犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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いけばな×百段階段2018

2018年11月22日 | よみものみもの
おともだちのママリンがいけばな展に出展するからって
チケットをくれたから行ってきたよ。

という、お気軽なノリだったのだが、
一歩進む度に、こりゃえらいところへ来ちまったな、と思った。

「百段階段は行ったことある?」
あ、無いです、行ってみたいです。
とりあえずなんでも興味。券をくださるの?ラッキー。



私の、雅叙園に対するイメージは、きちゃない。
あれでしょ、目黒川のハケにギラギラしいビルをブッ建ててる
結婚式場でしょ?
なーんか感じ悪いよね。

感じ悪いのはどっちだ。



駐車場に車を停めて、乗ったエレベーターが早速仰々しい。

エレベーターのドアも、エレベーターの筐体も、
ど派手な象嵌で飾られている。

硯箱とか手箱とか、そんなんくらいだったら
細工として螺鈿の象嵌なんてのは、すばらしい技術だと思う。

でもエレベーターのドアや筐体を?
アホかいな。
成金趣味か?
下品だなあ。

下品なのはどっちだ。という勢いの感想になってしまう。

エレベーターを降りて出た一階のラウンジ?も、なんだか仰山で仰山で。
あっちに龍こっちに虎と、いちいち飾る。
同行の友人Tも
「過剰ーーーー。何がやりたいのか全く意味が分からない。」
と、歯に衣を着せない。



展示は週替わりで9期に渡る。あらごめんなさいね、昨日までだった。
いけばなの57の流派が、入れ替わり立ち替わり展示する。
私が行ったのは第七期。

いけばなは、美術として見るのは好き。
しかし、流派とか師範がどうとかいった世界には近寄り難い。
見るだけでいい。

百段階段というのは、目黒雅叙園(昨年、雅叙園ホテルなんちゃらと名称を変更したそうな)に有る、
まあ、文字通り階段である。

古い温泉旅館に来たワクワク感みたいなものに包まれつつ、
階段を昇ると、横に部屋が有る。
なんちゃらの間、と名前が付いている部屋に、それぞれの流派が花をいけている。



なんちゃらの間のなんちゃらとは、画家の名前だ。
当時の画家を使って、それぞれの部屋の天井画を描かせている。

階段は木造でよろしい。
窓の格子のデザインも美しい。

ただ、一歩部屋に入るとこれまた仰々しい。

どこで見っけてきたんじゃという仰々しい床柱、
壁も襖も天井も絵で埋め尽くされている。
目にうるさい。うるさい。うるさーーーい!

ほっと畳を見たりして。



そんな部屋に、花がいけてある。

いやーー。果たして、これは花にとってふさわしい舞台なのか?
周囲がごちゃごちゃしていて、花が埋もれてしまう。

ごちゃごちゃした大作を飾る流派であっても、
仏教の世界観をいけばなで表現する流派であっても、
どうも、周囲のごちゃごちゃが作品の邪魔をしている。

ものすごく胃にもたれる。
食傷気味になりながら、階段を昇る。

建築自体は面白い。
地形を利用した階段で繋がる数々の部屋。
外は雨で暮れかかり。
木々の幹が黒く見え、廊下の天井からは雨音が聞こえる。

ふー。
げえっぷ。



おともだちのママリンが、プログラムに〇印を付けてくれた部屋に入ると、
なんやらちょっと雰囲気が違った。

ここは清方の間、鏑木清方の絵が天井を飾っている。
他の部屋の格天井と違って、扇の形に作られ、その地は木の皮が井桁に編んである。
ああ、言葉で説明するのは難しいが、とにかく、木の色が引き立っている。
いいじゃないの。

作品には、名札が添えてあるのだが、この部屋には無かった。
ひょっとして…
当番のおねえちゃんに聞いてみた。
お一方でいけてらっしゃるんですか?
「はい、手伝いの者も付きましたが、先生お一人です。」

ぎょえーー!

残りは最上階のパネル展示だけ、という、実質一番最後の間、
それを一人でいけた、おともだちのママリンってもしかしてすごい人?

お花もすばらしかった。
無駄なものが無い。
友人Tが言う「ほらあの剣山おもしろい。花器も見ごたえあるね。」

当番のおねえちゃんが他の客に説明しているのが聞こえてくる。
「古流なので、剣山という物をまだ使わないんです。」
花差しと言うのですね。知らなかった。

しかも、この部屋の襖は、ななななんと!!!
白い!

壁も襖も天井も絵で埋め尽くされていたのに、
ここに来て白い襖!
奇跡か。



とても刺激的でした。
ありがとう。

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