犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

猛暑の爪痕

2015年09月13日 | うつろい
東京都心では今年、猛暑日が8日続いた。
深大寺の庭ではどうだっただろう。
都心とくらべたら涼しいとは言え、焼け付くような陽射しが容赦なく
降り注ぎ続けた。

その頃から、庭木の様子が変わった。

枝垂れ梅は、樹冠のあたりの葉が、乾いてしまっている。
乾いて丸まって、しらじらと裏面ばかりを見せている。

9月に入ったら、花水木の葉が赤くなり始めた。
いつも美しい紅葉で目を楽しませてくれる木だが、
こりゃ紅葉には早い。
しかも、鮮やかな赤ではなく、ガサガサと濃い色で、
葉はどれもだらりと枝から下がっている。

常緑で水分が多く、防火のために垣根によく使われるという珊瑚樹を
ウチでも隣家との垣にしているが、これすらも赤い。

思えばどれも老木だ。
老体に猛暑は堪えたと見える。

葉焼けの現象は、街路樹でも見られる。
日よけの矢面に立っているわけなのだから、街路樹はことに
つらかったろう。
若い木にも、葉焼けが見える。
花水木や桜の並木は、今もう赤茶けている。

中には早々に散り落ちてしまう葉もある。
今年は本来の紅葉の頃になったら、東京は枯れ荒んだ様子に
なるのかもしれない。



シャンソンの名曲に「枯葉」がある。
プレヴェールの詞がコズマのメロディに乗る。
夏の間に燃え上がった恋を、道端に枯葉の吹き溜まる晩秋に
思い起こしてむせぶ歌だ。

これが、猛暑の夏だったら、葉焼けを起こして散るのは9月。
恋の終わりも思いがけず早い。
老いらくの恋は燃え過ぎるのも命を縮める。

なんてなことを思ったり思わなかったり。

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