白雲去来

蜷川正大の日々是口実

目覚めれば、外は雨。

2009-11-18 11:12:46 | インポート

十一月十七日(火)雨。

 目が覚めて、寒い寒いと思ったら、外は雨。時計を見ればまだ六時前。亀のように、布団から首と手だけを出して、読みかけの本を読みつつ、家族の起きてくるのを待つ。

 

 目覚めれば 外は氷雨 息白し

 

 網走時代のこの時期の日記に記した駄句である。さすがに横浜では氷雨はないが、網走では、雨は気温が高いことの証拠である。それでも、合羽を着て、氷雨に打たれながら外役作業に出るのは、正直言って辛かった。一門で、埼玉の正田兄と共に、「切り通し」という泊まり込み農場で、氷雨の下で、「オンコの木」の伐採をやったことが、懐かしく思い出される。

 

 自堕落な日々を過ごしていると、ふと、あの網走の独房で寒さに震えながら、「ナニクソ」と本を読んでいた頃を懐かしく思う事がある。人里はなれた山小屋のような「住吉農場」で体験した伐採作業。腰の辺りまで積もった雪を体を使って掻き分けて道をつけて行く。伐採の現場に行けば、チェンソー部隊が切った、三十キロも四十キロもある材木を肩に担いで、集材場まで持って行く。

 

 春になって、「切り通し農場」に戻れば、東京ドームの五倍もあろうかと思われる農地に積もった雪をスコップで四角に切ってひっくり返す、「天地返し」と呼ばれた作業に明け暮れた。なるべくテレビを見たり、同囚の話に加わらないようにして、出所までに読んだ本が、約千冊。その読書の蓄積も、その後の生活の中で、ほとんど吐き出してしまい、酒で腐った頭に鞭打って、駄文と格闘している。知識はガソリンと同じで、吐き出すだけでは当然、空になってしまう。良く二十年以上ももったものだ。すでにガソリンメーターの空を示すランプが点滅している。マイッタ、マイッタ。

 

 今日は、午後から、お歳暮の注文に出かけ、遅い昼食を「バーミヤン」とやらで食べた。不味くはないが、まあ中華料理というよりも、バーミヤン料理といった感じ。それでも値段を見たら納得。その後、事務所へ。

 

 自宅に戻り、夕食と思ったら、下の子供が、算盤塾に行く途中に、「ポケモンウォーカー」というものを落とした、と言うので、雨の中を懐中電灯を持って探しに行くが、残念でした。それにしても家族揃って、雨の夜に懐中電灯を持ってウロウロしている姿は、チョット可笑しいかもしれない。子供にとっては、涙雨となってしまった。

 

 夕食は、先日名古屋で買ってきた「味噌煮込みうどん」を作って食べたが、家族には不評だった。葉書の印刷などして、早めに寝た。

Photo ※私が連載させて頂いている「実話時報」の12月号が発売されています。宜しくお願い致します。


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