台風一過の夕焼け

　隣との境界の塀沿いに、大きな木を鉢植えにして並べて置いているのだが、台風の風ですっかり倒れていると配偶者が台風の実況中継風に言う。
　慌てて表に出ると、確かに隣がすっきりと見通せて、折からエアコンの修理に立ち会っているらしい隣のご主人と苦笑いしながら挨拶するはめになってしまった。
　台風は九州南部で東に方向転換して、九州直撃はなさそうだったので対策を疎かにしてしまっていた。
　前回、前々回と2度も準備万端で待ち受けていたが、さほどの風も吹かなかったし、ましてや今度は右旋回で避けて通るようだし、などと油断して対策をさぼっていた罰があたったのだ。
　倒れないように鉢と植木本体に支線を張って対策は日常から出来ていたはずなのだが、支線を固定するため地面に打ち込んだ木の杭が腐って折れたのが原因で、他の鉢も連鎖反応で次々と・・・・。
　対策が終わった直後に雨が降り出し、風も再度吹き出したので、補修のタイミングはグッドということで溜飲を下げる。
　一日中PC等をいじったり川柳の投句を考えて過ごした。
　すると突然世の中というか、窓の外の景色がオレンジ色に見え始めた。
　何事かと窓の外を眺めると・・・・・・・。

　台風の雲が途切れてかかって薄くなったところに、太陽の光が射し込んでぱあっとオレンジ色に輝いていた。

　散歩の時などに綺麗な夕焼けは度々見るのだが、全周に亘って町全体がオレンジ色に照らされる光景は珍しい。
　あわててカメラを取りに行って写す頃には、通常の夕焼けに近いものになりつつあった。
　一瞬、自然が魅せる色彩の芸術というものだったのだろう。

　台風は今朝静岡県に上陸したらしい。
　交通機関を止め、休校にし、避難勧告を出させ、災害救助を中止させながら時速４０Kmと速度を速めて通過していく。
　
　気のせいだろうか、今年はなんだか自然災害が多いような・・・・。

　では一句・・・・「天と地の摂理人世に生かされる」


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