。
で、久方ぶりというか、
ほとんど眠りっぱなしだった江戸小紋、
出してみると、「いいものじゃないの」
でも、フォーマルには着ても面白くないので、
いろいろ遊んでみたいと思います。
江戸小紋って、結構どんな帯でも合う優れものなんですね。
今月の「七緒」に江戸小紋には、
どんな帯でもいいのですか、
という特集があって、
そこには「どんなものでもいい」
という意見と
「遊び着物がたくさんある昨今、
特に遊ばなくても」
という意見とに分かれていました。
でも、遊びたいです
最初は、母の意を汲んでフォーマルに。
帯・辻が花的なシルバー
帯揚げだけ、縞で崩してみました。
無難コーディ。
で、次は、更紗や紅型帯で遊んでみます。
お手本は「クロワッサン・着物の時間2」掲載のこの方
更紗収集家の菊池信子さんです。
江戸小紋に更紗~
素敵です
江戸小紋でこれだけ遊べるのだと、
この写真を見て知りました
こんな風にいつか着てみたいと思っていますが、
いつになるでしょうか。
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