十月三十日(土)雨。台風接近。
台風が接近しているとかで、風雨強し。我が陋屋は雨漏りが心配である。愚妻の手首の骨折は、治癒に一ヵ月半、リハビリに一ヵ月半、都合三ヶ月もかかると言う。ご心配頂いた方から、電話やメールを頂き、感謝を申し上げます。
雨で外に出るのが億劫なので一日、二階の片付け。本当は、四時から九段下沙龍で中尾征秀郎氏の激励会を兼ねた勉強会があるのだが、子供の弁当を作ったり片づけをしたりで、余計な仕事が増えて、外に出かける時間がない。原稿もやらなければならないし、片付けなどしている場合ではないのだが、愚妻が何もできないので仕方がない。
夕方から、子供の付き合いで、みなとみらいへ。上の子供が来月誕生日となるので、少し早いが、誕生日プレゼントを買ってあげた。電子辞書だが、正直言ってあんまり高いので驚いてしまった。機能が多すぎるのが原因だろうが、広辞苑、和英、英和、百科があれば充分との子供のありがたいリクエストで、安いものにした。その後、マックでコーヒーをしてから帰宅。余談だが、少し前までのマックのコーヒーは、何でこんなに不味いのかと思っていたが、最近では、コーヒー競争が激しくなったせいか、いくらか美味しくなった。まあ、あの値段では文句は言えないか。
岐阜の、細川先生は大変な読書家で、読んで面白いと思ったものをメールで教えてくれる。今日は、別冊太陽の「三島由紀夫特集」を紹介して頂いたので早速購入するつもり。
私は、胡桃沢耕史の「上海リリー」(文藝春秋)を読んでいる。古書店で百円で買ったものだ。「上海」と名のつく本があるとつい衝動買いしてしまう。もちろん、現在の上海を書いたものではなく、戦前の上海、つまりオールド上海がを題材にしたもの。戦前、上海は日本人がパスポートなしで行ける唯一の外国であった。すなわち「魔都」と呼ばれた時代だ。社友会代表である隠岐康氏のご好意で、今年の夏に始めて上海を訪れた。夢に見ていた街並がそのまま残っていたのには感激した。
「黒パン俘虜記」で直木賞をとった胡桃沢氏は、その昔、本名の清水正二郎と言う名で、エロ小説を書いていた。古い人ならば、ペンネームよりも本名の方が馴染みが深いのではないか。直木賞の受賞後は随分と海外を舞台にした冒険小説を書いているが、中国に題材をとった作品には良い物がある。
随分前のことだが、新自由クラブという政党があって、横浜から立候補した人の応援を頼まれてアルバイトをした事がある。その時に、候補者と友人であった胡桃沢氏が応援に来ていて、一緒に写真を撮ったものがある。
夜は、ビールの小瓶一本を飲んだら、ガタンと眠くなってしまい、早々と寝てしまった。