犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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アマガエルだったか

2020年07月13日 | イキモノタチ
数年前、近所の大きな公園で、蓮の甕からオタマジャクシを数匹掬ってきて、
池に放った。
観察などしなかった。

ある日、庭の奥から「カッカッカッカッカ」と声が聞こえた。
拾ってきたオタマが無事に成熟して鳴いているらしい。
アマガエルだったのか。



とある田んぼで、オタマジャクシを2匹掬ってきた。
オタマは警戒心が強い。
田んぼのわきを歩いていると、
底にもうもうと泥煙が上がって、慌てて移動したことが分かる。
あんまり派手に逃げるから、行先も分かってしまう。

しゃがんで、移動した先あたりをじっと見ると、
オタマがいるのが見えてくる。
二つの器ではさみうちにする。
たいがい、後ろの器に入る。



オタマジャクシは警戒心が強い。

くるりと後ろに逃げる。
後ろからも器は迫っているのだが、
やっぱり前から来る物のほうが見えやすいのだろう。

後ろに逃げがちなのを利用して捕まえる。
ほぼ同時に前後から器を水中に入れるのだが、
後ろのほうを少し先に、より静かに入れる。
それから、前の器を入れて後ろに追い込む感じだ。



泥ごと掬って持ち帰る。

バケツに汲み置きの水が有る。
そこにあける。



以前どこぞで拾ってきた30㎝水槽が有る。
濾過用の砂利を買い、尖りの無い田砂を買い、泥も入れる。
ポンプを買って、一部に水流を作り、濾過もする。
もう、汚したいんだか澄ませたいんだか分からん仕様だが、しようがない。



というのが、3週間前のこと。

オタマジャクシは本当に警戒心が強く、
私が近く1mまで近寄ると、水槽の角から角から角へと
ダーーーーッ!と逃げる。
ちょっと哀れだ。

なるべく驚かさないように行動する。
オタマの水槽は普段行き来するような位置には置けないな。



何のオタマジャクシなのか。
図書館でカエルの本をやたらと借りて来る。
オタマのサイズ、目の位置、身体の模様、歯列の形など比較した図を見る。
よく分からない。
トウキョウダルマガエルかな?

ここいらでトノサマガエルと思われているものは、
実はトウキョウダルマガエルである。
掬って来た場所でも、見たことが有る。



しかし、撮った写真をよく見てみると、
指先に吸盤が有る。
やっぱり二ホンアマガエルだろうか。



1週間あまり経った頃か、
足が生えた。

「オタマジャクシはカエルの子 ナマズの孫ではないわいな
それが何より証拠には やがて手が出る足が出る」

この歌の間違っているところは、手と足の順だ。
足が出るのが先で、手が後だ。

カエルの本に書いてあった。
オタマジャクシの皮下で、足が形成され、
それが成熟すると皮を破って出てくるのだ、と。
私は先ほど「脚が生えた」と書いたが、
歌のように「手が出る足が出る」という表現のほうが、合っている。

それを知って、足が出て数日したオタマジャクシをよく見ると
なるほど、胴体のわきに何やら膨らみが有る。
手が発生してきているのだ。

幼虫が蝶に変わっていっているのが
蛹から透けてかすかに見えるのは見たことが有る。
蛹の背中が割れる「ぱ」という音を聞いたことも有る。
似ていると思う。



ある日の朝、見ると手が出ていた。
ああ。手が出る瞬間を見てみたかった。



いつでも上陸できるように、30㎝水槽から、庭のメダカ鉢に移してやろう。
小さな水槽に少しの水と一緒に移して、30㎝水槽の上にちょいと置いておいた。

1時間ほどして、さて放してやろうと、水槽の有る部屋に入ったら、
オタマジャクシは小さな水槽の角にちょこんととまっていた。

繰り返し申し上げますが、警戒心が強い。
ちょっと近付いたら大慌てで泳いでいた。
そのオタマが今、尻尾が残っているとは言え、カエルの姿になりかけて
水槽の角にとまっている。

緊張が走り、そして一歩踏み出した途端、
オタマが跳ねた。
跳ね飛んで、どこへやら。

慌てて駆け付けて見ると、すぐ横の床にいる。
田んぼで掬った時と同じ蓋付きのプラ容器で、
前後から挟みうちにして、すんなり捕まえることができた。

初めて水の外に出て、初めてたっぷり肺呼吸をして、
初めてジャンプした瞬間を見た。
成長を見るのはやっぱり楽しい。



庭のメダカ鉢の前で容器の蓋を開けると、
自ら跳び出て行った。

いつか鳴き声が聞こえるだろうか。
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