対決 袋vsうんち

矛盾。
「ほこ」と「たて」の故事が有る。

ある商売人が言う。
「ウチの矛はどんなに頑丈な盾も貫く鋭さだ。お買い得だよ」
また言う。
「ウチの盾はどんなに鋭い矛で突かれても大丈夫だ。お買い得だよ」
客が言う。
「ほんじゃあ、その矛でその盾を突いたら、どうなるんだい」

※

散歩中に犬がウンチをしたら、拾って持ち帰って処分する。
そのための専用の袋として、ポリ袋の内側に溶けやすい紙の袋がセットしてある
という商品も売っている。

ただどうも、この袋だとニオイが気になる。
ニオイが洩れるのだ。
漏れるというとより、しみ出ると言ったほうが的確かもしれない。
縛った口から洩れるというより、袋全体からニオイが出る。
ポリ袋は水を入れても洩れないのに、
ニオイの物質が出る隙間は有るということか。

※

においのもれない袋、という商品も多数ある。
最初に買ってみたのは、おむつ処理袋だった。
赤ちゃんを連れての外出などで、使用済みのおむつを持ち帰るための袋だ。

トイレットペーパーを、適当な長さ巻き取って、それを何枚か用意する。
犬が排便したら、そのペーパーで拾って、
おむつ処理袋に入れて持ち帰る。

良い。
ウンチを入れた袋をポケットに入れても気にならないくらい、
無臭である。
ウンチを入れた袋に鼻を付けて嗅いで確認しても、
無臭である。

ケチケチと使った。
ウンチをペーパーでくるんで拾うので、
袋の内側にも特に付着しない。
きれいなもんだから、再利用する。

が。
この商品は、ほぼ透明の袋だった。
スーパーで生鮮食品を入れて帰る袋に、そこはかとなく似ている。
家の中で混同したら、
困る。
うん困る。

※

色付きの商品を選んだ。
黒い袋だ。
中身の色も透けないし、いい。

使い切らないうちに、飼い犬ジーロくんが８月末に他界した。
そして10月頭には次の犬ウーゴくんを迎えた。

同じ、黒い袋にウンチを入れる。
ジーロのウンチのにおいはそれで防げたのだが、
同じ袋でもウーゴのウンチのにおいは洩れる。

ウーゴくん、ウンチくさい。

たしかに、ウンチのにおいが強めではある。
そして、においの質も異なる。
その上、もしかしてにおい物質の粒子がジーロのウンチのにおい物質よりも
細かいということだろうか。

※

私は、荷物を減らしたい。
なんなら手ぶらで散歩に行って、
拾ったウンチなんか上着のポケットに入れて帰りたい。
しかし、においが洩れて上着が内側からウンチ臭くなるのは御免だ。

今は肩掛けバッグを提げているが、
バッグにニオイが付くのだって、イヤだ。

もっとしっかりしたウンチ袋は無いか。

※

「この袋はどんなウンチのニオイももらさない。お買い得だよ」
「ウチの犬のウンチはどんな袋に入れてもニオイがもれる。くさいよ」
じゃあその袋にこの犬のウンチを入れたら、どうなる。

※

探した。
口こみサイトを見て、においの遮断性の高い商品を探した。
医療向け開発から生まれた防臭力、驚異の防臭素材とな。
買ってみた。
使ってみた。
嗅いでみた。

いい。

ウーゴくんのクサいウンチを入れても、においが洩れない。
水色で透けないし、ウンチ袋として判別がつく。

当分お世話になります。