犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

お魚くわえたドラ猫を追っかけるのは吉田さんだった。

2019年07月17日 | よみものみもの
タイトルに全て書いた。
以上。


ってわけにもいかないので書くが、
と、もったいぶるでもないのだが、
このご時世、検索すりゃあ誰かが既に書いていると思うのだが、

自分で発見したらやはり自分で書きたい。

テレビアニメ「サザエさん」の主題歌にある、
「お魚くわえたドラ猫追っかけて裸足で駆けてく」のは、
原作漫画ではサザエさんではなく、吉田さんであった。

きっと、ひと昔前のテレビ番組「トリビアの泉」なんかでも
取り上げられていたのではないだろうか。
と思うようなネタだ。



先日、久しぶりに森下文化センターに行った。
ただの公民館ではなく、のらくろで知られる漫画家、田河水泡の記念館にもなっている。

のらくろは戦前から戦中戦後と、日本の社会に翻弄された漫画だった。
軍国主義的な内容かと思えば、戦中は「皇軍を犬で描くとは不敬」と禁止された。
戦後になってみれば、幼少年に軍国主義を植え付けた、などと批判された。

どれも的を射ない批判であり、
のらくろはただ人生の愉快と悲哀を描き、
かつ田河水泡の芸術センス溢れる作品だ。



家にのらくろの漫画本が有る。
昭和8年刊、定価は壹圓。
表紙は布張り、全編色刷りだ。

犬が直立二足歩行して階級章を首輪に付けている。
キャラクターとして漫画らしい描き方だ。

ただ、背景が何やら美しい。
色使いやデザインが、一風有るのだ。

私はそういうのらくろの漫画のコマから
不思議な感じを受けていた。



森下文化センターで、田河水泡の人生についての展示を見て、
分かった。
水泡は、美術学校を出ていて、大正モダニズムの最中、前衛芸術団体に参加したりもしていた。
当時の写真を見ると、色白細面に長髪。
着ている服も、今で言ったら服飾専門学校の学生しか着ていないような奇妙なお洒落服だ。
ぶっとんでる。



その田河水泡の、住み込みの弟子が長谷川町子だった。

そうそう、サザエさんの話だった。
図書館で『サザエさん』を借りた。

戦後の満州引き揚げや配給の様子が描かれている作品が多い。
サザエさんは人々の生活が舞台なのだ。

その中に、問題の作品が有った。
写真なんかアップすると著作権の問題が有りそうだから、
4コマ漫画を文字に起こしてみる。

1.サザエさん「ハイキュウ、ハイキュウ」と拍子木を打つ。ムシロの上に名札の付いた魚が並んでいる。
2.「ナカノですが」。サザエさん「これよ」。
  「ヨシダです」と髷を結ってもんぺに下駄履きで赤ちゃんをおぶった女性。
3.サザエさん「アッ!ヨシダさんのはあれョ」と遠くを指さす。
4.黒猫が魚をくわえて走るのを、ヨシダさんが追い駆けて、下駄は脱げてしまっている。

どうだ。
アニメのテーマソングの歌詞は、明らかにこの4コマ目を描いているが、
まさか
お魚くわえたドラ猫追っかけて裸足で駆けてく愉快なヨシダさん♪
と歌ってはサザエさんのテーマソングにならない。
そこで、わき役のヨシダさんには引っ込んでもらったというわけだろう。

どうです?全国のヨシダさん。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 左折の矢印信号 | トップ | 自動車運転免許証とジェンダー »

コメントを投稿

よみものみもの」カテゴリの最新記事