犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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回転寿司の水曜マチネ

2014年07月17日 | 日々
老母は今まで週1回の訪問リハビリを受けていた。
が、歩くことの手前で、立ったり座ったりがちょっとたいへんに
なってきたり、腰の曲がりが強くなってきた。

ケアマネさんが、通所リハビリに切り替えることを提案してくれた。
他の人たちもリハビリに取り組む中で、
訪問よりも長い時間トレーニングをする。
そんな必要を感じたのだろう。

タイミングが良かったのか、母もその気になった。
2箇所のデイケアを見学に行った。
一方はレクリエーションが多く、もう一方はしっかり訓練する。
とても対照的な2箇所を見て、母はリハビリ重視の後者を選んだ。
(事務員や相談員の応対も対照的だった。)

待機は4人。
選んだものの、すぐに行く気にもなれないらしく、
これくらいの待機はちょうど気分的に良いようだ。

よりよいリハビリをして、気持ち良く過ごしてほしい。
知的な人にありがちだが、老母もご多聞に洩れず、
先回りにあれこれ考えてクヨクヨしがちなところが強い。
体が弱ると頭が勝つので、余計にそうなる。

そんな様子を見ていて、中年期から体をしっかり鍛えておく必要を感じる。
肉体労働をしていればそんな必要も無いのだが、
自分のような都市生活者には必須だ。



隣市にあるリハビリ病院のデイケアに申し込みをし、
そこから少し行ったところにある回転寿司屋に入った。
午後2時過ぎで、客はまばらだ。
しかし、カウンターに腰掛ける独り客はみごとに全員、後期高齢者。

わ、私もここに並んで席についてよろしいのでございましょうか?
なんか場違いじゃございません?

店員は、丁寧に客の注文を聞き取り、タッチパネルを操作してあげている。
常連らしいご婦人がやってくれば、「奥の席がいいですよね」と案内する。
みそ汁も「いつもの」。

金縁眼鏡の紳士の、軍艦をつまむ手振りがなんとも恰好いい。
どの年寄りも、背は曲がっているが、姿勢が良い。

考えてみると、この店から数百メートルのところに、大学病院がある。
たぶん、みなさんそこでの診療の帰りなのだろう。
「ちょっと涼ませてもらうわね」なんて言って席につく。
店員の「ごゆっくりどうぞ」という言葉も、普段と違って響いてくる。

みなさん、ほんの数皿を、ゆっくりと楽しんで帰って行く。

帰り際にレジで店員に聞いてみると、
「そうですね、みなさん病院の帰りのようで。
んー、水曜の午後が一番多い、かな?」

自転車置場に、金縁眼鏡の紳士がいた。
使い馴染んだ様子の革の鞄を前カゴに入れ、
頭にはパナマ帽。
私がパナマをかぶったって、こうはいかない、ってくらいに
具合良くおさまっている。

週末の夜、家族連れで犇めく喧騒とはまったく違った雰囲気が心地よく、
また水曜の午後に行ってみたいとさえ思った。
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