白雲去来

蜷川正大の日々是口実

「ウイスキー粋人列伝」に酔う。

2013-07-06 16:35:02 | インポート

七月五日(金)曇り。

 ここの所、毎日真面目にPCの前で仕事に精を出している。昨日は、連載をさせて頂いている「実話ドキュメント」の第132回を脱稿し送信した。後は、今月の15日までにどっさり頼まれ原稿を書かなければならない。原稿書きも、ある意味で体力仕事だ。

 過日、「週刊文春」の書評欄に乗っていて購入したのが、「ウイスキー粋人列伝」(文春新書・820円)。「吉田茂も黒澤明も向田邦子も日本人はみんなウイスキーが好きだった」と帯にあり、愛飲家90人のエピソードが綴られている。私は飲食に関する本が好きで、特に酒のエビーソードについて書かれたものは、目についたらすぐに買うようにしている。まだ、読了したわけではないが、「列伝」のトップに登場するのがクラッシックのギターリストでエッセイストでもある村治佳織さん。彼女のウイスキーの話も良かったが、嬉しかったのが次の一文。

 「トレドには、もう何度足を運んだかわからない。パラドールのお庭から見るトレドの全景、これは画家のエル・グレコも魅せられてトレドに移り住んだという逸話も残っているぐらいでも、千年も景色が変わっていない。私の中では、いま地球上で見られる中でも、もっとも好きな光景の一つです」というもの。ちなみに「パラドール」とは、スペインでは古城などを改装したり、景勝地に新しく建てた半官半民の宿泊施設網のことである。

私は、村治さんが、トレドのパラドールから見た「いま地球上で見られる中でも、もっとも好きな光景の一つです」を、野村先生と共に見た。その庭で、先生は旅の感慨を語り、私がビデオに収めた。命のあるうちに機会があればもう一度訪れてみたいものだ。トレドは「レコンキスタ」の地としても有名である。

25670023※トレドのパラドールにて。

今日は、控えるか・・・。と思っても風呂に入って元気を取り戻すと、まっいいかと自身に喝を入れて酔狂亭で独酌。


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7月4日に生まれて。

2013-07-06 15:31:55 | インポート

七月四日(木)雨のち曇り。

参議院選挙が公示された。自民党の対抗勢力の勢いがなく、「原発いらねぇ。増税いらねぇ。お前らもっといらねぇー」の参議院選挙。盛り上がる訳がない。投票率が下がれば都議選のように自公が圧勝して、組織力のある共産党が伸びると言う結果に終わる。正直言って、自民党に勝ってもらって9条を何とか改正し、自衛隊を国軍としてもらいたいものだ。

しかし、アメリカの独立記念日に参議院選挙とは、偶然と言えども対米追随の戦後の日本を象徴しているようで笑える。もう二十年以上も前だがトムクルーズの主演で公開されたのが「7月4日に生まれて」という映画。ロン・コーヴィックの同名の自伝的小説を映画化した作品で、ベトナム戦争を扱った戦争映画である。監督はオリバー・ストーンで主演がトム・クルーズ。 1989年のアカデミー賞において、監督・編集の2部門を受賞した。

映画のあらすじは、7月4日の独立記念日に生まれ、第二次世界大戦の勇士である父を誇りに思うロン・コーヴィック(トム・クルーズ)は、高校卒業後に海兵隊に入隊し、訓練の後にベトナム戦争に従軍する。ベトコンの攻撃にパニックになったロンは部下のウィルソンを誤射して死なせてしまい、遂にロン自身も銃弾に倒れ脊髄を損傷、下半身不随となる。

故郷に戻るロンだが、アメリカで彼を待っていたものは、国を守る英雄としての賞賛の言葉ではなく、非難と嘲笑の嵐だった。帰還兵をゴミ屑のように扱う世間に、絶望の日々を過ごすロン。ロンは次第に酒浸りの日々を送ることで精神を病み、遂に家族からも孤立し、メキシコへと旅立った。

メキシコでの生活も自堕落なものだったが、帰還兵仲間との衝突から、ロンは意を決してウィルソンの遺族に真実を伝えに行った。ロンは遺族との対話の後、仲間と共に車椅子を操って反戦運動に立ち上がり、「今すぐ和平を」「ベトナムの兄弟を殺すな」「北爆を中止しろ」と仲間と共に、シュプレヒコールを叫びながら1972年の共和党大会に向けてデモ行進をする。という、いわば左翼的な反戦映画だが、中々良かった。アメリカの独立記念日と言うと、その映画を思い出す。

藤棚商店街と言う所で行われている縁日にでも出かけようと思ったが、あいにくの天気なので、酔狂亭で独酌。酒は、オスカー、キロ、インディアさんからご恵送頂いた「伊佐美」。ふふふと言う感じである。


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