チリンリーディング

一年くらい前に、シショーからコールドリーディングという言葉を教わった。
行動心理学の考えは好きだが、学問としてやりたくないので、術後はまるで知らない。

シショーのところの女子学生が、
「先生そんなに当たるんなら、私がお昼に何を食べたか分かりますか」
とキたそうな。
お昼でしょ、女子でしょ、学食に有るメニューでしょ、
わざわざ問題にするということは、ちょっと考えれば当たりそうなメニューだろう。
と考えて、シショーは「カレーライス」と当てたそうだ。

ああ、そういう推理なら、日頃やっておらんこともないな。

※

帰宅したら、老母84歳（当時）が食卓のいつもの席にいる。
何かと使うために、私は小銭をたくさん渡している。

そのうちの、一円玉の山を指して、母が言う。
「これ、いくら有ーるか」

キたね！
ちょっと考えれば当たりそうだから問題にしているのだろう。
私は得々と答えた。
「百円。」

すると母はさも嬉しそうににんまりしながら、
「百六円でしたー」と言う。
「いま数えたの」

カーッ！
私が適当な見積もりで百円と答えるのも見越して問題にしたのだ。
見事ひっかかって、面白いことでしょうね！

でも106円はどうせ当てられないなあ。