犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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アンサンブルの穴 その5 チューニング不要論篇

2014年10月29日 | 日々
チューニングの手順を書いた。

これでタテとヨコを合わせる準備ができた。
かのように見えるが、いくらチューニングの合った楽器で
テンポ感良く吹いても、美しいアンサンブル演奏にはならない。

チューニングより重要なことがある。
ピッチ(音高)が合っていても、合って聞こえない。
どんなにタイミングが揃っていても、ガタガタに聞こえる。
ということ起きる。

その鍵は、音色だ。

周囲と調和する音色で吹かないと、
どんなに正確なリズム、正確なピッチであったとしても、
美しい演奏には聞こえない。

良い音色だと数本が集まって和音を鳴らした時に、
どの音が目立って聞こえるでもなく、ひとつの響きとして聞こえる。
汚い音だと、個々の音が聞こえて、輪郭のデコボコとしたものになる。

では、音色が良いとはどういうことなのか。

イメージで表現すれば、輪郭の柔らかい、丸い音だ。
他の人の音とぶつからず、寄り添って合わさる。

分析的にどんな音かというと、倍音を多く含んだ音と言える。
ある高さの音を出した時にも、実はその音は小さく、
別の高さの音を含んでいる。
オクターブ上やその完全5度上の音などだ。

含まれる倍音の種類が多いと、音色は柔らかくなり、
様々な音となじみやすい。
ホルンが、オーケストラにおいて、金管楽器と一緒になったり
木管楽器と組み合わせられたり、チェロやビオラと同じメロディーをやったりするのは、
豊かな倍音を含んでいるからだ。

逆に、トランペットやトロンボーンが、オーケストラ全体の音を貫いて
力強く鳴り響くのは、やや固い音色になるような倍音構成になっているからだ。

トランペットやトロンボーンも柔らかい音色を出すことはできるし、
ホルンを汚く吹くこともできる。
基本的には、全体でひとつの響きに聞こえるような音色で吹くと良いだろう。
そういう意識で、コラールなどを練習すると良い。

なんならチューニングそのものが少々ずれていたとしても、
音色が良ければよく合った演奏に聞こえる。

音色とは、そういうまとまりを作るものだ。


では、どのようなチューニングをすれば、音色を合わせられるか。
という話はまた明日・・

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