スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

タイガー・戸口&影響の有無

2019-09-02 19:47:46 | NOAH
 大木金太郎は全日本で仕事をしたときは馬場の対戦相手でした。その頃,大木とタッグを結成することが多かったのはタイガー・戸口です。戸口は日本プロレスに入門したのですが,デビュー戦は韓国でした。日本プロレスが崩壊した後はアメリカで仕事をしました。この仕事を斡旋してくれたのは大木だったようです。渡米中に韓国人キャラクターとしてキム・ドクを名乗り,全日本には逆上陸という形で1976年から参戦。このため,韓国人であった大木のパートナーとしては最適であったといえます。インターナショナルタッグの王者にも就きました。
 1979年には全日本プロレスに入団しました。これを機にタイガー・戸口に改名。大木と組んでいた頃は馬場やジャンボ・鶴田とは戦っていたわけですが,これ以降はタッグも結成するようになりました。ただこの頃は馬場が健在で,鶴田が馬場のパートナーという役割でしたので,力量的にはこの頃の鶴田とは遜色なかったのですが,あまり恵まれませんでした。
 1982年に全日本を離脱し,新日本で仕事をするようになりました。僕のプロレスキャリアが始まったとき,戸口は新日本に出場していました。不沈艦が全日本に移籍する直前,新日本のタッグリーグ戦に狂犬と組んで出場していたのですが,このリーグ戦には戸口も参加していたように記憶しています。なので僕にとっては戸口は,どちらかといえば新日本のレスラーです。
 戸口が全日本を退社したのはおそらく待遇面での不満があったからだと思われます。ただ新日本では全日本のときほどの大きな役割を与えられることはありませんでした。なので実は僕は戸口にはレスラーとしての強い印象がほとんど残っていません。体格的には恵まれていましたから,日本で大成するためにはたぶん全日本に残っていた方がよかったでしょう。もし残っていたとしたら鶴田はもちろん,後に鶴田のパートナーになった天龍源一郎のレスラー人生もだいぶ違ったものとなっていた筈です。 

 『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』で定義論を展開していたときのスピノザは,書簡九で展開している定義論については頭になかったと僕は考えます。それが書簡九では,それ自身が吟味されるために立てられる定義Definitioという,それ以前にはなったと思われる事柄に言及しているので,確かに定義の理念の変更はあったと僕は判断します。
                                        
 スピノザが『ポール・ロワイヤル論理学Logique de Port-Royal』を読むことができる環境にあったことは間違いありません。ですからスピノザがそれによって理念を変更した可能性は僕は排除しません。上野はおそらく,『ポール・ロワイヤル論理学』の定義論と書簡九の定義論を比較し,理念の変更はパスカルBlaise Pascalからの影響であるといっていると僕は推測します。ですが僕はそのような比較はできませんから,それをこの時期のスピノザの人生に関する記述の方から考察しました。
 1660年には『エチカ』は書き始められていたかもしれないし,少なくとも『エチカ』を書く企てはスピノザの中に存在していました。そのときすでにスピノザが定義の理念を変更していたとしてもおかしくはありません。この場合,これは『ポール・ロワイヤル論理学』が発刊される前に理念が変更されていたということになりますから,理念の変更はパスカルからの影響ではなかったということになります。それはスピノザ自身が新たに発見したことだったかもしれませんし,あるいはほかからの影響があったのかもしれません。
 1661年にオルデンブルクHeinrich OrdenburgがわざわざレインスブルフRijnsburgまでスピノザを訪問したのは,知の情報収集屋としてのオルデンブルクにとって,スピノザは会うべき価値がある人間だったからです。あるいはオルデンブルクはそう思ったからです。そしてこのときにふたりは,神Deusについてあるいは属性attributumについて,そしてデカルトRené Descartesやベーコンの哲学について語り合っています。そういうことをオルデンブルクと語り合える能力をすでに有していたスピノザが,この時点で定義の理念を変更していたとしても,やはり不自然ではありません。そしてこの場合にも理念の変更は,パスカルからの影響ではなかったことになります。
 したがって僕が確定的にいえるのはふたつのことだけです。
コメント
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