スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

高松宮記念杯&理性と直観

2009-06-21 19:11:44 | 競輪
 1年の折り返しとなるGⅠ,高松宮記念杯の決勝が争われました。並びは山崎に渡辺の東日本,武田ー平原ー阿部ー諸橋の関東,浅井ー小嶋ー南の中部近畿。
 渡辺がSを取り山崎の前受け。中団に武田が入って7番手に浅井。残り2周のホームから浅井が上昇,一旦は武田に蓋をしてからバックで山崎を叩きに出ましたが,山崎が番手でイン粘り。小嶋がこれを嫌って下げたので,浅井の後ろに山崎ー渡辺と続いて打鐘。ここから武田がかまして出ると,今度は浅井が関東分断に出て平原の後ろに割り込みました。中団となった山崎は後方の小嶋の動きを確認し,3コーナーから捲りましたが,一足先に平原が番手捲り。結局そのまま粘りきった平原が優勝。捲った山崎が2着で,平原マークとなった浅井が3着。
 優勝した埼玉の平原康多選手は2006年8月に富山のふるさとダービーを勝っていて,ビッグは2勝目となりますが,GⅠは嬉しい初優勝。力だけならもっと早く勝ってもおかしくありませんでしたので,勝つべき人がようやく勝ったというところでしょうか。普通は武田選手の前を回るのですが,武田選手はすでにグランプリ出場を決めているのでやや異例の並びに。こういう小細工をするとうまくいかないケースも競輪ではままあるのですが,ここは途中で展開がかなりもつれたこともあり,奏功しました。今年は西武園記念を勝っています。

 この,眼鏡の曇りに関するような具体的検証は,しかし,実際にその原因が僕たちの精神のうちに与えられる場合には,このような手続きを踏んでいるとはいえないと思います。むしろこれは,日常的に眼鏡を掛けて生活している人であれば,眼鏡が曇る原因がマスクの着用にあるということを,自分の眼鏡の曇りを表象した時点で,ほぼたちどころに理解するであろうと思います。
 スピノザは第二部定理四〇備考二で,人間の精神による事物の認識を3種類に分類しています。このうち,自分の眼鏡が曇っているという表象は,まさにそれが表象であるがゆえに第一種の認識に属します。しかしこの場合には,この第一種の認識によって,たちどころに第三種の認識が同じ人間の精神のうちに生じ,眼鏡が曇った正しい原因をその人間は知るのです。この第三種の認識は直観知といわれていて,実は人間にとって最も確実な認識であるとされています。
 ただし,この場合のように第三種の認識によって知られ得ることを,僕たちは第二種の認識,すなわち理性による認識によっても知ることができるのです。これが可能であるということは,まさにこの備考においてスピノザが比例の例を用いて説明していますから問題ないでしょう。仮説の具体的検証というのは,常にこの第二種の理性的認識でならなければならないのであって,そのことによって僕たちは各々の仮説の真偽,すなわち仮説が正しいのか誤っているかを知ることができるでしょう。しかし現実的にいうならば,とくにこのような検証を経ずとも,第三種の認識によって知られ得るケースというのも往々にしてあるということになります。眼鏡の曇りもそれに該当するのですが,検証はあくまでも第二種の認識によってなされなければならず,それは僕が示したような方法になると思います。
コメント
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