[たまには良い話] 子どもの頃、父が地形図というものを教えてくれた。
自転車で一人で何時間も走り回るのが好きだった。
事前に地図を見て、行きたい場所とコースをおおよそ頭に入れる。
そして地図は持たずに出かける。
荷物は少ないほうがいい。というか、無いほうがいい。
数時間走り回って帰ってきて、そして地形図を広げ、
通った道を赤鉛筆で辿る。
行き当たりばったりで、面白そうな道が有れば、予定にかまわず行ってみる。
あんまりそれをやると、帰ってから思い出せないことも有った。
けれど当時はほとんど走った道を記憶していた。
地図を赤く染めながら、一日を思い出すのも楽しみだった。
※
おかげで地図が読める。
通った道が地図上でどれだったのか分かるし、
地図を見れば、目的地に行くのにどの道を選べば良いのか分かる。
最短コースが良いけれど、それが複雑過ぎるようなら、もっと簡単なコースを選ぶ。
目印になる建物が無いかチェックする。
道幅の広さなども頭に入れる。
方向音痴の人に相談されることがある。
本当に直したいのか、よくよく確認してからアドバイスする。
まず。地図を持ち歩くことが第一である。
地図を使う練習を勧めて、まず地図をあれこれ説明する。
が、「それができないから相談してるんですよ!」と
途中で逆ギレされることがある。
うん、それができないから練習するんですよ。
と思う。
話をしていくと、どうやら方向音痴というものは
「性質」だと思われているフシがあるようだ。
これは、方向音痴ではない人もそう思っているのではないだろうか。
そして、「性質」は「変えられないもの」だと思っていないか。
いや、性質は習慣の積み重ねによってこの身体に乗っかっているもので、
習慣を変えれば性質もそれに伴って後から変わってくる。
ちょっと時間がかかるが、変わりたければ変われる。
その第一歩が、地図を持ち歩くことだ、と私は思う。
私だって、生まれつき地図が読めたり方向感覚が良かったりしたわけではない。
出かける前に地図を読んで準備し、現地でその地図を思い出し、
家に帰っては実際に通った道を思い出し、それを地図に記録する、
こういう作業を繰り返しやって、身に付けてきたのだ。
※
といったことに本気で仕事として取り組んでいるお人がいる。
素人の私が相談されるくらいだ、確かにニーズは有るわけだ。
私自身は地図を読めるのだから、この本は不必要だ。
けれど、もし良い本だったら、私なんぞに相談しちゃった方向音痴かつうっかり者な人に
この本を紹介したい。
というわけで、読んだ。
正確には、飛ばし読みした。
どんな課題が書いてあるのか、読んでみた。
そして、納得した。
自分が今までどんな段階を踏んで、地図を読めるようになり、方向感覚を身に付けてきたのか、
それをおさらいするような気持ちになった。
この本の2~4章に書いてあることを真に受けて実行すれば、
地図は読める。
実践を続ければ、方向感覚だって身に付く。
目を通してみて、そう思えた。
※
おもしろいのは、第1章に方向オンチの文化論が書かれていることだ。
遺伝ではないとか、女性に多いというのは間違いとか、日本人に多い、とか。
日本人に多い?
それは知らなかった。
日本人に多い、というより、日本人は方向オンチに寛容、ということのようだ。
そもそも、「方向オンチ」という言葉が有ることが、日本特有のことらしい。
なるほど。
「こういう性質の人がいる」という概念が有るから、言葉ができるのだ。
方向オンチの存在を認めているから、方向オンチという言葉が有るのだ。
地図が読めないなら地図を読めるようにする、という文化なら、
方向オンチという言葉はできない。
ただ、方向オチこぼれ扱いはされるのかもしれないけれど。
※
ともあれ、これは他になかなか類を見ない、
方向オンチを解消するための良いガイド本だと思う。
思う、と控え目に書いたのは、自分がこの本に助けられたわけではないからだ。
誰かに実証して欲しいものだ。
自転車で一人で何時間も走り回るのが好きだった。
事前に地図を見て、行きたい場所とコースをおおよそ頭に入れる。
そして地図は持たずに出かける。
荷物は少ないほうがいい。というか、無いほうがいい。
数時間走り回って帰ってきて、そして地形図を広げ、
通った道を赤鉛筆で辿る。
行き当たりばったりで、面白そうな道が有れば、予定にかまわず行ってみる。
あんまりそれをやると、帰ってから思い出せないことも有った。
けれど当時はほとんど走った道を記憶していた。
地図を赤く染めながら、一日を思い出すのも楽しみだった。
※
おかげで地図が読める。
通った道が地図上でどれだったのか分かるし、
地図を見れば、目的地に行くのにどの道を選べば良いのか分かる。
最短コースが良いけれど、それが複雑過ぎるようなら、もっと簡単なコースを選ぶ。
目印になる建物が無いかチェックする。
道幅の広さなども頭に入れる。
方向音痴の人に相談されることがある。
本当に直したいのか、よくよく確認してからアドバイスする。
まず。地図を持ち歩くことが第一である。
地図を使う練習を勧めて、まず地図をあれこれ説明する。
が、「それができないから相談してるんですよ!」と
途中で逆ギレされることがある。
うん、それができないから練習するんですよ。
と思う。
話をしていくと、どうやら方向音痴というものは
「性質」だと思われているフシがあるようだ。
これは、方向音痴ではない人もそう思っているのではないだろうか。
そして、「性質」は「変えられないもの」だと思っていないか。
いや、性質は習慣の積み重ねによってこの身体に乗っかっているもので、
習慣を変えれば性質もそれに伴って後から変わってくる。
ちょっと時間がかかるが、変わりたければ変われる。
その第一歩が、地図を持ち歩くことだ、と私は思う。
私だって、生まれつき地図が読めたり方向感覚が良かったりしたわけではない。
出かける前に地図を読んで準備し、現地でその地図を思い出し、
家に帰っては実際に通った道を思い出し、それを地図に記録する、
こういう作業を繰り返しやって、身に付けてきたのだ。
※
といったことに本気で仕事として取り組んでいるお人がいる。
素人の私が相談されるくらいだ、確かにニーズは有るわけだ。
私自身は地図を読めるのだから、この本は不必要だ。
けれど、もし良い本だったら、私なんぞに相談しちゃった方向音痴かつうっかり者な人に
この本を紹介したい。
というわけで、読んだ。
正確には、飛ばし読みした。
どんな課題が書いてあるのか、読んでみた。
そして、納得した。
自分が今までどんな段階を踏んで、地図を読めるようになり、方向感覚を身に付けてきたのか、
それをおさらいするような気持ちになった。
この本の2~4章に書いてあることを真に受けて実行すれば、
地図は読める。
実践を続ければ、方向感覚だって身に付く。
目を通してみて、そう思えた。
※
おもしろいのは、第1章に方向オンチの文化論が書かれていることだ。
遺伝ではないとか、女性に多いというのは間違いとか、日本人に多い、とか。
日本人に多い?
それは知らなかった。
日本人に多い、というより、日本人は方向オンチに寛容、ということのようだ。
そもそも、「方向オンチ」という言葉が有ることが、日本特有のことらしい。
なるほど。
「こういう性質の人がいる」という概念が有るから、言葉ができるのだ。
方向オンチの存在を認めているから、方向オンチという言葉が有るのだ。
地図が読めないなら地図を読めるようにする、という文化なら、
方向オンチという言葉はできない。
ただ、方向オチこぼれ扱いはされるのかもしれないけれど。
※
ともあれ、これは他になかなか類を見ない、
方向オンチを解消するための良いガイド本だと思う。
思う、と控え目に書いたのは、自分がこの本に助けられたわけではないからだ。
誰かに実証して欲しいものだ。
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生まれ育った神戸氏東灘区は
方向に迷うことはなく 六甲山のある方が北でした
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腕時計 カシオのプロトレックが欠かせません
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私は、多摩川の向こうに行くと
方向音痴になります。
「多摩川は南」という思いが有るので、
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カシオの腕時計は素晴らしい。
樫尾俊雄発明記念館の見学記をそのうち書きます。