犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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きよききしべに

2021年10月14日 | なりもの

25年来の友人が他界した。

今ある同性婚訴訟などの活動に先立って、
市役所に同性カップルとして婚姻届を提出し、
不受理の回答を受け取った。
ドメスティックバイオレンスやレイプの被害者の電話相談をして、
今ここで必要な支援を考え、行動した。

セクシュアルマイノリティにまつわる活動をしていて、
宇佐美翔子の名前を知らない人はきっといないだろうと思う。
多くの人の支えとなった人だった。
彼女のことを書いたら一回では済まない。
喪失感は強く、なかなか書けなかった。
ついでに今日も書かないよ。

パートナーをはじめ、
身近な友人や、ともに闘ってきた活動家たちやなど、
たくさんの人が悼んだ。
同じことに怒り、気持ちを分かち合った者同士が
ここでまた同じ悲しみに直面している。

私もそのはしくれにいる。
友人というのは、自分というものを形づくっている一部分なのだ。

ただの友人でこの喪失感なのだから、パートナーのいたみはどれほどか。



私の父という人は、不幸な人になってしまった人だった。
恋女房を癌で亡くした。
忘れ形見の息子はまだ5歳だった。
数年後、再婚し、そのまた数年後に生まれたのが私だ。
私が小学2年生の時、兄は二十歳で自動車の単独事故を起こし死んでしまった。
それきり、父という人は、不幸な人になってしまった。

最愛の妻と息子を亡くし、知らぬ間に見知らぬ女と子どもが
目の前の席にいる、と汽車の旅になぞらえて小説に書いている。



兄の葬儀の時に歌われた讃美歌を、
あらためて歌ってみた。
https://youtu.be/qF3f5N8Gfeg

歌詞を追い、歌い進み、3番に至って、
この歌をその時の牧師さんが選んだ思いがどっと流れてきた。

いつか自分も死んで天国に至り、先だった人と会える。
その日まで、生きろよ、と。

父の人は、先妻と息子のことを詳細につづった小説を脱稿して、
85歳で死んだ。
死ぬまで生きたと言えるのだろう。



讃美歌489番 きよききしべに

きよき岸べに やがて着きて
天(あま)つみくにに ついに昇らん
その日数えて 玉のみかどに
友もうからも 我を待つらん

やがて会いなん
愛でにしものとやがて会いなん

愛のひかりの 消えぬさとに
たえし縁を またも繋がん
消えし星かげ ここに輝き
失せし望みは ここに得られん

親はわが子に 友は友に
妹背あい会う 父のみもと
雲はあとなく 霧は消えはて
同じみすがた ともに写さん



この「写さん」という漢字がどうしても気に入らないので、
動画の字幕では「映さん」とした。
あの世でお互い変わらぬ姿を見ましょうね、という意味だろう。
「写さん」だと、
あの世でまたツーショットを撮りましょうね、って意味になってしまうじゃないか。
ピース。



私自身は、死んだ人が天国にウヨウヨたまっているとか、
自分も死んだらそこに行くとか、
そこに行ったら先に逝った人に会えるとか、
そういった信仰は全く持っていない。

けれど、この歌が、今、大事な人を亡くした人の慰めになれば、
という思いは持っている。

矛盾しているようだけれど、
まあそんな矛盾も有ってもいいかな。



作者のFrances Fane Crosby von Alstyneは
米国ニューヨーク州出身の盲人の女性の詩人で、(1820-1915)
出版社に雇われてじゃんじゃん詩作したので六千曲も歌を書いた。
と、『讃美歌略解 前篇 歌詞の部』に書いてある。ほんまかいなそうかいな。

『曲の部』を持っていなくて図書館で借りるのを忘れていたので、
作曲者のWilliam Howard Doaneについては知らん。
ただ、中盤のメロディが超エモくて日本人の感傷を鷲掴みだなこりゃ。
https://youtu.be/qF3f5N8Gfeg

原詩では
「We shall reach the summer land」
おおう。
天国は過ごしやすい常夏の国、ということなのか。
しかしサマーランドというと思い浮かぶのは、八王子の向こう五日市の手前、
あきる野市の「東京サマーランド」だ。
小学1年生の時に知人に連れられて行ったっけ。
波のプールが有って、こわかった。
ステージではフィンガーファイブがショーをやっていた。

「きよき岸辺」とは秋川っぷちのサマーランドってことか。
イメージガタ崩れ

1. We shall reach the summer land,
Some sweet day, by and by;
We shall press the golden strand,
Some sweet day, by and by;
O the loving welcome there,
By the tree of life so fair!
How we long that joy to share,
Some sweet day, by and by.

Refrain:
By and by,
Some sweet day,
We shall meet our lov'd ones gone,
Some sweet day, by and by.

2. At the crystal river's brink,
Some sweet day, by and by;
We shall find each broken link,
Some sweet day, by and by;
Then the star that, fading here,
Left our hearts and homes so drear,
We shall see more bright and clear,
Some sweet day, by and by. [Refrain]

3. Oh, these parting scenes will end,
Some sweet day, by and by;
We shall gather friend with friend,
Some sweet day, by and by;
There before our Father's throne,
When the mists and clouds have flown,
We shall know as we are known,
Some sweet day, by and by. [Refrain]

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