スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

阪神ジュベナイルフィリーズ&第一部定理一〇

2006-12-03 22:04:58 | 中央競馬
 阪神ジュベナイルフィリーズ。断然の人気に推されたアストンマーチャンは好発。この距離が初めてで,武豊騎手も折り合いの点には一抹の不安があったようですが,問題なくインに潜り込み3番手に控えました。逃げたのはルミナスハーバー。これはやや意外な感じでしたが,発走後の直線が長いわりには前半の800メートルが46秒3のミドルペースで,しかるべきペースであったと思います。直線に入ったところでルミナスハーバーが内を開けたので,アストンマーチャンは内に進路を取って抜け出しました。これで勝負あったという感じだったのですが,1頭,道中はやはり内でアストンマーチャンの後ろでマークするような態勢だったウオッカが,直線は前を行く各馬の外へと徐々に持ち出して追ってきました。そしてゴール寸前,これをわずかに捕えて優勝,2勝目(といってもキャリア3戦目ですが)でGⅠ制覇となりました。メルボルンカップでワンツーしたデルタブルース,ポップロックと同じ,栗東の角居勝彦厩舎の馬です。2着のアストンマーチャン以降は3馬身半(3着は逃げたルミナスハーバー)離れましたので,ここではこの2頭の能力が上位だったと考えてよいでしょう。個人的には先週に続いてありがたい決着。勝ち時計の1分33秒1は好時計というより怪時計で,これは能力の高さの証明ですが,これだけ速いタイムだと,むしろ今後の反動の方が心配になってしまいます。もう1頭期待していたクラウンプリンセスは,道中はアストンマーチャンの外につけ,直線でも外から一瞬は見せ場を作ってくれましたが,7着に沈んでしまいました。

 定義四に関係する問題はこれでひとまず片付いたと考え,次に,エチカの中で属性に関係する定理として重要と思える第一部定理一〇を取り上げます。「実体の各属性はそれ自身によって考えられなければならぬ」。この定理に関しても,スピノザがいいたい内容については難解な部分はないと思います。つまり属性は実体の本性を構成するのですが,そうした属性というのは,それがどんな属性であったとしても,それ自身によって,いい換えれば,何かほかの概念の助けを借りることなしに,概念する(認識する)ことができるものであるということです。したがって,知性が属性Xの概念を形成するためには,属性Xの概念があるだけで十分なのであって,何かほかのもの,たとえば属性Yとか属性Z,あるいは実体Aの概念を必要とはしないということになります。また,この点に関してはここでのテーマとは必ずしも関係しないかもしれませんが,認識と実在の同一性というエチカの観点から考えれば,実体の本性を構成する属性が,それ自身によって知性に認識されるものであるということは,同時に,属性はそれ自身によって存在するものであるということになると思われます。すなわち属性は,第一部定義一でいう自己原因であるという意味が,この定理には含まれていると考えてよいと思います。
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