25年来の友人が他界した。
今ある同性婚訴訟などの活動に先立って、
市役所に同性カップルとして婚姻届を提出し、
不受理の回答を受け取った。
ドメスティックバイオレンスやレイプの被害者の電話相談をして、
今ここで必要な支援を考え、行動した。
セクシュアルマイノリティにまつわる活動をしていて、
宇佐美翔子の名前を知らない人はきっといないだろうと思う。
多くの人の支えとなった人だった。
彼女のことを書いたら一回では済まない。
喪失感は強く、なかなか書けなかった。
ついでに今日も書かないよ。
パートナーをはじめ、
身近な友人や、ともに闘ってきた活動家たちやなど、
たくさんの人が悼んだ。
同じことに怒り、気持ちを分かち合った者同士が
ここでまた同じ悲しみに直面している。
私もそのはしくれにいる。
友人というのは、自分というものを形づくっている一部分なのだ。
ただの友人でこの喪失感なのだから、パートナーのいたみはどれほどか。
※
私の父という人は、不幸な人になってしまった人だった。
恋女房を癌で亡くした。
忘れ形見の息子はまだ5歳だった。
数年後、再婚し、そのまた数年後に生まれたのが私だ。
私が小学2年生の時、兄は二十歳で自動車の単独事故を起こし死んでしまった。
それきり、父という人は、不幸な人になってしまった。
最愛の妻と息子を亡くし、知らぬ間に見知らぬ女と子どもが
目の前の席にいる、と汽車の旅になぞらえて小説に書いている。
※
兄の葬儀の時に歌われた讃美歌を、
あらためて歌ってみた。
https://youtu.be/qF3f5N8Gfeg
歌詞を追い、歌い進み、3番に至って、
この歌をその時の牧師さんが選んだ思いがどっと流れてきた。
いつか自分も死んで天国に至り、先だった人と会える。
その日まで、生きろよ、と。
父の人は、先妻と息子のことを詳細につづった小説を脱稿して、
85歳で死んだ。
死ぬまで生きたと言えるのだろう。
※
讃美歌489番 きよききしべに
きよき岸べに やがて着きて
天(あま)つみくにに ついに昇らん
その日数えて 玉のみかどに
友もうからも 我を待つらん
やがて会いなん
愛でにしものとやがて会いなん
愛のひかりの 消えぬさとに
たえし縁を またも繋がん
消えし星かげ ここに輝き
失せし望みは ここに得られん
親はわが子に 友は友に
妹背あい会う 父のみもと
雲はあとなく 霧は消えはて
同じみすがた ともに写さん
※
この「写さん」という漢字がどうしても気に入らないので、
動画の字幕では「映さん」とした。
あの世でお互い変わらぬ姿を見ましょうね、という意味だろう。
「写さん」だと、
あの世でまたツーショットを撮りましょうね、って意味になってしまうじゃないか。
ピース。
※
私自身は、死んだ人が天国にウヨウヨたまっているとか、
自分も死んだらそこに行くとか、
そこに行ったら先に逝った人に会えるとか、
そういった信仰は全く持っていない。
けれど、この歌が、今、大事な人を亡くした人の慰めになれば、
という思いは持っている。
矛盾しているようだけれど、
まあそんな矛盾も有ってもいいかな。
※
作者のFrances Fane Crosby von Alstyneは
米国ニューヨーク州出身の盲人の女性の詩人で、(1820-1915)
出版社に雇われてじゃんじゃん詩作したので六千曲も歌を書いた。
と、『讃美歌略解 前篇 歌詞の部』に書いてある。ほんまかいなそうかいな。
『曲の部』を持っていなくて図書館で借りるのを忘れていたので、
作曲者のWilliam Howard Doaneについては知らん。
ただ、中盤のメロディが超エモくて日本人の感傷を鷲掴みだなこりゃ。
https://youtu.be/qF3f5N8Gfeg
原詩では
「We shall reach the summer land」
おおう。
天国は過ごしやすい常夏の国、ということなのか。
しかしサマーランドというと思い浮かぶのは、八王子の向こう五日市の手前、
あきる野市の「東京サマーランド」だ。
小学1年生の時に知人に連れられて行ったっけ。
波のプールが有って、こわかった。
ステージではフィンガーファイブがショーをやっていた。
「きよき岸辺」とは秋川っぷちのサマーランドってことか。
イメージガタ崩れ
1. We shall reach the summer land,
Some sweet day, by and by;
We shall press the golden strand,
Some sweet day, by and by;
O the loving welcome there,
By the tree of life so fair!
How we long that joy to share,
Some sweet day, by and by.
Refrain:
By and by,
Some sweet day,
We shall meet our lov'd ones gone,
Some sweet day, by and by.
2. At the crystal river's brink,
Some sweet day, by and by;
We shall find each broken link,
Some sweet day, by and by;
Then the star that, fading here,
Left our hearts and homes so drear,
We shall see more bright and clear,
Some sweet day, by and by. [Refrain]
3. Oh, these parting scenes will end,
Some sweet day, by and by;
We shall gather friend with friend,
Some sweet day, by and by;
There before our Father's throne,
When the mists and clouds have flown,
We shall know as we are known,
Some sweet day, by and by. [Refrain]
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