犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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テールピースづくり穴あけ篇

2020年09月18日 | なりもの
[あらすじ] 複弦バリトンウクレレのブリッジが表板から剥がれてしまった。
元々ブリッジは固定しないで作って欲しいと注文したのだから、これはチャンス。
自分で駒を削って作り、テールピースも手作りした。

もう少し細かい粗筋。

テールピースは木製の物をエンドピンに太い針金で引っ掛けた。
最初は良かったが、数週間経つとチューニングが決まらなくなってきた。
弦を締めても締めてもピッチが上がらないのである。

よく見ると、テールピースをエンドピンに掛けている針金が、
表板の端っこに食い込んできている。
弦を締めれば締めるほど、針金が食い込んでいるのだ。
チューニングが決まらないのは困るが、表板に妙な溝が
だんだん深く傷付いていくのも困る。

そこで、針金が表板に食い込んでしまわないように、
間に金属板を挟んでみた。
意図した通り、針金は食い込まなくなった。
これで安心。
と思ってチューニングしてみたが、
以前にも増して決まらない。

見ると、テールピースがすっかり傾いてしまっている。
弦を締めた側がグッとヘッドに近く傾いているのだ。

針金が板に食い込まなくなったのは良かったのだが、
金属板の上は滑りやすく、エンドピンを中心に回ってズレてしまったのだ。
ダメだこりゃ。
次いってみよう。



つまり、エンドピンに引っ掛ける形で考えても、
弦のテンションを上げた方に傾いてしまうからダメだ。
そうなると、ボディの後ろ側面に固定するしか無いか。

しかし、完成品である楽器に穴をあけたり
エンドピンを外してみたりするという、
元に戻せなくなることはしたくない。
あくまで今ある物の上に乗っける形で作れないか。



ボディの後ろ側面に板を取り付ける、
板が回ってしまわないように、端にくの字の金具を付けて引っ掛ける。
というのはどうだろう。
いやしかし金具を使うのがブサイクだ。美しくない。なんかヤだ。



やっぱりハナムラ楽器に持ち込んで、
最初の希望をもう一度伝えてみるか。

いや、できることはやり尽くしてみよう。

なぜなら、ハナムラさんには今、私はテナーウクレレを注文したいのだ。
一度に二つの用事を頼んだら、何かがお留守になってしまう。
「須山ちゃん、修理終わったよ」と電話が来て取りに行ってみたら
サドルが接着してあった、ってことになりかねない。
ああもうくっきり思い浮かぶわ。



弦が食い込まないように、という作戦の時に使った、
銅メッキの金属板が、まだ有る。
これで、テールピースを作ってみよう。

端を折り曲げて、丈夫にして、
弦を通す穴を開けて、エンドピンを通す穴を開けて、
裏の角に引っ掛けるように折り曲げて。

どうだろう。



ペンチで少しづつ折り曲げる。
一気にやると千切れてしまうから、
少し曲げては隣に移動して、というのを繰り返す。
直角くらいまで曲がったら、
指で全体を一気に曲げていける。

最後は金床の上で金槌で叩いて整えるが、
折り目のところは叩かない。
少し浮かせておいた方が、後で曲げに強くなる。

両側を二度折り曲げた。
これで弦のテンションに負けない、だろう。



弦を通す端の部分も折り曲げて二重にする。

そこに、ドリルで穴を開ける。
2個づつ4組、計8個の穴。
写真はこの作業の途中。



最終的にうまくいくかどうか分からないで作っているので、
なんとない不安感がいちいちつきまとって、
作業に取り組む手が遅れがちになる。

早く弾きたいのだが。

つづく
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