犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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春画展に

2015年12月28日 | よみものみもの
※ホソカワのトノサマの酔狂のおかげで、春画展が開催された。
私も行ってきた。
ものすごい混雑だと評判の美術展は敬遠しがちなのに。

※友人Fと「こんな混雑じゃ知り合いに遭っちゃうかもねー」
などと言っていたら、入口でわりに付き合いのある
親戚に遭ってしまった。
幾分気まずい…。

※なんでも、ここ永青文庫の現在の入口を作る改修の設計をした人が
我が家の改修の設計をした人で、その人から招待券をもらったとか。
いや私なんか自腹でわざわざ来ていますんですけど。

※混雑した美術展の何がイヤかって、ふだん美術展なんか来ない人が
マナーもわからずに牛歩すること。
進行方向を見ているから、絵の前に来た時にはその絵に興味は無くなっている。
結果、絵の前には絵を見ていない人が立っているということになる。
せめて絵を見ている人で混雑してるんなら理解できるのだが。

※艶本の研究で随一という林美一氏が、著書で嘆いている。
春画にしか興味が無く、古典そのものの知識が無い、
変体仮名が読めないなどのタダの好事家が多い、と。

※夏に、静岡市美術館での「フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」に行った。
江戸の木版画の技術史が辿れるように展示してあり、理解が深まった。
おかげで今回も、墨摺絵、紅絵、水絵、錦絵、空摺など、
版画そのものの美しさを楽しむことができた。
実に素晴らしい芸術だ。

※戯作本だの黄表紙だのをスラスラと読みたくて、
変体仮名特に江戸の版本の字を勉強したことがある。
おかげで、美しい絵の余白に書いてある文字が
いかに馬鹿々々しい言葉で埋め尽くされているか、大体読める。
実にくだらんポルノだ。

※予習として、タイモン・スクリーチ著『春画 片手で読む江戸の絵』を読んだ。
参考書を一冊しか読まないのは、知見に偏りが出そうだが。
全裸の絵、女性の局部を舐めている絵、お歯黒している女などが今回の展示には有ったが
それは珍しい部類だという基礎知識を持って見ることができた。

※よくある疑問として、「どうしてあんなに局部を大きく描くのか?」
というのがある。
同時に、男の体も女の体も柔らかな線で、さほどの違い無く描いてあることにも
気付くべきなのだろう。

※とかく、予習しないとただでかまらばかりが目に残る結果となりゃしないかとか、
会場で気分が悪くなって座る場所を求める年配男性が多く目に付いたとか、
余計な心配が付きまとう展覧会であった。

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