スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

香港国際競走&プレイ中の誤謬

2021-12-13 19:30:49 | 海外競馬
 香港のシャティン競馬場で行われた昨日の国際競走4レースに,12頭の日本馬が遠征しました。簡単に振り返ります。
 香港ヴァーズGⅠ芝2400m。ステイフーリッシュは押して2番手。3コーナーの手前では逃げた馬の外に並び掛ける積極的なレース。直線の入口では先頭でしたがそこまでで一杯。勝ち馬から8馬身半差の5着。グローリーヴェイズは後方2番手の内を追走。直線は大外から伸び,残り50m過ぎに前を行く馬をすべて差し切って優勝。
 優勝したグローリーヴェイズは昨年の京都大賞典以来の勝利。大レースは一昨年の香港ヴァーズ以来の2勝目。父はディープインパクト。祖母の父がメジロライアン。3代母がメジロラモーヌ。5代母がアマゾンウォリアー
 日本馬による海外GⅠ制覇はブリーダーズカップディスタフ以来。香港ではクイーンエリザベスⅡ世カップ以来。香港ヴァーズは2001年,2016年,2019年に続く2年ぶりの4勝目。騎乗した香港のジョアン・モレイラ騎手は一昨年の香港ヴァーズ以来となる日本馬に騎乗しての大レース7勝目。管理している尾関知人調教師は一昨年の香港ヴァーズ以来の大レース4勝目で海外重賞2勝目。
 香港スプリントGⅠ芝1200m。ダノンスマッシュが5番手の外,レシステンシアがその後ろ,ピクシーナイトは後方2番手の外を追走。このレースは3番手の外を走っていた馬が4コーナーの手前で落馬。これに巻き込まれたピクシーナイトは落馬。ダノンスマッシュは落馬は免れましたが大きな不利を受け,完走した馬の中では最下位となる大差の8着。レシステンシアには影響はなく,外から5頭目を追い込んで勝ち馬から4分の3馬身差の2着。
 香港マイルGⅠ芝1600m。サリオスは内の2番手から向正面で先頭に立って逃げるレース。ヴァンドギャルドが3番手集団の内,インディチャンプが8番手の外,ダノンキングリーが9番手を追走。逃げたサリオスは直線でやや外へ。圧倒的だった勝ち馬に差された後,もう1頭にも差されて勝ち馬から2馬身差の3着。馬群の中から追い込む形になったインディチャンプがそこから4分の3馬身差の5着。サリオスの内に進路を取ったヴァンドギャルドがインディチャンプと僅差の6着で,ヴァンドギャルドのさらに内の進路になったダノンキングリーはそこから半馬身差の8着。
 香港カップGⅠ芝2000m。ラヴズオンリーユーは4番手集団の真ん中,レイパパレが7番手の内,ヒシイグアスは最後尾の外を追走。このレースはヒシイグアスが大外から伸び,前の2頭の間を割ってきたラヴズオンリーユーが競り合いながら残り50m付近で先頭に。競り合いを制したラヴズオンリーユーが優勝でヒシイグアスはアタマ差の2着。レイパパレは前が詰まってしまい2頭から4馬身4分の3差の6着。
 優勝したラヴズオンリーユーはブリーダーズカップフィリー&メアターフからの連勝で大レース4勝目。父はディープインパクト。母はラヴズオンリーミー。4つ上の全兄に2015年に共同通信杯,2016年にドバイターフ,2017年に毎日王冠を勝ったリアルスティール
                                        
 日本馬による香港カップ制覇は1995年,1998年,2001年,2015年,2016年,2019年,2020年に続き3年連続の8回目。騎乗した川田将雅騎手はブリーダーズカップフィリー&メアターフ以来の大レース31勝目で海外GⅠ2勝目。管理している矢作芳人調教師ジャパンカップ以来の大レース22勝目。海外GⅠはブリーダーズカップディスタフ以来の6勝目。

 どんな場合であっても,理性ratioから生じる感情affectusが,プレイ中に抱いた不安metusより強力であるとは限りません。したがって,理性的な認識cognitio,あるいはデジタルな思考をいくらしたところで,それによって不安を抑制することができるとは限らないのです。いい換えれば,理性から生じる感情によっては抑制することができない不安というのが現実的に存在するすべての人間に生じ得るのであって,その場合は不安という感情が人間のある行動の原因causaとなり得るのですから,それに従って人間は行動することになります。よってそれが麻雀のプレイ中であれば,たとえデジタルな認識は危険であってもその牌を捨てた方がよいという結論を出すとしても,不安の方が強いがゆえに,その牌を捨てることができず,手の中にある安全な牌を捨てるということが起こり得るのです。
 このことは,後にその場面を反省して振り返るときには,そのときの自分は不安という感情に隷属していて,理性的な判断ができていなかったと知ることができます。絶対に知ることができるとは僕はいいませんが,ほとんどの場合でそのような認識を有することができると僕は考えます。そしてすでにいっておいたように,スピノザの哲学において虚偽falsitasとは混乱した観念idea inadaequataであり,誤謬errorとは虚偽が虚偽であるという認識の不足ないしは欠如を意味するのですから,少なくとも反省したその時点では,その人間は誤謬を犯していることにはなりません。かつて不安という感情に流されていたということに気付くだけです。しかしプレイ中はそうではありません。プレイをしているときには不安という感情が現実的に存在しているというように,あるいは現実的に存在している事柄から発生しているというように感じられるわけですから,それが虚偽であるということには気付いていないのです。つまり,虚偽が虚偽であるということを認識していないということになりますから,そのプレイヤーは誤謬を犯しているということになるのです。
 これは麻雀をプレイしているプレイヤーの知性intellectusのうちに誤謬が生じる場合の分かりやすい一例であって,当然ながらこの逆のパターンも分かりやすい例として示すことができます。

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