犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ご自由研究 風力二足歩行ロボット篇

2019年08月30日 | からだ
札幌芸術の森美術館で、明後日まで「テオの・ヤンセン展」を開催しているそうだ。
いいなあ、生で見たいもんだ。

風の力で歩く巨大な「生物」を作る、オランダの芸術家だ。
ストランド・ビーストは、風を受けてその力で多数の脚を動かして進む。
プラスチックの筒をガムテープで貼って作るところから始まった。

やがて、動きやすい脚のパイプの比率が見つかったり、
ペットボトルに風の力を貯める方法が見つかったり、
巨大な身体が浜の砂に埋もれないような足になったり、
巨大過ぎた身体が小さくなったり、
と、「進化」してきた。

その身体には、何の役に立つのか分からない部分、などというのも有る。
たまたま獲得した形質で、今後何かの機能を負うかもしれない、という。
まさに、ビーストそのものが進化しているかのようだ。



二本の脚で歩くということは、
バランスを崩し、倒れる前に次の足を着地させる
ということだ。

スタスタ歩いている途中で急に「止まれ」と言われても、
前に出している足が宙に浮いた状態では決して止まれない。

一方で、どの時点でも止まれる歩き方も有る。
それは、日本の能の歩き方や、抜き足差し足の歩き方だ。
重心は必ず安定している。



テオ・ヤンセンの脚の比率を使った二足歩行ロボットのキットを買って、
組み立ててみた。

接着剤は要らない。
多くの関節を説明書どおりに組んでいく。
何ヶ所か、ネジでとめる。

ロボットの中心部に、透明の筒が有り、中に金属の玉が4個入っている。
玉が左右に動くことで、重心が移動するのが目で見て実感できる。



鍼灸という療法を使うにあたって、歩行の観察をしてきた。

重心の移動の大きい歩き方は、筋肉の負担が大きかったり、
支えきれずに身体のねじれが生じたり、そこから背骨の歪みが出たりする。

重心をあまり上下左右に揺らさない歩き方を、
日本の舞いや礼儀作法では教える。
大きなエネルギーを起こさないので、音も立たない。



ロボットの重心移動は単純なだけにぎくしゃくしており、
二足歩行の構造の難しさをあらためて感じさせる。

風という空気の動きを、歩行という動きに変えて
移動していくプラスチックの構造物は、
なかなか見飽きないものだ。
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