犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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Qちゃん閉店

2016年02月04日 | 日々
[あらすじ] 20年お世話になったバイク店から、ある日、封書が届いた。


1月31日まで、ということなら、それまでにもう一度修理を依頼しよう。

そういえば、この頃チェーンがたるんでいた。
自分で調整しようと思っていたが、この際、店に預けて
工賃を餞別としよう。

たぶん、チェーンのたるみは軽く、交換ではなくて調整で済むだろう。
あと数日で閉店してしまうのに、部品をどこかから取り寄せるような仕事を
頼むのは気が引ける。
調整だけなら工具と技術があればできる。

チェーンがたるんだまま走行すると、ある時にチェーンが外れてエラいことになる。
もしも古いチェーンで伸びきった物だと、強い負荷がかかった時に切れるおそれもある。

チェーンがたるんでいるのは、音でわかる。
段差を越えた後に、チェーンがチェーンカバーに当たる音が聞こえる。
「カタタン」
自転車でも同じなので、この音が聞こえたらチェーンの張りを調整したほうが良い。

急発進や、突然の加速や、上り坂でシフトチェンジするなどで、
チェーンに力がかかると、伸びる。
私のバイクの場合、最近、シフトチェンジを失敗して
空吹かしの状態にギヤが急に繋がる、ということをやってしまった。
イヤな感じの音がして、あ伸びたな、と思ったら、
直後から路面の段差を越えるくらいでも「カタン」と鳴るようになっていた。



調整は簡単なことなので、バイクを店番のおバアちゃんに預けた翌日には
携帯の留守番電話にメッセージが入っていた。

私は最終日に店に行った。
日曜日でもあったので、シャッターは閉まっていた。

呼び鈴を押すと、2階の自宅から店主が降りてきた。
「聞いてる?」
あ、ご丁寧にお手紙をいただきまして。残念です。
「ヒマなんだよね。
もう、バイクみんなやめちゃって。
おたくと、もう一人二人くらいでさ。」

ケロリとした顔で淡々と語る。
もともとの顔が明るいので、景気の悪いことを言っていても、
なんだかカラリとした感じになる。
そういうこの店主の顔が、私は好きだ。

誰に似ているかと言えば、オバケのQ太郎だ。

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