ジェームズ二世の通貨改革

[あらすじ] サンスクリットの独習を始めた。人生の巡り合わせに恵まれ、祝福されている。
[あらすじ] 書の独習を始めた。古典の臨書が楽しみだ。ちょうど、漢字の歴史の展覧会があった。
[あらすじ] 自販機のつり銭口のプラスチックの蓋が外れていて、側溝に小銭が落ちた。


そもそも
小銭が丸いのがいけない。
円形だから、転がる。
転がったら、低い方へ向かうのは、自然の原理だ。

だから、小銭が丸くなきゃいいんだ。
小銭が丸くなけりゃ、地面に落ちた小銭はそこに落ちてじっとしている。

中国古代の銭の展示の写真である。
銭、かくあるべし。
転がりようがない。

農具の形のミニチュアだということだ。
なんなら地面に落としたら、耕すかのようにサクッと土に刺さる。

日本だってほんのちょっと昔だったら、小判は小判型だったじゃないか。
あれだったら転がらない。
まあ、小判は今で言ったら一万円札のようなものであって、
日常に使う単位の銭はやっぱり円形だったが。

しかし、日常使う物だからこそ、転がらない形の方が都合いい。
誰しも経験あるんじゃないだろうか。
レジで小銭の受け渡しの際にちょいと取りこぼして
チャリン、チーン、チリリリリリ・・・・・・

慌てて　パンッ　と足で踏んで止めたりして。
お金を踏むのはなんだかイヤだ、なんてためらってかがんで追い掛けていると、
どんどん何かの台の下の隙間なんかに入って行っちまったりして。
店の人に手伝ってもらって台を移動させてやっとこ拾って１円玉だったりして。

やだねえ。
それも、小銭が円形だからじゃないか。

小銭が小判型だったらちょっと楽しい。
つり銭を品物の下にひそませて、
「お代官様、ひとつよしなに…」
「い○げや、お主もワルよのう」
なんつって。