[あらすじ] オッフェンバック作曲の『ホフマンの舟唄』に
八代亜紀さんの歌った阿久悠作詞の『舟唄』の歌詞をあてて歌ったよ。
https://www.youtube.com/watch?v=-cwf4e9JdTo
見ないと化けて出るよ。
オッフェンバックと阿久悠が化けて出るよ。
私とやまちゃんも化けて出るよ。
もしかすると八代亜紀さんも出るかもよ。
※
動画はロケ撮影にしよう。
舟唄なんだから、舟を漕ごう。
バルカローレの場面の舞台はヴェネツィアだから、
なんかあの長っ細い反り返った舟で、長い棒を持った船頭が先っちょにいて、
運河を行く情景だろう。
そんな場所は身近にございません。
ので、池のボートにしよう。
多摩川の渡し場にもボートは有るけれど、
ぼやぼやと撮影をしているうちに下流に流されて
羽田まで行ってしまうかもしれない。
自宅から近いボートに乗れる池と言うと、
井の頭池、善福寺池がすぐに思い付く。
ここいらは武蔵野台地の上、標高50メートルの所で
水が湧いているラインだ。
我が地元深大寺が南端で、そこから北に井の頭、善福寺と並んでいる。
もう一歩北上したところに三宝寺池が在る。
道を挟んで、石神井池が在る。
調べてみると、三宝寺池は自然の池だが、
石神井池というのはボート競技用に造成された池なのだそうだ。
どうせホフマン物語っぽくならない手漕ぎ貸しボートなら、
ボート池に乗りに行こう。
※
11月下旬、平日、午後、快晴、ほぼ風無し。
好天のためか、石神井池の売店周辺は思いがけず人が多かった。
しかし、なんだろう、なんと言えばいいのか、
なんとなく空気は淀み、活気が無い。
見回すと、どうもどの人も、
仕事も学校も無い気配が漂っている。
建物に沿って売店の裏へ回る。
外壁がギザギザになっている。
凸の後の凹の前に差し掛かってギョッとする。
外壁に沿ってベンチが有るが、
その一つ一つに一人ずつオッサンが寝そべっている。
建物のギザギザのおかげで、一人ずつのブースのようになっている。
午後の陽光でポカポカである。
家ん中よりここが暖かいし、プライバシーはわりと保たれているし。
陽だまり且つ吹き溜まりの気配。
※
気を取り直してロケハンする。
紅葉がいい塩梅だ。
撮影本番は2週間後だから、
もっと枯れ色になっていて、ものさびしい雰囲気になるかもしれない。
しっかし、池の西端に立っている謎の巨大彫刻はなんなんだろう。
白い布を2本の棒っ杭に引っ掛けて立てたような姿だが、
ちょっと苔で汚れてうら悲しいったらありゃしない。
なるべく撮影したくない気がする。
きっと誰ぞ彫刻家の作品なのだろうけれど。
※
12月初旬。
撮影本番。
あいにくの曇り空。
紅葉も過ぎていて、なんだかさえない。
池の真ん中に中の島が有る。
両側に橋が架かっている。
水路は時計回りの一方通行になっている。
狭い水路に、スワンボートが一つ、とどまっている。
座礁したんだろうか。
脇が空いているので、通り抜けることにする。
と、そのスワンに乗ったオッチャンが何やら声をかけてくる。
「もっとワキを締めて!」
どうやら私に指導しているようだ。
いや、さっきからここでボートが渋滞していたのは、
このオッチャンが皆にいちいち指導するからではないか。
「ワキを締めて!
オールを立てて!
ワキ締めて!
まっすぐ!ブラジルに向かって立てて!
で、30秒に一回でいいの!
じゃないと彼女に水かかっちゃうよ!」
はいはい。
ありがとうございまーす。
天気の良い日に売店の裏で昼寝している手合いだろうか。
※
絵コンテを描いて、ロケハンもして、撮影手順も計画して臨んだが、
2時間半かかった。
たつた3分あまりの動画の撮影に。
池にはもう他のボートはいない。
モーター付きのボートが池を一周して、こちらに向かって来る。
管理のおじさんに叱られるう。
急いで漕ぐ。
「4時までなんですよ。」
は、はい、すみません。
「止まって。」
はい。
「オール上げといてね。」
管理人のモーターボートに牽引されて、戻る。
すみません。お手数おかけします。
スワンのオッチャンより迷惑なのは私のほうかも。
※
乗り場に戻ると、もう一人の係のおじさんと、
誰か男の人が言い合いをしている。
どうやら、その男は超過料金を払わない、と言っているようだ。
「お金無いのに乗ったの?」などと係員が言うのが聞こえてくる。
そのうち、男は何か怒鳴り始めた。
払わないで逃げるのではなく、喧嘩している。
桟橋のたもとにいるその二人の横を通り抜けざま見ると、
どうやらその男はさっきのスワンボートの人のようだ。
ううむ。困ったちゃん一等賞はやっぱりスワンおじさんに譲る。
トイレに寄ってひと安心。
落ち着いてみれば、今ごろになって空が晴れてきて、
夕焼けが美しい。
八代亜紀さんの歌った阿久悠作詞の『舟唄』の歌詞をあてて歌ったよ。
https://www.youtube.com/watch?v=-cwf4e9JdTo
見ないと化けて出るよ。
オッフェンバックと阿久悠が化けて出るよ。
私とやまちゃんも化けて出るよ。
もしかすると八代亜紀さんも出るかもよ。
※
動画はロケ撮影にしよう。
舟唄なんだから、舟を漕ごう。
バルカローレの場面の舞台はヴェネツィアだから、
なんかあの長っ細い反り返った舟で、長い棒を持った船頭が先っちょにいて、
運河を行く情景だろう。
そんな場所は身近にございません。
ので、池のボートにしよう。
多摩川の渡し場にもボートは有るけれど、
ぼやぼやと撮影をしているうちに下流に流されて
羽田まで行ってしまうかもしれない。
自宅から近いボートに乗れる池と言うと、
井の頭池、善福寺池がすぐに思い付く。
ここいらは武蔵野台地の上、標高50メートルの所で
水が湧いているラインだ。
我が地元深大寺が南端で、そこから北に井の頭、善福寺と並んでいる。
もう一歩北上したところに三宝寺池が在る。
道を挟んで、石神井池が在る。
調べてみると、三宝寺池は自然の池だが、
石神井池というのはボート競技用に造成された池なのだそうだ。
どうせホフマン物語っぽくならない手漕ぎ貸しボートなら、
ボート池に乗りに行こう。
※
11月下旬、平日、午後、快晴、ほぼ風無し。
好天のためか、石神井池の売店周辺は思いがけず人が多かった。
しかし、なんだろう、なんと言えばいいのか、
なんとなく空気は淀み、活気が無い。
見回すと、どうもどの人も、
仕事も学校も無い気配が漂っている。
建物に沿って売店の裏へ回る。
外壁がギザギザになっている。
凸の後の凹の前に差し掛かってギョッとする。
外壁に沿ってベンチが有るが、
その一つ一つに一人ずつオッサンが寝そべっている。
建物のギザギザのおかげで、一人ずつのブースのようになっている。
午後の陽光でポカポカである。
家ん中よりここが暖かいし、プライバシーはわりと保たれているし。
陽だまり且つ吹き溜まりの気配。
※
気を取り直してロケハンする。
紅葉がいい塩梅だ。
撮影本番は2週間後だから、
もっと枯れ色になっていて、ものさびしい雰囲気になるかもしれない。
しっかし、池の西端に立っている謎の巨大彫刻はなんなんだろう。
白い布を2本の棒っ杭に引っ掛けて立てたような姿だが、
ちょっと苔で汚れてうら悲しいったらありゃしない。
なるべく撮影したくない気がする。
きっと誰ぞ彫刻家の作品なのだろうけれど。
※
12月初旬。
撮影本番。
あいにくの曇り空。
紅葉も過ぎていて、なんだかさえない。
池の真ん中に中の島が有る。
両側に橋が架かっている。
水路は時計回りの一方通行になっている。
狭い水路に、スワンボートが一つ、とどまっている。
座礁したんだろうか。
脇が空いているので、通り抜けることにする。
と、そのスワンに乗ったオッチャンが何やら声をかけてくる。
「もっとワキを締めて!」
どうやら私に指導しているようだ。
いや、さっきからここでボートが渋滞していたのは、
このオッチャンが皆にいちいち指導するからではないか。
「ワキを締めて!
オールを立てて!
ワキ締めて!
まっすぐ!ブラジルに向かって立てて!
で、30秒に一回でいいの!
じゃないと彼女に水かかっちゃうよ!」
はいはい。
ありがとうございまーす。
天気の良い日に売店の裏で昼寝している手合いだろうか。
※
絵コンテを描いて、ロケハンもして、撮影手順も計画して臨んだが、
2時間半かかった。
たつた3分あまりの動画の撮影に。
池にはもう他のボートはいない。
モーター付きのボートが池を一周して、こちらに向かって来る。
管理のおじさんに叱られるう。
急いで漕ぐ。
「4時までなんですよ。」
は、はい、すみません。
「止まって。」
はい。
「オール上げといてね。」
管理人のモーターボートに牽引されて、戻る。
すみません。お手数おかけします。
スワンのオッチャンより迷惑なのは私のほうかも。
※
乗り場に戻ると、もう一人の係のおじさんと、
誰か男の人が言い合いをしている。
どうやら、その男は超過料金を払わない、と言っているようだ。
「お金無いのに乗ったの?」などと係員が言うのが聞こえてくる。
そのうち、男は何か怒鳴り始めた。
払わないで逃げるのではなく、喧嘩している。
桟橋のたもとにいるその二人の横を通り抜けざま見ると、
どうやらその男はさっきのスワンボートの人のようだ。
ううむ。困ったちゃん一等賞はやっぱりスワンおじさんに譲る。
トイレに寄ってひと安心。
落ち着いてみれば、今ごろになって空が晴れてきて、
夕焼けが美しい。
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