老母84歳、パーキンソン病。
訪問の看護師さんは毎週火曜日にやって来る。
母は、高齢ということや性格的なものやパーキンソン病からや何かで、
周囲の人の提案や提供してくれるものがなかなか受け入れられない。
看護師さんまで悩んで私に相談してくる。
とにかく、看護師さんというものは、あらゆる分野をカバーしなければならない、
それは医師は専門性が高く、他の科のことについては触れてくれないのと大違いであり、
頼りがいがあるのだよ、
と、母によーく言って聞かせる。
私からも信頼づくりを促進しようというわけだ。
水曜日のデイケアの疲れが翌日翌々日まで残る、と言う。
そこで、木曜日に訪問して心身の状態をみましょう、ということを看護のボスが提案してくれた。
母にもよく説明したのだが、理解できていなかったようで、
ある木曜日に看護師さんがやって来てビックリしたらしい。
そのビックリも加わったせいか、看護師さんが肩や背に触れると、
圧迫されたように苦しい、と訴えたそうだ。
・・・
食事がおいしくない、と言う。
ものの味がしない。
圧迫感も味覚の問題も、鬱がもとだろう。
神経内科の診察の際、食欲について聞かれ、味覚のことを本人が話した。
毎回の診察の中で、歩行の状態を診るために診察室の奥を4mほど先まで歩かせる。
先生は、母が遠のいているうちに小声で
「鬱からくるものですね。ご本人にはそうは言わないで説明しましょう。」
と私に言った。
母は「この歳になって初めて食べ物がおいしくない」と言う。
そうか、初めてなのか。
私は二十歳そこそこで、食べるものの味がしない、何を食べても砂を噛むよう、
というのを経験して、何がその原因なのかすぐに自然にわかった。
母は10年前の股関節の手術のときまで、入院したこともなかった。
今まで丈夫に生きてきたのだと、あらためて思う。
圧迫感のことも私から話した。
何かの瞬間に先生はまた小声で「圧迫感も鬱が原因でしょう。」
そうだと思います。
「パーキンソン病の症状のひとつですね。
お薬増やしたくないでしょうけど、ひとつだけ増やしましょう。
パキシルというお薬です。
これを飲めば、味がしないことや圧迫感もだんだん良くなりますよ。」
「はい。
でも気持ちは元気なんです。」
パキシルを母が知っているとも思えないが、それがSSRIという種類の抗うつ剤だと
分かって言っているかのような会話に不思議となっていた。
味がしないけれど気持ちは元気だと思っているあたりが
何か自覚に乏しいように思える。
それに、毎日私には泣き言ばかり言っているが、あれで元気なのかいな。
自分を盛り立てようとして言っているのかもしれないが、
医師の診察の場では率直なところを伝えたほうがいい。
いづれにしろ、「気持ちは元気」というのが本人の思いなのだろう。
健康はたしかに第一だが、病気や怪我を若いうちにしておくのも、
良い経験になると思う。
健康維持の方法を考えたり身に付けたりしなければならなかったりするし、
リハビリに取り組むことをおぼえられるし、
心身に関する知識も付くし、
なにしろ、少々のことで驚かない自分に仕上げていく糧になる。
訪問の看護師さんは毎週火曜日にやって来る。
母は、高齢ということや性格的なものやパーキンソン病からや何かで、
周囲の人の提案や提供してくれるものがなかなか受け入れられない。
看護師さんまで悩んで私に相談してくる。
とにかく、看護師さんというものは、あらゆる分野をカバーしなければならない、
それは医師は専門性が高く、他の科のことについては触れてくれないのと大違いであり、
頼りがいがあるのだよ、
と、母によーく言って聞かせる。
私からも信頼づくりを促進しようというわけだ。
水曜日のデイケアの疲れが翌日翌々日まで残る、と言う。
そこで、木曜日に訪問して心身の状態をみましょう、ということを看護のボスが提案してくれた。
母にもよく説明したのだが、理解できていなかったようで、
ある木曜日に看護師さんがやって来てビックリしたらしい。
そのビックリも加わったせいか、看護師さんが肩や背に触れると、
圧迫されたように苦しい、と訴えたそうだ。
・・・
食事がおいしくない、と言う。
ものの味がしない。
圧迫感も味覚の問題も、鬱がもとだろう。
神経内科の診察の際、食欲について聞かれ、味覚のことを本人が話した。
毎回の診察の中で、歩行の状態を診るために診察室の奥を4mほど先まで歩かせる。
先生は、母が遠のいているうちに小声で
「鬱からくるものですね。ご本人にはそうは言わないで説明しましょう。」
と私に言った。
母は「この歳になって初めて食べ物がおいしくない」と言う。
そうか、初めてなのか。
私は二十歳そこそこで、食べるものの味がしない、何を食べても砂を噛むよう、
というのを経験して、何がその原因なのかすぐに自然にわかった。
母は10年前の股関節の手術のときまで、入院したこともなかった。
今まで丈夫に生きてきたのだと、あらためて思う。
圧迫感のことも私から話した。
何かの瞬間に先生はまた小声で「圧迫感も鬱が原因でしょう。」
そうだと思います。
「パーキンソン病の症状のひとつですね。
お薬増やしたくないでしょうけど、ひとつだけ増やしましょう。
パキシルというお薬です。
これを飲めば、味がしないことや圧迫感もだんだん良くなりますよ。」
「はい。
でも気持ちは元気なんです。」
パキシルを母が知っているとも思えないが、それがSSRIという種類の抗うつ剤だと
分かって言っているかのような会話に不思議となっていた。
味がしないけれど気持ちは元気だと思っているあたりが
何か自覚に乏しいように思える。
それに、毎日私には泣き言ばかり言っているが、あれで元気なのかいな。
自分を盛り立てようとして言っているのかもしれないが、
医師の診察の場では率直なところを伝えたほうがいい。
いづれにしろ、「気持ちは元気」というのが本人の思いなのだろう。
健康はたしかに第一だが、病気や怪我を若いうちにしておくのも、
良い経験になると思う。
健康維持の方法を考えたり身に付けたりしなければならなかったりするし、
リハビリに取り組むことをおぼえられるし、
心身に関する知識も付くし、
なにしろ、少々のことで驚かない自分に仕上げていく糧になる。
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