
暮れの全日本2歳優駿を勝ったイイデケンシンの母系を紹介します。
この馬の母はアメリカ産のヘヴンリーアドヴァイスという馬。アメリカで2頭の産駒を産んだ後に輸入され,イイデケンシンが日本での初産駒になります。これでみれば日本での歴史は始まったばかりですが,ヘヴンリーアドヴァイスの母もまた同じ年に別に輸入されています。それがアメリカ産のパーソナリーという馬。ファミリーナンバーは23-b。
このパーソナリーも長いことアメリカで繁殖牝馬としての生活を送っていたわけですが,その産駒のうちの1頭が競走馬として日本に輸入されました。それが2004年のダービーグランプリを勝ったパーソナルラッシュ。JRAから大井に転入し,現在も競走馬として走っています。
パーソナリーを祖として日本で現役競走馬として走っているのはこの2頭だけ。その2頭が共に大レースを勝ったということになります。
イイデケンシンの父はケンタッキーダービーを勝ったサンダーガルチ。叔父にパーソナルラッシュがいるイイデケンシンは,やはり血統的にはダート競馬向きといえるのではないかと思います。
この証明の仕方は,『エチカ』でスピノザが用いているのと同じ方法です。しかし僕の考えでは共通概念の観点を導入することにより,第四部定理三〇はもっと別のやり方で証明することが可能です。
Aの本性とBの本性に共通のXがあると仮定します。そしてAとBが関係し合うことによって,Aの精神とBの精神のうちにXの観念が生じるとしてみましょう。これはAとBの間の共通概念ですから,本来であれば第二部定理三九に訴えるのが筋ですが,この定理の証明は第二部定理三八の証明と同じ方法ですので,ここでは便宜的に定理三八の方に訴えます。するとAの精神のうちにあるXの観念も,Bの精神のうちにあるXの観念も,十全な観念であるということが導かれます。
次に第三部定理一により,十全な観念を有する限りでは精神は働きをなします。いい換えれば能動的です。よってXの観念を有する限りでは,Aの精神もBの精神も能動的であるということになります。
そして第三部定理五九によれば,能動的である精神に関係する感情は,基本感情のうちの喜びであるか欲望であるかのどちらかです。つまり悲しみは関係しません。ですのでXを認識する限りでは,AもBも悲しみを感じるということがありません。すなわち,AもBも,Xを認識することによって自身の悲しみを認識するということはないことになります。
ところが第四部定理八により,悪の認識とは悲しみの認識にほかならないのです。よってAもBも,双方の本性に共通であるXを認識する限りでは,悪を認識することはないということになります。