熱い瓦屋根の上の猫

　雨が降り続く梅雨の時期は屋根の上での生活は結構厳しい。

　かといって、たまの晴れ間はカアーッと気温が上がって瓦の屋根は熱くなるし生活は更に厳しい筈だ。

　だがしかし、ちょっとした雨の合間にささやかに瓦が乾いたり、暑さが厳しい時でも朝晩の過ごしやすい一時に寛ぐ親子の猫の姿は微笑ましい。

　

　

　屋根の上で産んではみたものの、なかなか下に降ろす作戦が功を奏さず、母猫も梯子を設置して協力しようとした当方も慌てないで成長を見守ることに方針を変更した。

　幸いどこから貰ってくるのか母猫は魚の頭などをくわえて器用に梯子から屋根にジャンプする。

　屋根のどの部分でどういった生活をしているのかまったく分からない。

　瓦の一番下の段に誘導する母親の素振りを他所に、子猫の方は極めて活発に楽しそうに走り回るが、肝心の下の段には恐怖心があるのか立ち止まって降りてこない。

　梅雨が明ければ熱い瓦屋根は更に熱さを増すことだろう。

　猫の知恵に期待する他ない。