数年前、近所の大きな公園で、蓮の甕からオタマジャクシを数匹掬ってきて、
池に放った。
観察などしなかった。
ある日、庭の奥から「カッカッカッカッカ」と声が聞こえた。
拾ってきたオタマが無事に成熟して鳴いているらしい。
アマガエルだったのか。
※
とある田んぼで、オタマジャクシを2匹掬ってきた。
オタマは警戒心が強い。
田んぼのわきを歩いていると、
底にもうもうと泥煙が上がって、慌てて移動したことが分かる。
あんまり派手に逃げるから、行先も分かってしまう。
しゃがんで、移動した先あたりをじっと見ると、
オタマがいるのが見えてくる。
二つの器ではさみうちにする。
たいがい、後ろの器に入る。
※
オタマジャクシは警戒心が強い。
くるりと後ろに逃げる。
後ろからも器は迫っているのだが、
やっぱり前から来る物のほうが見えやすいのだろう。
後ろに逃げがちなのを利用して捕まえる。
ほぼ同時に前後から器を水中に入れるのだが、
後ろのほうを少し先に、より静かに入れる。
それから、前の器を入れて後ろに追い込む感じだ。
※
泥ごと掬って持ち帰る。
バケツに汲み置きの水が有る。
そこにあける。
※
以前どこぞで拾ってきた30㎝水槽が有る。
濾過用の砂利を買い、尖りの無い田砂を買い、泥も入れる。
ポンプを買って、一部に水流を作り、濾過もする。
もう、汚したいんだか澄ませたいんだか分からん仕様だが、しようがない。
※
というのが、3週間前のこと。
オタマジャクシは本当に警戒心が強く、
私が近く1mまで近寄ると、水槽の角から角から角へと
ダーーーーッ!と逃げる。
ちょっと哀れだ。
なるべく驚かさないように行動する。
オタマの水槽は普段行き来するような位置には置けないな。
※
何のオタマジャクシなのか。
図書館でカエルの本をやたらと借りて来る。
オタマのサイズ、目の位置、身体の模様、歯列の形など比較した図を見る。
よく分からない。
トウキョウダルマガエルかな?
ここいらでトノサマガエルと思われているものは、
実はトウキョウダルマガエルである。
掬って来た場所でも、見たことが有る。
※
しかし、撮った写真をよく見てみると、
指先に吸盤が有る。
やっぱり二ホンアマガエルだろうか。
※
1週間あまり経った頃か、
足が生えた。
「オタマジャクシはカエルの子 ナマズの孫ではないわいな
それが何より証拠には やがて手が出る足が出る」
この歌の間違っているところは、手と足の順だ。
足が出るのが先で、手が後だ。
カエルの本に書いてあった。
オタマジャクシの皮下で、足が形成され、
それが成熟すると皮を破って出てくるのだ、と。
私は先ほど「脚が生えた」と書いたが、
歌のように「手が出る足が出る」という表現のほうが、合っている。
それを知って、足が出て数日したオタマジャクシをよく見ると
なるほど、胴体のわきに何やら膨らみが有る。
手が発生してきているのだ。
幼虫が蝶に変わっていっているのが
蛹から透けてかすかに見えるのは見たことが有る。
蛹の背中が割れる「ぱ」という音を聞いたことも有る。
似ていると思う。
※
ある日の朝、見ると手が出ていた。
ああ。手が出る瞬間を見てみたかった。
※
いつでも上陸できるように、30㎝水槽から、庭のメダカ鉢に移してやろう。
小さな水槽に少しの水と一緒に移して、30㎝水槽の上にちょいと置いておいた。
1時間ほどして、さて放してやろうと、水槽の有る部屋に入ったら、
オタマジャクシは小さな水槽の角にちょこんととまっていた。
繰り返し申し上げますが、警戒心が強い。
ちょっと近付いたら大慌てで泳いでいた。
そのオタマが今、尻尾が残っているとは言え、カエルの姿になりかけて
水槽の角にとまっている。
緊張が走り、そして一歩踏み出した途端、
オタマが跳ねた。
跳ね飛んで、どこへやら。
慌てて駆け付けて見ると、すぐ横の床にいる。
田んぼで掬った時と同じ蓋付きのプラ容器で、
前後から挟みうちにして、すんなり捕まえることができた。
初めて水の外に出て、初めてたっぷり肺呼吸をして、
初めてジャンプした瞬間を見た。
成長を見るのはやっぱり楽しい。
※
庭のメダカ鉢の前で容器の蓋を開けると、
自ら跳び出て行った。
いつか鳴き声が聞こえるだろうか。
池に放った。
観察などしなかった。
ある日、庭の奥から「カッカッカッカッカ」と声が聞こえた。
拾ってきたオタマが無事に成熟して鳴いているらしい。
アマガエルだったのか。
※
とある田んぼで、オタマジャクシを2匹掬ってきた。
オタマは警戒心が強い。
田んぼのわきを歩いていると、
底にもうもうと泥煙が上がって、慌てて移動したことが分かる。
あんまり派手に逃げるから、行先も分かってしまう。
しゃがんで、移動した先あたりをじっと見ると、
オタマがいるのが見えてくる。
二つの器ではさみうちにする。
たいがい、後ろの器に入る。
※
オタマジャクシは警戒心が強い。
くるりと後ろに逃げる。
後ろからも器は迫っているのだが、
やっぱり前から来る物のほうが見えやすいのだろう。
後ろに逃げがちなのを利用して捕まえる。
ほぼ同時に前後から器を水中に入れるのだが、
後ろのほうを少し先に、より静かに入れる。
それから、前の器を入れて後ろに追い込む感じだ。
※
泥ごと掬って持ち帰る。
バケツに汲み置きの水が有る。
そこにあける。
※
以前どこぞで拾ってきた30㎝水槽が有る。
濾過用の砂利を買い、尖りの無い田砂を買い、泥も入れる。
ポンプを買って、一部に水流を作り、濾過もする。
もう、汚したいんだか澄ませたいんだか分からん仕様だが、しようがない。
※
というのが、3週間前のこと。
オタマジャクシは本当に警戒心が強く、
私が近く1mまで近寄ると、水槽の角から角から角へと
ダーーーーッ!と逃げる。
ちょっと哀れだ。
なるべく驚かさないように行動する。
オタマの水槽は普段行き来するような位置には置けないな。
※
何のオタマジャクシなのか。
図書館でカエルの本をやたらと借りて来る。
オタマのサイズ、目の位置、身体の模様、歯列の形など比較した図を見る。
よく分からない。
トウキョウダルマガエルかな?
ここいらでトノサマガエルと思われているものは、
実はトウキョウダルマガエルである。
掬って来た場所でも、見たことが有る。
※
しかし、撮った写真をよく見てみると、
指先に吸盤が有る。
やっぱり二ホンアマガエルだろうか。
※
1週間あまり経った頃か、
足が生えた。
「オタマジャクシはカエルの子 ナマズの孫ではないわいな
それが何より証拠には やがて手が出る足が出る」
この歌の間違っているところは、手と足の順だ。
足が出るのが先で、手が後だ。
カエルの本に書いてあった。
オタマジャクシの皮下で、足が形成され、
それが成熟すると皮を破って出てくるのだ、と。
私は先ほど「脚が生えた」と書いたが、
歌のように「手が出る足が出る」という表現のほうが、合っている。
それを知って、足が出て数日したオタマジャクシをよく見ると
なるほど、胴体のわきに何やら膨らみが有る。
手が発生してきているのだ。
幼虫が蝶に変わっていっているのが
蛹から透けてかすかに見えるのは見たことが有る。
蛹の背中が割れる「ぱ」という音を聞いたことも有る。
似ていると思う。
※
ある日の朝、見ると手が出ていた。
ああ。手が出る瞬間を見てみたかった。
※
いつでも上陸できるように、30㎝水槽から、庭のメダカ鉢に移してやろう。
小さな水槽に少しの水と一緒に移して、30㎝水槽の上にちょいと置いておいた。
1時間ほどして、さて放してやろうと、水槽の有る部屋に入ったら、
オタマジャクシは小さな水槽の角にちょこんととまっていた。
繰り返し申し上げますが、警戒心が強い。
ちょっと近付いたら大慌てで泳いでいた。
そのオタマが今、尻尾が残っているとは言え、カエルの姿になりかけて
水槽の角にとまっている。
緊張が走り、そして一歩踏み出した途端、
オタマが跳ねた。
跳ね飛んで、どこへやら。
慌てて駆け付けて見ると、すぐ横の床にいる。
田んぼで掬った時と同じ蓋付きのプラ容器で、
前後から挟みうちにして、すんなり捕まえることができた。
初めて水の外に出て、初めてたっぷり肺呼吸をして、
初めてジャンプした瞬間を見た。
成長を見るのはやっぱり楽しい。
※
庭のメダカ鉢の前で容器の蓋を開けると、
自ら跳び出て行った。
いつか鳴き声が聞こえるだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます