犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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先輩後輩関係

2020年12月04日 | 椰子の実の中
[あらすじ] 「女の集まりで先に帰ると陰口を言われる」と言うけれど、
それは男の集まりでも起きる。
異性間には無い、同性同士の集まりならではの関係性というものが有る。

女性の同性同士の社会よりも、男性の同性同士のほうが、
先輩後輩関係が厳しいように感じる。

若い者はサッと使い走りに回る。
互いの年齢を確認し合って、憶える。

芸人の世界などでは、年齢ではなく、いつ入門したかが基準になったりする。
いづれにせよ、年功序列だ。



それが悪いと言っているのではない。
ただ、私自身がその年功序列の中に組み込まれるのはイヤだ。
さらに、組み込まれていなくても、傍から見ているだけでもけっこう不快である。
あくまで私個人の感想ですが。

後輩に対して威張っている先輩というのは、
見ているだけで気分が悪い。



私はとある場でずいぶん長いこと「先輩」の立場をやっていた。
だから、先輩が威張っている姿を見るのがイヤなのは、
同族嫌悪なのかもしれない。
あの頃、自分は先輩としてのさばり過ぎていたんじゃないか、
という自己反省をさせられたくないから、先輩の姿を見たくない、
という気持ちが働いているかもしれない。



テレビ番組を見ていると、
お笑い芸人がずいぶんと先輩後輩関係にこだわっていることが気になる。

大手事務所が養成所を構えている。
高校を卒業したてなどの、1年2年の年齢差がまだ気になる年頃の若者が入学する。
そこで芸歴をスタートする人が多くなっているのも、
お笑い芸人が先輩後輩関係にこだわることの一つの要因になっているかもしれない。

あんまりこだわっている様子を見ると、やっぱりちょっとイヤな気持ちになる。
面白いことをやっている人でも、陰で先輩として威張っている様子が垣間見られると、
ちょっとイヤな気持ちになる。



やっと気付いた。
お笑い芸人が先輩後輩関係にこだわるのは、
年功序列にしないと、もっと剥き出しにシビアになってしまうからではないだろうか。

面白いかどうかとか、収入が高いかどうかとか、人気が有るかどうかとか、
出演回数が多いかとか、女にモテるかとか、冠番組をいくつ持っているかとか、
人の価値をはかる基準は色々ある。
そういった”実力”のようなもので順位づけしてしまうと、
年老いてきたときや、病気をしたときや、何かの失敗をしたときなどに
弱い立場になってしまう。

だから、年功序列なんじゃないだろうか。
後から生まれた者が、先に生まれた者を追い抜くことは、
けっして無い。
時間の流れが一方向である以上、
後輩が先輩より先輩になることは、有り得ない。
年功序列は不変不動なのである。

不変であるから、年ごとに番付を変更する必要も無いし、
一度おぼえたらそれでOKだし、
関係性が変わらないし、
競うことも起こらない。

この競争社会において、競争を排除できる価値観、
それが年功序列なのだ。

誰もが生きていれば年を取る。
自動的に年長者になる。
年功序列であれば、生きていて時間が経つだけで
徐々に順位が上がっていくのだ。



別に、年功序列をほめたたえているわけではない。
最初に書いたように、先輩後輩関係は、見るのもちょっとイヤなくらいイヤだ。
けれど、ある視点に立てばそこにも意味が有りそうだ、ということが言いたい。
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