ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

高すぎるけど、目標はこの粋上品?

2014-11-06 13:02:35 | アート・文化

 

古書店で見つけた古いきもの雑誌。

NHKの趣味悠々の「きものを楽しむ」1997年から98年版です。

今から、17年も前のものです。

クリックすると大きくなります。

この号、とても充実しているのですが、目を引いたのは、「粋な着こなし方法」と題され、その例として載せてある鏑木清方の「築地明石町」。

 

この絵、何度も目にしています。

鎌倉にある鏑木清方記念美術館にも行ったし、画集でも拝見していましたが、なぜかこれまではそれほど心をとらわれなかった。

ところが、今回、この絵に目を奪われました。

粋とは、

1 気持ちや身なりのさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気をもっていること。

2 人情の表裏に通じ、特に遊里、遊興に関して精通していること。

と広辞苑にあります。

かの名高い九鬼周造氏の「いきの構造」には、「垢抜けしていて、張りのある色っぽさ」とあるそうです。

この本、若い頃にめくった記憶があるのですが、歯が立たず、今も同じでしょう(汗)。

「張りのある色っぽさ」なんて、よくわからないけど、

きりりとした色っぽさということかな。

言葉では捉えにくものを、言葉で捉えようとした面白さなんですね、きっと。

ところが、具体的には、「薄ものをまとう姿~~、きものの柄は縞がよい」などと、例が狭くなる、ところも面白い~~。

「粋」とは捕まえたとおもったら、するりと逃げてしまうものなのでしょう。

で、わからないなりに、この絵に魅かれたのは、いくつものクエッションがあるせいかもしれません。

きものは、納戸地の江戸小紋、そこに三つ紋の黒羽織、朱色の鼻緒の黒塗りの下駄。なんと素足です。

その足元はちょっと開き気味で、かき合わせた袖とともに伝法な雰囲気を漂わせています。

で、この小紋、下に襦袢を着ていません。

三つ紋の黒羽織に、襦袢なし、素足なんて、今の着付けからいうと驚き、です。

昭和初期には、襦袢なしで着る「素袷」という着方があったそうです。

「粋」というと、私は「玄人」さんや歌舞伎俳優の奥様方を思い浮かべるのですが、この方は清方の奥様の友達だそうです。

 背景の花は、朝顔?

旧暦の9月、今の10月頃。朝顔って秋の季語でもあるなんて、これも驚き。朝顔帯、秋に締めてもいいのね?

と、いくつものクエッションに包まれたこの絵。もう少し調べてみたい。

どこか投げやりでいながら、この上品さ。

華奢、か弱そうでいながら、姿勢や目線に強さを感じさせます。

「伝法」と「上品」の共存の具合が絶妙。

まあ、いまさら、この粋、域に到達するのは無理ではありますが、こういう風に絵を拝見できるようになったのも、きものを着るようになったおかげです。

ちょっと、リキが入ってしまい、長くなりましたが、

最後まで、ありがとうございました。

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コメント (4)
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