白雲去来

蜷川正大の日々是口実

駒形の鰻の前川。

2024-12-14 16:45:12 | 日記

12月13日(金)晴れ。

腎臓疾患の検査で入院しているために、当然ながら病院食は味も素っ気もない。刑務所(行ったことはありませんが(笑))の飯よりも10倍不味い。薬を飲む都合があるので、とりあえず、少しだけ口にする。お陰で、入院3日目で体重が5キロも落ちた。毎年行っている伊豆高原での断食と変わらない。

体調が悪くて入院しているくせに、お腹が空いて思い浮かべ目のは鰻やフグに鉄板焼き・・・。特に鰻は好きでたまらないのだが、最近は、Aランクの牛肉よりも高くなって、私のような浪人には、そう度々口に入るものではなくなった。うな重の蓋を開ける時のワクワク感が溜まらない。頭の中に、ジャジャジャーンと音が鳴る。つい先日も、盟友のご厚意で200年も続いている鰻の老舗、駒形の「前川」にご相伴にあずかった。そのお店を知ったのは、「フーテンの寅」さんシリーズである。何作目かは失念したが(どなたかご存知の方がいましたら教えて下さい)、そのお店が出ていた。何でも池波正太郎さんも御贔屓にしていたとのこと。以前から車で駒形橋を通るたびに「前川」の看板が見えて、いつかはと思っていた。

お店に行った時は、日も落ちて夜の帳が下りていた。ライトアップされた駒形橋、隅田川を行き来する屋形舟やシーバス。そしてスカイツリーにアサヒビール本社のオブジェなどが見える。それらが、鰻の味を余計に引き立てている。肝焼き、白焼きにうな重。日本酒の熱燗。至福の時である。

鰻好きで知られているのが歌人の斉藤茂吉。その記念館の運営に尽力した、林谷廣氏の著書『文献 茂吉と鰻』という本に、「ゆふぐれし机の前にひとり居りて鰻を食ふは楽しかりけり」と詠んだ昭和三年には、実に六十八回も鰻を食べている。何と五日に一回の割合で食べているのだ。自宅他、銀座の「竹葉亭」、青山「佐阿徳」、浅草「前川」など都内のあちこちの店に行く。とある。

退院したら、その足で東神奈川の「菊屋」か吉田町の「八十八」にでも行くか。懲りねぇな―。※前川から見た墨田川。

 

 

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