毎朝、ドッグランに行く。
保護団体から引き取って3年近くなる飼い犬ウーゴくんはお繊細野郎で、
ドッグランでしか排便しないのだ。
台風接近の中、不安定な空模様である。
雨の中、合羽を着て犬の散歩に行くのは暑くてしんどい。
犬が濡れて蒸れると臭いので、犬にも合羽を着せる。めんどい。
目が覚めると、まだ暗い。
けれど、寝たまま窓から見える中天の空は深い藍色で、
かすかに茜が差しているのが分かる。
雨が来る前に散歩を済まそう。
そう思ってすぐに起き上がる。
私は子どもの頃から寝起きが良い。
空は澄んでいるように見える。
PCを起ち上げてナウキャストを見ると、
ちょうど雨雲が過ぎたところで、しかも次の雲は当分無い。
急がなくて良さそうだ。
トイレに行って、歯を磨いて顔を洗って、
昨夜の食器を洗って、
ああああ!
昨夜はペルセウス座流星群の極大だった!
楽しみにしていたのだが、
どうせ雨だから見られないだろう
と思って諦めてしまい、すっかり忘れていた。
あれこれする前、空が藍色のうちだったら、
目が覚めてすぐだったら、
星が降るのが観られたかもしれない。
※
子どもの頃から、自転車で走り回るのが好きだった。
目的地を決めて、地図を持たずに行く。
帰宅してから、道を思い出して、地図に赤線を書き込む。
家の近くの道は大体知っていることになる。
知らない所、初めての所に行きたい。
もっと時間が欲しい。
夏休みに早起きして、2時間くらい走って、
帰宅して朝ごはんを食べて、寝直す。
その「早起き」を、早めた。
5時頃に出ていたのが、4時半になり、4時になり、
もっと遠くへ行きたいと思って、3時半になり、
3時に目覚ましをかけて3時15分に出たり。
そうやって早起きして出かけていることを、
親に知られることが嫌いだった。
こっそりと、足音を立てないように、階段をきしませないように。
寝室のほうからボソボソと母が
「○子が出かける」と父に言っているのが聞こえる。
すごくイヤだった。
ほっといて欲しい。
中学生の頃は強烈にイヤだった。
暗い深大寺界隈を抜け、坂を下って、
多摩川の堤に出る。
上流へ走る。
日によっては、朝霧で数メートル先も見えないほどだったりする。
面白い。
※
出かけない日も早起きしていただろうか。
よく憶えていない。
※
しかし、ある日のこと。
東側の壁に、小さい窓が有る。
目が覚めると、南側の窓の外はまだ夜だけれど、
東の空はうっすらと色が変わり始めている。
その空に、流れ星が飛んだ。
おお!
と思うと、また流れる。
ええっ!
と思うと、また一つ。
いや二つ。もう一つ。
といった具合で、まさに星が「降った」のだ。
音が聞こえてきそうなくらい、たて続けに降る。
なんじゃこりゃ。
空は毎朝こんなことやってるのか?
驚いた。
何が起きているんだ?と思って他の窓からも空を見たが、
じゃんじゃん流れているのは東だけだ。
いくつ流れたか、数は憶えていない。
幾筋も同時に流れたりして、数えられなかったような憶えが有る。
40年前のことで、インターネットも無い。
夏休みのことだし、学校で話題になるでもない、先生に聞くでもない。
そのまま美しく鮮やかに記憶するだけだった。
※
ずっと後になって、ペルセウス座流星群を知った。
あの朝はちょうど極大の時だったのだろう。
あんなに集中して流れる様はその後も見たことが無い。
保護団体から引き取って3年近くなる飼い犬ウーゴくんはお繊細野郎で、
ドッグランでしか排便しないのだ。
台風接近の中、不安定な空模様である。
雨の中、合羽を着て犬の散歩に行くのは暑くてしんどい。
犬が濡れて蒸れると臭いので、犬にも合羽を着せる。めんどい。
目が覚めると、まだ暗い。
けれど、寝たまま窓から見える中天の空は深い藍色で、
かすかに茜が差しているのが分かる。
雨が来る前に散歩を済まそう。
そう思ってすぐに起き上がる。
私は子どもの頃から寝起きが良い。
空は澄んでいるように見える。
PCを起ち上げてナウキャストを見ると、
ちょうど雨雲が過ぎたところで、しかも次の雲は当分無い。
急がなくて良さそうだ。
トイレに行って、歯を磨いて顔を洗って、
昨夜の食器を洗って、
ああああ!
昨夜はペルセウス座流星群の極大だった!
楽しみにしていたのだが、
どうせ雨だから見られないだろう
と思って諦めてしまい、すっかり忘れていた。
あれこれする前、空が藍色のうちだったら、
目が覚めてすぐだったら、
星が降るのが観られたかもしれない。
※
子どもの頃から、自転車で走り回るのが好きだった。
目的地を決めて、地図を持たずに行く。
帰宅してから、道を思い出して、地図に赤線を書き込む。
家の近くの道は大体知っていることになる。
知らない所、初めての所に行きたい。
もっと時間が欲しい。
夏休みに早起きして、2時間くらい走って、
帰宅して朝ごはんを食べて、寝直す。
その「早起き」を、早めた。
5時頃に出ていたのが、4時半になり、4時になり、
もっと遠くへ行きたいと思って、3時半になり、
3時に目覚ましをかけて3時15分に出たり。
そうやって早起きして出かけていることを、
親に知られることが嫌いだった。
こっそりと、足音を立てないように、階段をきしませないように。
寝室のほうからボソボソと母が
「○子が出かける」と父に言っているのが聞こえる。
すごくイヤだった。
ほっといて欲しい。
中学生の頃は強烈にイヤだった。
暗い深大寺界隈を抜け、坂を下って、
多摩川の堤に出る。
上流へ走る。
日によっては、朝霧で数メートル先も見えないほどだったりする。
面白い。
※
出かけない日も早起きしていただろうか。
よく憶えていない。
※
しかし、ある日のこと。
東側の壁に、小さい窓が有る。
目が覚めると、南側の窓の外はまだ夜だけれど、
東の空はうっすらと色が変わり始めている。
その空に、流れ星が飛んだ。
おお!
と思うと、また流れる。
ええっ!
と思うと、また一つ。
いや二つ。もう一つ。
といった具合で、まさに星が「降った」のだ。
音が聞こえてきそうなくらい、たて続けに降る。
なんじゃこりゃ。
空は毎朝こんなことやってるのか?
驚いた。
何が起きているんだ?と思って他の窓からも空を見たが、
じゃんじゃん流れているのは東だけだ。
いくつ流れたか、数は憶えていない。
幾筋も同時に流れたりして、数えられなかったような憶えが有る。
40年前のことで、インターネットも無い。
夏休みのことだし、学校で話題になるでもない、先生に聞くでもない。
そのまま美しく鮮やかに記憶するだけだった。
※
ずっと後になって、ペルセウス座流星群を知った。
あの朝はちょうど極大の時だったのだろう。
あんなに集中して流れる様はその後も見たことが無い。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます