スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ゴールドドリーム&共感と反感

2025-03-05 10:32:50 | 名馬
 雲取賞を勝ったジャナドリアの父はゴールドドリームです。父はゴールドアリュール
                       
 2歳11月にデビューすると新馬,500万,オープンと3連勝。兵庫チャンピオンシップは2着に敗れましたがユニコーンステークスで重賞初制覇。ジャパンダートダービーは3着でした。
 初の古馬相手となる武蔵野ステークスで復帰すると2着。チャンピオンズカップは発馬が悪く12着と初の大敗を喫しましたが4歳になったフェブラリーステークスで大レース初制覇。ドバイに遠征してドバイワールドカップに出走しましたが14着。帰国して帝王賞に出走するも7着でした。
 秋は南部杯で復帰。これは5着でしたがチャンピオンズカップで大レース2勝目。春秋のJRAの大レースを勝ったことでJRA賞の最優秀ダートホースに選出されました。
 翌年のフェブラリーステークスは2着。かしわ記念で大レース3勝目をあげると帝王賞も勝って大レース4勝目。秋は南部杯ルヴァンスレーヴの2着で東京大賞典も2着。
 6歳初戦のフェブラリーステークスも2着。かしわ記念を連覇して大レース5勝目。南部杯が3着,チャンピオンズカップが2着,東京大賞典が4着でこの年のキャンペーンを終了。
 7歳の初戦はサウジカップで5着。帰国して平安ステークスが3着。秋は南部杯が6着,チャンピオンズカップは2着で現役を退きました。
 この馬は1600m前後が得意で,帝王賞も勝っていますが本質的には距離は長かったものと思います。なので活躍できる場は限られていたと思うのですが,その中でこれだけの実績を残したのは素晴らしかったのではないでしょうか。

 第三部定理二七が示しているところによれば,僕たちが何かを表象して,その表象したものに何か自分に似たところがあるという了解が成立するなら,僕たちはその表象したものが刺激されている感情affectusに誘われることになります。よって僕たちは,僕たちにとって何の利害関係もなく,またそのもののことを好きでも嫌いでもなかったとしても,つまり感情面で中立であったとしても,そのものと自分に似たところがあるとみているなら,そのものが喜んでいるときには僕たちも喜ぶし,逆にそのものが悲しんでいるのなら悲しむことになるのです。
 吉田が強調しているのは,このメカニズムは共感sympathiaを原理としているということです。なおこの共感は第三部定理一五備考の中で使用されている語で,岩波文庫版では同感sympathiaと訳されていますが,吉田は講義の中でおそらく共感といっているのであり,同感というか共感というかは大した差異ではないと僕は思いますので,この部分では吉田に倣って共感ということにします。これは第三部諸感情の定義八の感情と関連することになるのですが,この感情は好感propensioという別の語で表されています。吉田は好感という感情のことを共感といっているわけではないし,畠中が同感と好感を分けているのは,スピノザ自身が別のラテン語を充てているからだというふたつの点に注意してください。
 感情の模倣imitatio affectuumの基本的原理は,吉田に倣えば共感ということになります。いい換えればそれは反感antipathiaではないということです。この反感も第三部定理一五備考で共感,畠中訳では同感の直後に出てくるもので,これについては畠中も反感と訳しています。こちらは第三部諸感情の定義九の反撥aversioと関連することになりますが,ここでも反撥に対してスピノザが反感とは別のラテン語を充てているので,畠中も別の訳語で対応しているということです。スピノザがこの備考Scholiumと諸感情の定義の中で別の語を用いているのは,この時代には共感ないしは同感と反感は,事物の中に隠れている性質を表すとされていたからだと類推されます。感情というのは事物に隠された性質ではなく,事物に刺激されるafficiことによって発生するものなので,別の語を用いたのでしょう。

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