夕飯に缶チューハイを飲んでいると、
先生が手に取って言う。
「へー、チェリオが作ってるんですか」
へー、先生はチェリオを知っているのか。
チェリオってそんなに売ってないよな。
三宝寺池の茶店の前の自販機がチェリオだったな…。
私は憶え違いを口に出す。
「プラッシーとかね。米屋で売ってますよね。」
え、それは知りません、と先生は言う。
※※※
その後、私は夕飯のお供に、川上弘美の短編集「ハヅキさんのこと」を読み始めた。
しおりを挟んでいたのは「島」。
2ページ目に入って、驚いた。
《港集落にある米屋で買ったプラッシーの瓶に口をつけて、とくとくと飲む。》
私はページを開いて
「ほら」
と先生に見せる。
※※※
この本に収まっている26の短編は、どれも5、6ページで、さっくり読める。
けれど、市立図書館の14日の期限を過ぎても、私は読み終えられずにいる。
どの作品も、余韻があるのだ。
短い物語が終わった後も、その世界が、時間が、広がる。
すぐに次の一篇に移れない。
※※※
川上弘美の筆は達者だ。
最初の2行、長くても7~8行で、見事に状況を説明する。
それだけで、登場人物と物語の背景を、読者はつかむことができる。
次の段落からは、見知った人の噂を聞くように、読み進められるのだ。
ご一読あれ。
先生が手に取って言う。
「へー、チェリオが作ってるんですか」
へー、先生はチェリオを知っているのか。
チェリオってそんなに売ってないよな。
三宝寺池の茶店の前の自販機がチェリオだったな…。
私は憶え違いを口に出す。
「プラッシーとかね。米屋で売ってますよね。」
え、それは知りません、と先生は言う。
※※※
その後、私は夕飯のお供に、川上弘美の短編集「ハヅキさんのこと」を読み始めた。
しおりを挟んでいたのは「島」。
2ページ目に入って、驚いた。
《港集落にある米屋で買ったプラッシーの瓶に口をつけて、とくとくと飲む。》
私はページを開いて
「ほら」
と先生に見せる。
※※※
この本に収まっている26の短編は、どれも5、6ページで、さっくり読める。
けれど、市立図書館の14日の期限を過ぎても、私は読み終えられずにいる。
どの作品も、余韻があるのだ。
短い物語が終わった後も、その世界が、時間が、広がる。
すぐに次の一篇に移れない。
※※※
川上弘美の筆は達者だ。
最初の2行、長くても7~8行で、見事に状況を説明する。
それだけで、登場人物と物語の背景を、読者はつかむことができる。
次の段落からは、見知った人の噂を聞くように、読み進められるのだ。
ご一読あれ。
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